邱子菁(きゅう しせい)|新潟県五泉市←東京←台湾

台湾・高雄市出身。18歳で来日。早稲田大学卒業後、東京の専門商社にて日中通訳10年。翻…

邱子菁(きゅう しせい)|新潟県五泉市←東京←台湾

台湾・高雄市出身。18歳で来日。早稲田大学卒業後、東京の専門商社にて日中通訳10年。翻訳、逐次通訳の副業ご相談下さい。23年7月より地域おこし協力隊として新潟県五泉市へ。台湾人が気づいた日本のあれこれについて発信してます。端唄三味線👘「祇園小唄」を練習中。くるみパン🍞が好きです。

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台湾人のわたしが新潟県五泉市で地域おこし協力隊になった話

2023年5月の大型連休に初めて、東京から新幹線で新潟駅まで来ました。 趣味の端唄三味線の師匠が新潟出身で、その繋がりで新潟で田植え体験をすることになりました。車に…

新潟県五泉市では、桜が見頃を迎えました🌸☺️💕

今日は金曜日。金曜日は農家のおばあちゃんが職場の売店前で、野菜の直売をやる。大根菜、ネギ、ジャガイモ、里芋といったラインナップでした。

父が泣いた日

父の親友が亡くなった。 所持のマンションで、一人で、心筋梗塞だった。 その親友の携帯から掛けた最後の電話が父だった。 初めて見た。 夜中に声を殺しながら、 父は泣い…

最初のビール

「お前も一口飲むか?」 高校生とはいえ、まだ未成年の私にビールを差し出した父を思い出した。一口だけだが、生まれて初めてのお酒が父に誘われた嬉しさ。そして未成年で…

白いお酒に飲まれた(短文バトル)

乾杯!飲み干すのが当たり前だよ、 コップの底に金魚でも飼うつもり? 一人で勝手に飲んではいけないんだ。 相手を尊重するには、誘って一緒に飲むことよ。 ほら、今日の…

ここにいたのか(短文バトル:最近買った)

友人宅で本棚を眺めていたら、とある本を見た途端思わず取り出した。古い本だが、装丁が美しい。隅々までなぞって、指を震わせながらページをめくった。お茶とお菓子をもっ…

新しい靴を踏まないでおくれ(短文バトル:靴)

「新しい靴を買ったら、三回踏むのよ。」 記憶のある時以来、我が家にあるヘンテコなルールだ。 我が家だけかと思うと、 意外にも故郷の台湾ではある程度の常識らしい。 …

あの手紙が欲しい

忘れられない手紙がある。まだMicrosoft Officeがビジネスでの使用が普及し始めた頃。パソコンで打って、プリンターで黄色のA4紙に印刷された手紙だった。フォントは楷書体…

台湾人が読む落語『王子の狐』

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落語『王子の狐』は人を化かす狐が変身したところを大工の熊公に見られ、逆に化かされた話。台本は子ども向けの短いもの。

急がず、焦らず、
まずは一つずつ次のことだけを考えるんだ。

ある時気がついた時には、
自分でもわからんくらい仕事が終わっとる。

これが大事なんだ。

ーー『モモ』より 道路掃除夫ベッポーー

日本14年目、これからもよろしくお願いします。

本日2019年9月10日で、自分は日本に来て満13年になった。 日本にいる時間がどんどん、台湾にいた時間を追いついて行く。 日本で10代から20代になり、そして30代になってし…

日本語は文字が多い分
言葉が気持ちに追いつかないことば
 
 なんで乗ろうとするんだよ
 駆け込み乗車やめて
 乗るんじゃない
 乗るな

「無理なご乗車はおやめください!!」

今日も電車に揺られて、
新宿三丁目で乗換える。

「みんなで寅さん」が最高だった話。

2019年8月4日(日)の「男はつらいよ夏祭り」に参加した。noteで見かけてすぐに申し込んだこのイベントのレポと感想をすこしお届けさせてください。 会場に着くと、そこには…

台湾人のわたしが新潟県五泉市で地域おこし協力隊になった話

台湾人のわたしが新潟県五泉市で地域おこし協力隊になった話

2023年5月の大型連休に初めて、東京から新幹線で新潟駅まで来ました。

趣味の端唄三味線の師匠が新潟出身で、その繋がりで新潟で田植え体験をすることになりました。車に乗せてもらうがまま、外の風景の田んぼの割合が徐々に増えた。師匠の家で一泊した翌日に田植えのお手伝いをする農家に行くと、そこが五泉市の米農家でした。

きっかけは、五泉市での田植え体験想像していた手で苗を植える田植えと違って、間隔が均一

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新潟県五泉市では、桜が見頃を迎えました🌸☺️💕

今日は金曜日。金曜日は農家のおばあちゃんが職場の売店前で、野菜の直売をやる。大根菜、ネギ、ジャガイモ、里芋といったラインナップでした。

父が泣いた日

父が泣いた日

父の親友が亡くなった。
所持のマンションで、一人で、心筋梗塞だった。
その親友の携帯から掛けた最後の電話が父だった。

初めて見た。
夜中に声を殺しながら、
父は泣いてた。

最初のビール

最初のビール

「お前も一口飲むか?」
高校生とはいえ、まだ未成年の私にビールを差し出した父を思い出した。一口だけだが、生まれて初めてのお酒が父に誘われた嬉しさ。そして未成年でお酒を口にした、ちょっとした背徳感。いま思うと、ビールの苦みと混ざり、いい味だった。

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白いお酒に飲まれた(短文バトル)

白いお酒に飲まれた(短文バトル)

乾杯!飲み干すのが当たり前だよ、
コップの底に金魚でも飼うつもり?

一人で勝手に飲んではいけないんだ。
相手を尊重するには、誘って一緒に飲むことよ。
ほら、今日の料理辛いから、
みんなよく乾杯に誘うでしょう?

なに?ビールでお腹いっぱい?
アルコール度数3%のビールは水だ、
こっちの白酒(ばいじょう)は42%以上だぞ。

チビチビ飲む、ガブガブ飲む、
自分のペースと勝手で飲める
日本に帰りたい

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ここにいたのか(短文バトル:最近買った)

ここにいたのか(短文バトル:最近買った)

友人宅で本棚を眺めていたら、とある本を見た途端思わず取り出した。古い本だが、装丁が美しい。隅々までなぞって、指を震わせながらページをめくった。お茶とお菓子をもって、友人が部屋に戻ってきた。

「この本、どこで買った?前なかったよね?」試しに聞いた。

「最近買ったのよ、ブックオフで。安かったのよ。」コップを置きながら、語尾に音符が見えるように友人が言う。

ブックオフ…そうか、私が10年間探し求め

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新しい靴を踏まないでおくれ(短文バトル:靴)

新しい靴を踏まないでおくれ(短文バトル:靴)

「新しい靴を買ったら、三回踏むのよ。」
記憶のある時以来、我が家にあるヘンテコなルールだ。

我が家だけかと思うと、
意外にも故郷の台湾ではある程度の常識らしい。

なにか昔ながらの習慣かと思ったら、
日本の漫画『スラムダンク』で主人公の桜木花道の新品スニーカーを
チームメンバーで踏んで、履きやすいように柔らかくするのが最初らしい。

なるほど。

(一応、諸説あるということにしましょう。)

あの手紙が欲しい

あの手紙が欲しい

忘れられない手紙がある。まだMicrosoft Officeがビジネスでの使用が普及し始めた頃。パソコンで打って、プリンターで黄色のA4紙に印刷された手紙だった。フォントは楷書体、文字サイズは36ぐらいでしょうか。差出人は父、受取人は私ではなく、当時大学生の兄だった。その手紙が欲しいと、何年も思い続いた。心苦しい心配と、どうかちゃんと生きて欲しいという愛情のつまった呼びかけ。私にはくれなかったあの

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落語『王子の狐』は人を化かす狐が変身したところを大工の熊公に見られ、逆に化かされた話。台本は子ども向けの短いもの。

急がず、焦らず、
まずは一つずつ次のことだけを考えるんだ。

ある時気がついた時には、
自分でもわからんくらい仕事が終わっとる。

これが大事なんだ。

ーー『モモ』より 道路掃除夫ベッポーー

日本14年目、これからもよろしくお願いします。

日本14年目、これからもよろしくお願いします。

本日2019年9月10日で、自分は日本に来て満13年になった。
日本にいる時間がどんどん、台湾にいた時間を追いついて行く。
日本で10代から20代になり、そして30代になってしまった。

日本に来てから、1回の台湾帰省が2ヶ月以上になることはまずない。
学生時代は夏休みなどもほとんどアルバイトして過ごした。
社会人になってからはもっと、せいぜい2週間でしょう。

台湾にいた時の根暗な自分は今や

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日本語は文字が多い分
言葉が気持ちに追いつかないことば
 
 なんで乗ろうとするんだよ
 駆け込み乗車やめて
 乗るんじゃない
 乗るな

「無理なご乗車はおやめください!!」

今日も電車に揺られて、
新宿三丁目で乗換える。

「みんなで寅さん」が最高だった話。

「みんなで寅さん」が最高だった話。

2019年8月4日(日)の「男はつらいよ夏祭り」に参加した。noteで見かけてすぐに申し込んだこのイベントのレポと感想をすこしお届けさせてください。

会場に着くと、そこには『男はつらいよ』のポスターがずらっと!そしてお子さんを連れてきた方も多く、中にはバッチリ寅さんコスプレした子どももいた。なんだか、映画を観るからわくわくした。

◎イベントの流れ:
映画鑑賞する前に少しトーク。
草だんごと飲み

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