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【テーマ】 思索、過去の思い出、健康、資格試験(IT)、ピアノ、循環気質、クオーターラ…

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【テーマ】 思索、過去の思い出、健康、資格試験(IT)、ピアノ、循環気質、クオーターライフクライシス、人間関係リセット症候群、逃げ癖、承認欲求、あるはずだった未来の不在

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『就活闘争20XX』(佐川恭一)感想

表題の本を読みました。佐川恭一の本は割とよく読んでいます。 超異次元の少子化対策が奇跡的にハマり、ウルトラベビーブームになることで競争が激化した時代の人気企業Z社の就職活動がテーマの小説でした。主人公はやはり、勉強しか取り柄のない京大生。 佐川恭一らしい学歴(の小さな差異)に対する異常なこだわりと清々しいまでのステレオタイプ化は、やはり健在で面白かったです。 特に「SNSのフォロワー10万人を24時間以内に獲得することが合格条件のインターンシップ」が印象に残りました。 「

    • 回転式本棚を購入した

      私は同世代の中では本をよく読む(買う)人間なのですが、本棚がなくてうまく本を整頓できないのが悩みでした。 というわけで、ニトリで回転式の本棚(6段!)を購入しました。 サイズ的に入らない本は別の棚に収納することにして解決。 いい買い物だったと思います。 値段も10000円ちょいでお買い得です。 #我が家のDIY

      • 『現代思想 2024年1月号 ビッククエッション』感想

        久しぶりに雑誌『現代思想』を手に取り読みました。1月号のテーマは「ビッククエッション」。"なぜ人を殺してはいけないのか"、"美しいとはどういうことか"、"歴史とは何か"、"テクノロジーの進歩は止めるべきなのか"など、壮大な問いに対して各論者が4-8ページで論ずる、というやや無謀な回でした。 学問が極度に細分化し、また「困難は分割せよ」の圧力が強い現代ですので、「良心的な」知識人は回答を出すことができるサイズの問いに終始しがち。ですが、壮大なことを考え論じてくれた方が面白いで

        • 積読している本たち

          それぞれの本には「読むべきタイミング」があるのでしょう。 購入するタイミングと読むべきタイミングが異なる本の場合は、その間「積読状態」になるわけで。 実際、大学1年生のときに張り切って『ツァラトゥストラはかく語りき』(ニーチェ)を購入しましたが、その時点では序説しか読み進めることができませんでした。単純に面白さ(interesting, funnyともに)が分からなくてです。 大学で哲学・思想の知識を習得することで、「どのように読めば面白いのか」「自分の興味関心とどこが共通

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        『就活闘争20XX』(佐川恭一)感想

          『ふたりの距離の概算』『いまさら翼といわれても』感想(米澤穂信著)

          今年の7月から米澤穂信の「小市民シリーズ」がアニメ化するようです。 大学生のときに、米澤穂信原作の『氷菓』を視聴していたことを思い出しました。もう10年以上前です。 原作の古典部シリーズは全6冊刊行されていて、2012年にアニメ化されたのは4巻まで。 最近それ以後の、5巻『ふたりの距離の概算』と6巻『いまさら翼といわれても』を読みました。 折木や千反田が2年生になっていました。 1.5巻『ふたりの距離の概算』5巻『ふたりの距離の概算』は、古典部に仮入部してきた大日向がど

          『ふたりの距離の概算』『いまさら翼といわれても』感想(米澤穂信著)

          スポーツ型と読書型

          物事のどこに力点を置くのかによって、人はスポーツ型と読書型に分けられるだろう。 スポーツ型は、「うまくできるようになること」に力点を置く。昨日できなかったことが今日できるようになり、明日になるともっとうまくできるようになるということ。連続的な能力の発達を尊び、他者(過去の自分含む)との勝ち負けに関心がある。換言すれば、共役可能な一つのパラダイムやルールの中での比較こそが、スポーツ型の人間にとっての人生の幹である。 対して読書型の人間にとって、「ものの見方を変えられること」

          スポーツ型と読書型

          2024年幸先の悪いスタート

          2024年が明けて早1週間です。地震や事故が続き、落ち着かない日々が日本全体として続いています。 僕個人としても、タイミングの悪いことに風邪(インフル?)になってしまいました。 風邪薬を飲む前は40℃近くでした。 ひたすらポカリとプリン(熱が37℃代になってからスープ春雨も)を食べる機械になってしまいました。 有給を使用していたので、明日が年初初出勤なのですが、幸先悪し(熱が引いていなければ在宅にしてもらい、熱が上がっていればもう一日お休みという感じになると思います)

          2024年幸先の悪いスタート

          今年の振り返りと来年に向けた抱負

          2023年もあと3日で終わりです。今年の振り返りと来年の抱負をまとめておきます。 1.仕事今年は職場移動がありました。おおむね僕にとっては状況は好転したと思います。在宅勤務と出社のハイブリットという働き方も慣れてきました。そろそろ毎日出社に戻るのでしょうか? ①英語 現在の職場に異動してから、頻繁に英語を使用する環境だったので、自分の英語力の低さ(特にwriting, listening, speaking)を痛感しました。 ただ周りの人間は僕以上に英語ができないという

          今年の振り返りと来年に向けた抱負

          『カラマーゾフの兄弟』読書メモ②(第一部第一編-第二編)

          ドストエフスキーの大長編『カラマーゾフの兄弟』を読み始めています。 1.第一部第一編「ある家族の物語」第一部第一編「ある家族の物語」は、カラマーゾフ家の人物(父フョードル、長男ドミートリ、次男イワン、三男アリョーシャ)についての来歴が語られていました。 父フョードルの「ネグレクト」故にそれぞれ離散して育っていた息子たちが、再び父の住む町に帰郷し一同に集まることで、物語が動き始めます。 ドストエフスキーの小説は、バフチンによって「ポリフォニー小説」と解されました。 作者

          『カラマーゾフの兄弟』読書メモ②(第一部第一編-第二編)

          『東京奇譚集』(村上春樹著)感想

          旅行や出張などの移動時間には、小説を読むことが多いです。11月に関東へ出張に行く機会があった際には、村上春樹の『東京奇譚集』を読みました。 村上春樹の小説を読むのはかなり久しぶりでした。『1Q84』を4年前に読んで以来。 『1Q84』は一般的な小説に比べると、固有名詞(日常現実に存在する固有なもの)が重要なモチーフとして登場していた印象があります。例えば「エッソのトラの看板」、「ヤナーチェック」、「平家物語」など。 幻想的な舞台設定の中に、日常現実的なものを配置することに

          『東京奇譚集』(村上春樹著)感想

          『カラマーゾフの兄弟』読書メモ①(&『地下室の手記』感想)

          最近仕事が忙しく精神が若干摩耗しています。 「そんなときは、古典を読むに限る(現代日本の磁場から離れよう!)」ということで、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』を読み始めることにしました。光文社古典新訳文庫の亀山郁夫訳です。 4部12編の大長編なので、1週間に1編読了したとしても読み終わるのは1年後。長い戦いです。 1.地下室の手記ドストエフスキーの文学で僕が今まで読んだことがあるのは『地下室の手記』です。2020年ぐらいに読みました。その当時の感想としては、、、、

          『カラマーゾフの兄弟』読書メモ①(&『地下室の手記』感想)

          たこ焼きがうまく作れない

          僕は普段自炊をしない人間で、外食やコンビニ弁当で食事を終わらせてしまいがちなのですが、そろそろ何か料理ができるようになった方が良いと思い、最近ホットプレートを購入してみました。 料理初心者は何から作ればいいのかよく分かっていないのですが、せっかくタコ焼きプレートが付いていたので、人生で初めてタコ焼きを作ってみることにしました。 たこ焼きの作り方の手順はシンプルで ①生地を作る(タコ焼き粉100g+卵1個+水300mlを混ぜ合わせ) ②タコ焼きプレートの穴の8分目まで生地を

          たこ焼きがうまく作れない

          『「逆張り」の研究』感想

          表題の本を読みました。 SNSの時代において、「逆張り(逆の見方で物事を見ること)」が、「ポーズとしての/金儲けとしての逆張り」に矮小化されてしまい、逆張りの評判が悪くなっていることが問題意識としてあるようでした。 本来「逆張り」には単なるポーズ/金儲けに留まらない「真に思考を深めるための逆張り」があるはずであるというのはその通りだと思います。 1.ソローの逆張り僕は個人的に逆張りをする人が好きなのですが、過激な逆説によって局面を 打開し、新たな生の次元を垣間見せてくれる

          『「逆張り」の研究』感想

          自己研鑽に「溶かした」額⇒67万

          日本人は、「大人(社会人)になったら勉強をしなくなる」とよく言われます。 おそらく伝統的に労働時間が長く(残業などで会社に拘束される時間が長く)、家で自己研鑽をする文化が根付いていないのが原因なのでしょう。 ただ一方で最近では、「会社に依存することなく、どんな場所でも活躍できる市場価値の高い人間」が称揚され、「資格取得・外国語学習・大人の習い事・オンラインサロン・自己啓発のための読書」などの自己研鑽が日本でも盛んになっている印象があります。 僕は2018年に社会人になっ

          自己研鑽に「溶かした」額⇒67万

          『失われた未来を求めて』、『闇の精神史』(木澤佐登志)感想

          表題の本を読みました。木澤佐登志さんの本は結構読んでいます(持っています)。 概ねどの本も、 という問題意識は一貫しているような気がします。 「あるはずだった未来の不在」と「ユートピア(ここではないどこか)の希求」を、社会改良的でもなく革命的でもない形で、オーソドックスな人文学として表現してくれるところに需要があるのだと思いますし、僕もそこに惹かれています。 1.『失われた未来を求めて』特に1章4節の「カウンターカルチャーの亡霊-祓われた六〇年代」が興味深かった。

          『失われた未来を求めて』、『闇の精神史』(木澤佐登志)感想

          哲学者のことば(ニーチェ、シオラン、エピクテトス、フーコー、カベル、吉田兼好)

          よく「哲学は自己啓発とは違う」と言われます。 自己啓発と哲学は、「現状(今ある自分/今ある環境/今ある世界)に対して疑いの目を向け、〈別の真理〉を探求する」というおおもとの目的意識は近いものがありますが、前者がシンプルで力強い答え(例:「個人の内面の変容」、「Inner Selfの解放」)を提示することに力点を置くのに対し、後者はあくまで探求それ自体の過程(論理、概念分析、述語連関)に力点を置く点が、違いかなと思います。 換言すると、自己啓発派の人にとって哲学は「迂遠で回

          哲学者のことば(ニーチェ、シオラン、エピクテトス、フーコー、カベル、吉田兼好)