柏木 海(カシワギ ウミ)

Twitterでは書ききれない本や映画の長いレビュー、その他なんでも書きます。Twit…

柏木 海(カシワギ ウミ)

Twitterでは書ききれない本や映画の長いレビュー、その他なんでも書きます。Twitterのオリジナルは元々18禁垢なのでそれ系の投稿もありますが、全て真面目に書いている(つもりの)ものです。

最近の記事

アメリカがオッペンハイマーを撮って「日本に原爆を落としたのはしょうがない」と言うんなら日本はそれに対するアンサー映画で「俺たちが真珠湾攻撃をしたのはしょうがない」と言わなければならない

タイトルで既に全部書いちゃってますが、 あえて炎上しそうな事書きますね 「映画『オッペンハイマー』に対する日本のアンサー映画を作らなければならない」とX(Twitter)で話題になってますが、 この場合の日本のアンサー映画ってのはあれですよ、 はだしのゲンみたいな「お前らはこれだけヒドイ事をやったんだ」的な映画じゃないんですよ それはそれでもちろん必要なんだけど、 もっと、それ以上に、 アメリカ人が「日本に原爆を落としたのはしょうがなかった、日本が悪い、俺たちは悪くない」

    • 映画「オッペンハイマー」ネタバレなし感想+小エッセイ「原爆について思うこと」

      本日、2024年3月29日(金)は、 クリストファー・ノーラン監督(以下ノーランもしくはノーラン監督)の最新作映画、「オッペンハイマー」の公開日である。 僕(今回の記事の一人称はいつもの「私」ではなく「僕」としたい。理由は色々あるが長くなるし脱線するので割愛する)はたまたま今日仕事の休みが取れたので、朝イチで見に行った。 公開初日に行ったのは久しぶりだし、 ましてや初回に行ったのは僕が記憶している限り初めてなんじゃないか。 実は最初はあまり期待してなかった。 ノーランの

      • 2023年の振り返り、読んだ本マイベスト10、見た映画マイベスト10

        みなさん、こんばんは。 今年もあと3時間弱という事で、 年末いかがお過ごしでしょうか。 毎年大晦日の恒例、 私自身の今年一年に読んだ本と見た映画のマイベストを発表したいと思います。 ちなみに私にとって今年は、 新しい事を4つやった年でした。 ひとつはストリートピアノ。 X(Twitter)でも書いてきましたが、 ストリートピアノなるものを知ったのが確か4月か5月、 そこから1~2か月、県内のピアノをほぼ毎日弾いてきました。 めちゃめちゃ緊張しながらすごく新鮮な経験をし

        • このnoteの記事が電子書籍になりました。

          X(Twitter)ではお知らせしてたのですが、 肝心のこちらでお知らせするのを忘れてました。 今回、このnoteで書いてきた記事を一冊の電子書籍にまとめました。 柏木海「おっぱいの考察」 https://amzn.asia/d/08aIyzU ここnoteで書いてきた記事を再編集し、加筆修正を加えたものです。 残念ながら無料期間は終わってしまいましたが、 kindle unlimitedでも読めますので、 よろしければぜひチェックしてみて下さい。 ※あ、内容は18

        アメリカがオッペンハイマーを撮って「日本に原爆を落としたのはしょうがない」と言うんなら日本はそれに対するアンサー映画で「俺たちが真珠湾攻撃をしたのはしょうがない」と言わなければならない

          「ポリコレの正体」福田ますみ

          2019年に出版されるやいなや、ベストセラーとなった、 ブレイディみかこ「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」。 HONZ内では複数の記事が出るほど大人気で、 ついには第2回のYahoo!ニュース+本屋大賞ノンフィクション大賞まで獲ってしまった。 新潮文庫として文庫化した後も勢いは収まらず、 毎年夏の「新潮文庫の100冊」に選ばれている。 続編「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2」も大人気で、 その後も、この著者は出せば出すほど売れる(「リスペクト ―

          「ポリコレの正体」福田ますみ

          真鍋譲治先生について

          先日、あるフォロワーの方と真鍋譲治(以下、真鍋先生)というマンガ家の先生の事が話題になったんですね。 で、その方はずっと追いかけてるらしくて、すごい詳しい感じなのですが、 そう言う私も真鍋先生ファン歴は結構長いんじゃないかと自分では思ってまして。 真鍋先生作品を語らせると長いですよー、というメッセージを送ろうとしたのですが、 その経緯を書こうとすると確かに長い笑 という訳で、いっそのことこちらのnoteにちょっとまとまった記事を書くことにした訳です。 ・ ・ ・ まず

          三島由紀夫の青年達に対する声

          三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実 を見ました。 いや~。 三島由紀夫という一人の肉体的作家のまた新たな一面が見れて、 非常に興味深かったです。 ・・・以下(特に全共闘に対して)結構辛口です注意・・・ 正直に言わせてもらうと、 全共闘側(特に第二部における赤ん坊を持った学生)、何を言ってるかさっぱり分からんかった。 ただ、この学生(達)、なんか嫌いだなという印象を持ったのだけははっきりしてます。 やたら哲学用語や誰かさんの名前やセリフを引用して、論点をずらして煙

          三島由紀夫の青年達に対する声

          2次元の嫁と結婚する方法 ~夢の考察~

          2次元の嫁と結婚する方法で手っ取り早いのは、夢を見ることである。 ヴァーチャルリアリティとかセクサロイドとか言われて久しいが、なかなか実用化される気配がない。 結局今の所、夢というのが一番手軽で現実的なのではないか、と思う。 改めて説明するまでもないかもしれないが、 2次元の嫁とは、 マンガやアニメ、ゲームのキャラクタで、 好きすぎて夢中になってしまう存在を指す。 「推し」とも言う。 またここでは、結婚そのものよりも、結婚生活の前段階として、 恐らく多くの人間が欲する、

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          死についてつらつらと考えてみる。

          死とは何か。 身体の全てが止まって動かなくなる事である。 心臓も、脳も、血流も、全てが。 これは、ドラマ「ケイゾク」(中谷美紀と渡部篤郎が良かった。テーマ曲は坂本龍一)の中で、ある犯人が人を殺した後に言ったセリフである。 死とはまるで、今まで動いていたおもちゃが、 電池が切れて、急に動かなくなり、 カタンと倒れるようなものだ。 じっと。 そのまま動かない。 あだち充のマンガ「タッチ」の名言である。 穏やかな死は一見、眠っている状態と見間違う。 ギリシア神話にお

          死についてつらつらと考えてみる。

          インディ・ジョーンズと運命のダイヤルを見ました(※途中からネタバレ警告あり注意)

          ハリソン・フォード主演のインディ・ジョーンズシリーズ。 第1作 レイダース/失われたアーク(1981) 第2作 インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(1984) 第3作 インディ・ジョーンズ/最後の聖戦(1989) 第4作 インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(2008) (確かTVシリーズでヤングインディ・ジョーンズもあったかと思いますが未見) に続く、 第5作 インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023) を観てきました。 面白かったです。 最近巷で

          インディ・ジョーンズと運命のダイヤルを見ました(※途中からネタバレ警告あり注意)

          私の好きな絵画

          絵画にハマりました。 ノンフィクション本(の例えば古典的名作)が歴史の一角を文章にしたものなら、 絵画は、歴史の一瞬を止めて凍らせたものです。 そこには画家の思想や感情が多分に入っており(凝縮されており)、 写真よりはむしろ文学に近いのではないか…と思うのです。 以前からずっとハマりたいと思っていた世界ではあったんですが、 今回、直接のきっかけになったのは、 末永幸歩/13歳からのアート思考 を読んだ事でした。 これを読んだあと、 とりあえず近くの書店へ行って画集や

          カルト・宗教二世の子供たち

          米本和広「カルトの子 論創ノンフィクション」(復刻版) を読んだ。 オウム真理教 エホバの証人 統一教会 ヤマギシ会 の4つの組織(カルト)に入れられた二世たちの話である。 これらのカルトはそれぞれ一時期マスコミで騒がれてきたが、 メディアの表に現れなくなった後、 二世たちはどのような生活を送ってきたのか。 それを追うノンフィクションである。 人生はそれでも続く。 私はTwitterでもよく呟いている通り、ノンフィクション本が好きであるが、 「これだけは苦手だ」という

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          笑いは心の潤滑油 - 漫才について

          最近、出退勤時に車の中で漫才を聴くのがプチ・マイブームになっている。 「笑い神 M-1、その純情と狂気」を読んだからだ。 最初はYouTubeで少し見ていただけだが、 そのうち通勤時間の車の中でも聴こうと思った。 このとき、本当に面白い漫才は声だけでも笑えるという事を発見した。 YouTubeの動画(著作権的にどうという事はひとまず置いておいて)のタグには「睡眠用・仕事用」と書かれている。 これを聴きながら睡眠・仕事は難しいと思うが、 車中聴くのは個人的にかなりおすすめで

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          今年の振り返り:2022年読んで面白かった本、見て面白かった映画

          みなさんこんばんは。 今年も残すところあと数時間ですね。 ……って、去年の末も同じような挨拶をしてたような。 一年、早いですねえ。 という訳で年末恒例の、今年読んだ本の振り返り&マイベストランキングの発表をしたいと思います。 なお今回は、今年見た映画についてもマイベストランキングを出してみました。 それでは、早速いってみましょう~。 まずは今年読んだ本から。 今年読んだ本は108冊でした。 うちライトノベルが21冊、普通の本は87冊です。 久しぶりの100冊超え

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          ビューティフル! - 映画「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」

          ※ネタバレ有り、及び見た人でないと分からない書き方をしてたりするので注意 実は本作、映画館に見に行くのをためらっていた。 今月に入って、 すずめの戸締り、スラムダンクと見てきたので、 ちょっと見すぎかなー、と。 映画館で映画を見るのがいろいろ大変になってきて、 大作でYahoo!映画の平均評価が☆4以上なら見るかー、 などと、最近はそんな変なルールを自分に課しているわけだが、 本作、Yahoo!映画で3点台(今日の時点で3.7)! え?なんで? 加えて、前の記事「スラムダ

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          左手はそえるだけ…… - 映画スラムダンク「THE FIRST SLAM DUNK」

          ※やや辛口注意 映画スラムダンク(THE FIRST SLAM DUNK)(以下スラダン)を観ました。 あまりチェックしてなかったのですが、 元職場の同僚(オタク友達)に絶賛されて、 岡田斗司夫も「アバター2見るならスラダン見れ」みたいなこと言ってたって聞いて、 気になったんですよね。 まずバスケのシーンはめちゃくちゃよくできていた。 動きといい、アングルといい、演出といい、サウンド(特にボールの跳ねる音やシューズのキュッという音!)といい、もう満点に近い。 「あー、山

          左手はそえるだけ…… - 映画スラムダンク「THE FIRST SLAM DUNK」