英文法子

どちらかというと英語を聴いたり読んだりすることがただ好きなだけだったのが、友人に誘われ…

英文法子

どちらかというと英語を聴いたり読んだりすることがただ好きなだけだったのが、友人に誘われて足を踏み入れた英語教育の世界。大学受験予備校や社会人対象の学校で英語を教えている自分にどうしても慣れないまま、気がついたら英語そのものと向き合うことが日常になっていた猫。

マガジン

  • 英文法の小径

    毎回、一つの文法項目について、意の赴くままに説明を試みた散文を掲載中。

  • 英文法 重箱の隅

    「重箱の隅を楊枝でほじくる(つつく)」= 取り上げなくてもよい、細かな事までを問題にする(新明解国語辞典)

最近の記事

  • 固定された記事

【英文法の小径】への誘い

英文法の小径―そこは 英文法という言葉を掲げてはいるけれど 英文法の復権を唱えるのでもなく 英文法の理論を紹介するのでもなく 普段何気なく使っているかもしれない英語という言語を 英文法という視点から眺めてみてはいかがですか という、ささやかな提案を行う場。 いつも歩いている通りから、わきの小径に入って しばし見慣れない風景に身を置いてみる。 英文法の小径を訪れることが そのようなひと時となりますように。

    • 【英文法の小径】would〈助動詞〉

      今回は、現在形 will の意志や習慣を表す用法に対応する、過去形 would の使い方について見ていきましょう。 a. She wouldn’t accept my apology. b. The door wouldn’t open.would も will 同様、過去における主語の意志を表すことがあるが、その場合は例文 a. のように、たいてい否定形 wouldn’t で用いて、拒絶を表す。「彼女は私の謝罪をどうしても受け入れようとしなかった」 例文 b. のよ

      • 【英文法の小径】will〈助動詞〉その二

        今回も、will の別の顔、単に未来のことに言及するのとは異なる用法に注目することにします。 Jane will listen to music in her room for hours.「ジェーンは自分の部屋で何時間も音楽を聴いていることがよくある」。人が自発的に行うことは繰り返されることになるので、意志を表す will の用法から、習慣を表す用法が生まれるのは自然なことかもしれない。 Bob WILL leave his clothes all over the f

        • 【英文法の小径】will〈助動詞〉その一

          以前にも何度か触れているけれど、何事も最初の出会いが肝心、第一印象というのは強く残るもの。will という語について言えば、未来に関する情報(特に未来の予測)を伝えるときに使う用法(未来表現・その三)がそう。今回は、will のもう一つの顔、意志を表す用法(未来表現・その一)に改めて目を向けてみましょう。 I’ll meet you outside the hotel in half an hour. 今、30分後にホテルの外で会うことに決めたことを相手に告げている。つま

        • 固定された記事

        【英文法の小径】への誘い

        マガジン

        • 英文法の小径
          116本
        • 英文法 重箱の隅
          8本
          ¥500

        記事

          【英文法の小径】used to〈助動詞〉その三

          今回は[used to]の否定文と疑問文における形の確認です。 I didn’t use to like broccoli. Did you use to live in Tokyo? 一般的には、普通動詞として扱って否定文や疑問文では ‘did’ を用います。なお、'I didn’t used to' や 'did you used to' のような綴り(過去形が2つ連続する)を目にすることもありますが、これは多くの人が正しくないと感じているようです。 She use

          【英文法の小径】used to〈助動詞〉その三

          【英文法の小径】used to〈助動詞〉その二

          This building used to be a cinema.全国的に映画館数の減少が言われるようになって久しい(ちなみに「映画館」は特にイギリス英語で cinema、アメリカ英語では movie theater)。例文に描かれているような状況も決してめずらしくはない。 このように、今では存在しなくなった過去の状態について述べるときにも[used to]という表現を用いることができます。つまり、[used to]は動作を表す動詞だけでなく、状態を表す動詞と共に使うこと

          【英文法の小径】used to〈助動詞〉その二

          【英文法の小径】used to〈助動詞〉その一

          I used to go to bed early.人の生活スタイルというものは変化する。例えば5年前はそうしていたけれど、今はこうしているというぐあいに。この「以前はそうしていた(けれど)」と言いたいときによく用いるのが[used to]という表現です。 この表現は今ではもう行われなくなった過去の習慣を表すため、[used to]を使うと現在との対比が明瞭になる。上の例文では、話し手が早く寝る習慣をもうやめてしまったことが示唆されている。 I get up at 7 o

          【英文法の小径】used to〈助動詞〉その一

          【英文法の小径】be supposed to〈助動詞〉

          今回取り上げる[be supposed to]という表現は、表面的な意味=日本語訳自体は難しくはないけれど、その意味合いに注意しなければならないことがあります。 英和辞典などには、suppose という動詞の訳語として「思う/考える/推測する」などが載っていることからもわかる通り、その受動形を用いた[be supposed to]は、一般に思われていること/多くの人に信じられていることについて述べるときに用いることがある。 ただ、このとき、「実のところはよくわからない」あ

          【英文法の小径】be supposed to〈助動詞〉

          【英文法の小径】had better〈助動詞〉その二

          今回は、[had better]のさまざまな形式を整理しておきましょう。 You'd better go to the doctor. [had better]が言及するのは近い将来(あるいは、現在/未来)のことですが、動詞の形は常に過去形 had(have better … )で、くだけた話し言葉では縮約形の ‘d better を用いるのがふつう。後には to なし不定詞=動詞の原形が続きます。 You’d better not go to work today.

          【英文法の小径】had better〈助動詞〉その二

          【英文法の小径】had better〈助動詞〉その一

          I think all drivers should/ought to wear seat belts. 車を運転するときはシートベルトを着用すべきだという意見を述べた文。ここで should や[ought to]の代わりに[had better]を使うことはできるのだろうか?この忠告に従わなければ、場合によっては命を落とす危険さえあることは確かなのだから、[had better]でもいいのでは …? ここで三度(?)登場する使い分けの基準があります。それは、述べられて

          【英文法の小径】had better〈助動詞〉その一

          【英文法の小径】should/had better〈助動詞〉

          You’d better go now or you’ll be late.再び、何事もはじめが肝心。had better =「〜したほうがいい」、should =「〜すべき」。最初のインプットがこんなふうだと、 誤解が生じてもおかしくはないかもしれない。日本語の響きからすると、「すべき」の方が「したほうがいい」よりも強い(気がする)。 ところが … should も[had better]も、人に忠告するときに用いるけれど、その度合いは[had better]の方が強い。

          【英文法の小径】should/had better〈助動詞〉

          【英文法の小径】should〈助動詞〉その二

          I shouldn’t have eaten so much.前にも触れたように、人は過去を振り返ずにはいられない。あのとき、ああすればよかった、こうすればよかった、あるいは逆に、あんなことしなければよかった … その繰り返しである。そういうときに役立つのが[should have + 過去分詞]という形。ああ、気分が悪い、食べすぎた(これが事実)。あんなに食べなければよかった(後悔先に立たず)。 You should have come to see us.相手や第三者を

          【英文法の小径】should〈助動詞〉その二

          【英文法の小径】should/ought to〈助動詞〉

          You should/ought to quit smoking. [ought to]は should とほぼ同じ意味を表し、同じように must ほど強くはない。義務や助言/提案を述べるときに用いることができる。 ただし、よく使われるのは should の方。[ought to]は should に比べると、改まった/堅苦しい言い方と感じられるため。 You ought not to [oughtn’t to] speak to your mother like t

          【英文法の小径】should/ought to〈助動詞〉

          【英文法の小径】should〈助動詞〉その一

          You should take a picture.素晴らしい眺めを前にしての一言。最初の出会いが肝心なのは、人だけでなく英語も同じ。初めて should と出会ったときに、義務を表す「すべき」という日本語とともにインプットしなかっただろうか。 確かに、「すべき」という日本語がぴったりで、義務について述べていると考えるのがもっともなこともあります。 ただ、should はもともとは、「そうするのはよいことだ/正しい」といった意味。なので、場合によっては、義務よりも軽い意味

          【英文法の小径】should〈助動詞〉その一

          【英文法の小径】should/must〈助動詞〉

          a) You should apologize. b) You must apologize.should も must も、いわゆる「義務」を表すとされているけれど、もちろん両者は異なる。どうちがうのだろう?「すべき」と「しなければならない」のちがい??? should は must とはちがって、話し手が自分の判断に完全な確信を持っているわけではないのです。強弱で言えば、should は must ほど強くはありません。なので must を用いた b) は相手に有無を

          【英文法の小径】should/must〈助動詞〉

          【英文法 重箱の隅】自動詞+X〈前編〉

          記事のタイトルを「自動詞+X」としたのは、自動詞に後続する要素について考えてみたいと思ったからだ。ここで「要素」というのは、いわゆる「文の構成要素」のことで、「主語」「述語動詞」「目的語」「補語」「修飾語」がある。このうち、述語動詞として用いられる自動詞に続くのは補語と修飾語なので、この二つの用語について、改めてその定義を学習用英英辞典によって確認することから始めよう。 最初に、補語に相当する complement について各辞典による説明を引用する。 大まかに言えば、c

          有料
          100

          【英文法 重箱の隅】自動詞+X〈前編〉