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俳句

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四季折々
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#冬

【俳句】冬

【俳句】冬

寂しさや寒さのきはに身を投ず

【俳句】冬の息5句

【俳句】冬の息5句

君の手の冷たさを知るすべはなし

白息を受けとめる手になれたなら

君のこと空に浮かぶたび息白し

冬の君はくもり眼鏡の彼方かな

行き場なき孤独の息や雪消待つ

【俳句】冬の靄6句

【俳句】冬の靄6句

子とならび上野の靄を早歩き

妻を具す王子は靄へ冬の夜

今となれば都は遠し冬の靄

寒靄やピザを分け合ひ夢語る

御徒町マフラー消ゆる靄の果

毛布から伸びきたる手や靄知らず

【俳句】寒の雨5句

【俳句】寒の雨5句

寒き夜の板間に水の気配かな

寒の雨餓ゑたる土に出で会ひぬ

旱後の土の鍵かな寒の雨

寒の雨土と繋がる凸と凹

空風の肌や雨を娶るかな

【俳句】寒厨3句

【俳句】寒厨3句

寒暁や厨ぼうやり踏み入りぬ

名のつかぬ音と始まる寒くりや

寒厨を彩るいのち長きかな

【俳句】冬のはしくれ3句

【俳句】冬のはしくれ3句

浮世絵の雪富士望遠レンズの中

むれをなす水仙よ身を捨つるなよ

目出度さの名残や乾びし栗きんとん

【俳句】寒旱3句

【俳句】寒旱3句

寒旱呆れられつつ居座りて

空風や雨乞歌となりゆけり

日照より雨の寒さを厭ふ身や

【俳句】寒晴5句

【俳句】寒晴5句

寒晴やまなこに痛き日の叫び

見上ぐれば青に鶫の別れ道

寒晴に泳ぐタオルの温きかな

寒日和かしこに響む破顔かな

わが敵のさらに凛々しき凍晴や
(誰のことでしょう? 
スクロールすると分かるよ!)

答え:白バイ隊員

【俳句】ヘルプ5句

【俳句】ヘルプ5句

よろめきし渋き外套に肩を貸す

片側に青年の手の白きかな

底冷えの家へ翁の座るまで

名乗りせず良いお年をと別れ道

青年に指輪きらりと冬茜

【俳句】年の暮3句

【俳句】年の暮3句

心のみ急きてぐうたら年の暮

年つまりあれもこれもと悪あがき

不完全燃焼土産に年明かす

【俳句】冬の些細な日常5句

【俳句】冬の些細な日常5句

悴みて湯気もくもくの厨かな

大根の葉と実のコラボ愉快かな

山芋や榎の肌に仮住まい

寒すずめ子の暴走に日向へと

秘めごとやそつと素通り枯木立

【俳句】寒き日のおはやう5句

【俳句】寒き日のおはやう5句

潦今日も凍りておはやうと

冬鴉のタップダンスにおはやうさん

凍て風や魔物の声に光そふ

自転車の霜を肴にまだ吹くか

明日よりは昼におはやう冬休み

【俳句】冬至5句

【俳句】冬至5句

朝まだき冬の極みや夢うつつ

日はさらに短し雨の冬至かな

水仙ををちこち飾る冬至かな

またしても柚子買ひ足され冬至風呂

花も実も香り祭の冬至かな

【俳句】再会5句

【俳句】再会5句

七歳も人恋しきか年の暮

突然のとぶらひも暮れは無礼講

喜びをボールにこめて投げ合ひつ

小便を忘るるほどに遊びけり

あたたかき心もらひて年は果つ