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父が罵倒された日のこと
私の実家は、10年近く前に焼肉店を経営していた。
駅から離れた個人経営の店なので、近くの会社の人や
家族連れのお客さんが多かった。
私も中学生くらいから店で手伝いをしていて、
「なんで私が休日に皿洗いしてるんだよ!」とキレながらも、
楽しそうなお客さんの笑顔で溢れかえる店が好きだった。
でも、いいお客さんもいれば、困ったお客さんもいる。
こちらが何度謝っても、店員を罵倒し、怒鳴り散らし
6.千と千尋の神隠し
男友達に誘われて、『千と千尋の神隠し』を観に行った。
ちょうど今くらいの時期、2001年8月27日だったと思う。
映画を観る場所といえば、新宿コマ劇場。
小さい頃から、『タスマニア物語』とか『おもひでぽろぽろ』とか、
家族で映画を観に行こうとなれば必ずここだったから、
それ以外の選択肢はなかった。
バルト9もなかったし、ピカデリーはあんなに綺麗じゃなかった。
映画を劇場で観るのは久しぶりだっ
5.はれた日は学校をやすんで
高校1年生の冬休み明けから、全く学校に行かなくなった。
いじめられていたわけでもないし、勉強が特別苦手だったわけでもない。
理由があるとすれば、他人の視線や言葉に敏感になりすぎる、
思春期特有の自意識過剰さが、人一倍強かったからだろう。
あの子が私を無視したかもしれない、影で笑っているかもしれない、
私は誰からも好かれていないかもしれない。
もう嫌だ何もかも嫌だ全てリセットして一人きりになりた
3.『さくら』のコックさん
2001年4月。
友達と遊ぶために、地元の三鷹からお台場へ向かっていた。
お台場へ行くのはこの日が2回目。
1回目は、2000年3月、野球部の先輩とのデートだった。
まだ肌寒い春の日で、ユニクロのオレンジ色のパーカーを羽織り、
吉祥寺ロンロン地下1階で買ったエスニック柄スカート、
髪型を桃知みなみのようにトップで一部だけ結んでいた。
頭の悪そうな格好だが、高校中退だから仕方がない。
友人は、
2.ローソンのみさちゃん
高校を中退したのが2001年3月。
通い始めて、ちょうど丸1年、まだ16歳だった。
何をするとも決めていなかったが、
とりあえず、示しをつけるために大検だけ取ろう。
そう、漠然と考えていた。
辞めてから、生活は完全に昼夜逆転し、
夜中までネットや漫画を読み耽り、昼すぎに起きてバイトへ行く。
時々、友達と遊ぶ。
その友達のうちの一人が、みさちゃんだった。
みさちゃんは、近所に住む同い年の女の子
1.歌舞伎町のカメラマン
2002年の6月頃だったと思う。
梅雨ならではの蒸し暑い日で、汗っかきだった私は、
黒いタンクトップにひざ上15cmのデニムのスカートという
1/3半裸の状態で、彼氏と歌舞伎町のカラオケに行くところだった。
ドンキホーテ前の交差点まで来て、
手持ちがほぼゼロ円だったことを思い出した。
「ちょっとお金下ろしてくるからドンキで待ってて」
そう言い残して、ゆうちょが下ろせるATMを一人で探し歩いた。