柏木 海(カシワギ ウミ)

Twitterでは書ききれない本や映画の長いレビュー、その他なんでも書きます。Twit…

柏木 海(カシワギ ウミ)

Twitterでは書ききれない本や映画の長いレビュー、その他なんでも書きます。Twitterのオリジナルは元々18禁垢なのでそれ系の投稿もありますが、全て真面目に書いている(つもりの)ものです。

記事一覧

アメリカがオッペンハイマーを撮って「日本に原爆を落としたのはしょうがない」と言うんなら日本はそれに対するアンサー映画で「…

タイトルで既に全部書いちゃってますが、 あえて炎上しそうな事書きますね 「映画『オッペンハイマー』に対する日本のアンサー映画を作らなければならない」とX(Twitter)…

映画「オッペンハイマー」ネタバレなし感想+小エッセイ「原爆について思うこと」

本日、2024年3月29日(金)は、 クリストファー・ノーラン監督(以下ノーランもしくはノーラン監督)の最新作映画、「オッペンハイマー」の公開日である。 僕(今回の記事の一…

2023年の振り返り、読んだ本マイベスト10、見た映画マイベスト10

みなさん、こんばんは。 今年もあと3時間弱という事で、 年末いかがお過ごしでしょうか。 毎年大晦日の恒例、 私自身の今年一年に読んだ本と見た映画のマイベストを発表…

このnoteの記事が電子書籍になりました。

X(Twitter)ではお知らせしてたのですが、 肝心のこちらでお知らせするのを忘れてました。 今回、このnoteで書いてきた記事を一冊の電子書籍にまとめました。 柏木海「お…

「ポリコレの正体」福田ますみ

2019年に出版されるやいなや、ベストセラーとなった、 ブレイディみかこ「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」。 HONZ内では複数の記事が出るほど大人気で、 つ…

真鍋譲治先生について

先日、あるフォロワーの方と真鍋譲治(以下、真鍋先生)というマンガ家の先生の事が話題になったんですね。 で、その方はずっと追いかけてるらしくて、すごい詳しい感じなの…

三島由紀夫の青年達に対する声

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実 を見ました。 いや~。 三島由紀夫という一人の肉体的作家のまた新たな一面が見れて、 非常に興味深かったです。 ・・・以下(特…

2次元の嫁と結婚する方法 ~夢の考察~

2次元の嫁と結婚する方法で手っ取り早いのは、夢を見ることである。 ヴァーチャルリアリティとかセクサロイドとか言われて久しいが、なかなか実用化される気配がない。 …

死についてつらつらと考えてみる。

死とは何か。 身体の全てが止まって動かなくなる事である。 心臓も、脳も、血流も、全てが。 これは、ドラマ「ケイゾク」(中谷美紀と渡部篤郎が良かった。テーマ曲は坂本…

インディ・ジョーンズと運命のダイヤルを見ました(※途中からネタバレ警告あり注意)

ハリソン・フォード主演のインディ・ジョーンズシリーズ。 第1作 レイダース/失われたアーク(1981) 第2作 インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(1984) 第3作 インディ・ジ…

私の好きな絵画

絵画にハマりました。 ノンフィクション本(の例えば古典的名作)が歴史の一角を文章にしたものなら、 絵画は、歴史の一瞬を止めて凍らせたものです。 そこには画家の思想や…

カルト・宗教二世の子供たち

米本和広「カルトの子 論創ノンフィクション」(復刻版) を読んだ。 オウム真理教 エホバの証人 統一教会 ヤマギシ会 の4つの組織(カルト)に入れられた二世たちの話である…

笑いは心の潤滑油 - 漫才について

最近、出退勤時に車の中で漫才を聴くのがプチ・マイブームになっている。 「笑い神 M-1、その純情と狂気」を読んだからだ。 最初はYouTubeで少し見ていただけだが、 そ…

今年の振り返り:2022年読んで面白かった本、見て面白かった映画

みなさんこんばんは。 今年も残すところあと数時間ですね。 ……って、去年の末も同じような挨拶をしてたような。 一年、早いですねえ。 という訳で年末恒例の、今年読ん…

ビューティフル! - 映画「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」

※ネタバレ有り、及び見た人でないと分からない書き方をしてたりするので注意 実は本作、映画館に見に行くのをためらっていた。 今月に入って、 すずめの戸締り、スラムダ…

左手はそえるだけ…… - 映画スラムダンク「THE FIRST SLAM DUNK」

※やや辛口注意 映画スラムダンク(THE FIRST SLAM DUNK)(以下スラダン)を観ました。 あまりチェックしてなかったのですが、 元職場の同僚(オタク友達)に絶賛されて、 岡田…

アメリカがオッペンハイマーを撮って「日本に原爆を落としたのはしょうがない」と言うんなら日本はそれに対するアンサー映画で「俺たちが真珠湾攻撃をしたのはしょうがない」と言わなければならない

アメリカがオッペンハイマーを撮って「日本に原爆を落としたのはしょうがない」と言うんなら日本はそれに対するアンサー映画で「俺たちが真珠湾攻撃をしたのはしょうがない」と言わなければならない

タイトルで既に全部書いちゃってますが、
あえて炎上しそうな事書きますね

「映画『オッペンハイマー』に対する日本のアンサー映画を作らなければならない」とX(Twitter)で話題になってますが、
この場合の日本のアンサー映画ってのはあれですよ、
はだしのゲンみたいな「お前らはこれだけヒドイ事をやったんだ」的な映画じゃないんですよ
それはそれでもちろん必要なんだけど、
もっと、それ以上に、
アメリカ

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映画「オッペンハイマー」ネタバレなし感想+小エッセイ「原爆について思うこと」

映画「オッペンハイマー」ネタバレなし感想+小エッセイ「原爆について思うこと」

本日、2024年3月29日(金)は、
クリストファー・ノーラン監督(以下ノーランもしくはノーラン監督)の最新作映画、「オッペンハイマー」の公開日である。

僕(今回の記事の一人称はいつもの「私」ではなく「僕」としたい。理由は色々あるが長くなるし脱線するので割愛する)はたまたま今日仕事の休みが取れたので、朝イチで見に行った。

公開初日に行ったのは久しぶりだし、
ましてや初回に行ったのは僕が記憶して

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2023年の振り返り、読んだ本マイベスト10、見た映画マイベスト10

2023年の振り返り、読んだ本マイベスト10、見た映画マイベスト10

みなさん、こんばんは。
今年もあと3時間弱という事で、
年末いかがお過ごしでしょうか。

毎年大晦日の恒例、
私自身の今年一年に読んだ本と見た映画のマイベストを発表したいと思います。

ちなみに私にとって今年は、
新しい事を4つやった年でした。

ひとつはストリートピアノ。

X(Twitter)でも書いてきましたが、
ストリートピアノなるものを知ったのが確か4月か5月、
そこから1~2か月、県内

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このnoteの記事が電子書籍になりました。

このnoteの記事が電子書籍になりました。

X(Twitter)ではお知らせしてたのですが、
肝心のこちらでお知らせするのを忘れてました。

今回、このnoteで書いてきた記事を一冊の電子書籍にまとめました。

柏木海「おっぱいの考察」
https://amzn.asia/d/08aIyzU

ここnoteで書いてきた記事を再編集し、加筆修正を加えたものです。

残念ながら無料期間は終わってしまいましたが、
kindle unlimited

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「ポリコレの正体」福田ますみ

「ポリコレの正体」福田ますみ

2019年に出版されるやいなや、ベストセラーとなった、
ブレイディみかこ「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」。

HONZ内では複数の記事が出るほど大人気で、
ついには第2回のYahoo!ニュース+本屋大賞ノンフィクション大賞まで獲ってしまった。

新潮文庫として文庫化した後も勢いは収まらず、
毎年夏の「新潮文庫の100冊」に選ばれている。

続編「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブ

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真鍋譲治先生について

真鍋譲治先生について

先日、あるフォロワーの方と真鍋譲治(以下、真鍋先生)というマンガ家の先生の事が話題になったんですね。

で、その方はずっと追いかけてるらしくて、すごい詳しい感じなのですが、
そう言う私も真鍋先生ファン歴は結構長いんじゃないかと自分では思ってまして。
真鍋先生作品を語らせると長いですよー、というメッセージを送ろうとしたのですが、
その経緯を書こうとすると確かに長い笑

という訳で、いっそのことこちら

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三島由紀夫の青年達に対する声

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実
を見ました。

いや~。

三島由紀夫という一人の肉体的作家のまた新たな一面が見れて、
非常に興味深かったです。

・・・以下(特に全共闘に対して)結構辛口です注意・・・

正直に言わせてもらうと、
全共闘側(特に第二部における赤ん坊を持った学生)、何を言ってるかさっぱり分からんかった。
ただ、この学生(達)、なんか嫌いだなという印象を持ったのだけははっき

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2次元の嫁と結婚する方法 ~夢の考察~

2次元の嫁と結婚する方法 ~夢の考察~

2次元の嫁と結婚する方法で手っ取り早いのは、夢を見ることである。

ヴァーチャルリアリティとかセクサロイドとか言われて久しいが、なかなか実用化される気配がない。
結局今の所、夢というのが一番手軽で現実的なのではないか、と思う。

改めて説明するまでもないかもしれないが、
2次元の嫁とは、
マンガやアニメ、ゲームのキャラクタで、
好きすぎて夢中になってしまう存在を指す。
「推し」とも言う。

またこ

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死についてつらつらと考えてみる。

死についてつらつらと考えてみる。

死とは何か。

身体の全てが止まって動かなくなる事である。
心臓も、脳も、血流も、全てが。

これは、ドラマ「ケイゾク」(中谷美紀と渡部篤郎が良かった。テーマ曲は坂本龍一)の中で、ある犯人が人を殺した後に言ったセリフである。

死とはまるで、今まで動いていたおもちゃが、
電池が切れて、急に動かなくなり、
カタンと倒れるようなものだ。

じっと。

そのまま動かない。

あだち充のマンガ「タッチ」の

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インディ・ジョーンズと運命のダイヤルを見ました(※途中からネタバレ警告あり注意)

インディ・ジョーンズと運命のダイヤルを見ました(※途中からネタバレ警告あり注意)

ハリソン・フォード主演のインディ・ジョーンズシリーズ。

第1作 レイダース/失われたアーク(1981)
第2作 インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(1984)
第3作 インディ・ジョーンズ/最後の聖戦(1989)
第4作 インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(2008)
(確かTVシリーズでヤングインディ・ジョーンズもあったかと思いますが未見)

に続く、

第5作 インディ・ジョーンズ

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私の好きな絵画

私の好きな絵画

絵画にハマりました。

ノンフィクション本(の例えば古典的名作)が歴史の一角を文章にしたものなら、
絵画は、歴史の一瞬を止めて凍らせたものです。
そこには画家の思想や感情が多分に入っており(凝縮されており)、
写真よりはむしろ文学に近いのではないか…と思うのです。

以前からずっとハマりたいと思っていた世界ではあったんですが、
今回、直接のきっかけになったのは、

末永幸歩/13歳からのアート思考

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カルト・宗教二世の子供たち

カルト・宗教二世の子供たち

米本和広「カルトの子 論創ノンフィクション」(復刻版)
を読んだ。

オウム真理教
エホバの証人
統一教会
ヤマギシ会
の4つの組織(カルト)に入れられた二世たちの話である。

これらのカルトはそれぞれ一時期マスコミで騒がれてきたが、
メディアの表に現れなくなった後、
二世たちはどのような生活を送ってきたのか。
それを追うノンフィクションである。

人生はそれでも続く。

私はTwitterでもよ

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笑いは心の潤滑油 - 漫才について

笑いは心の潤滑油 - 漫才について

最近、出退勤時に車の中で漫才を聴くのがプチ・マイブームになっている。

「笑い神 M-1、その純情と狂気」を読んだからだ。

最初はYouTubeで少し見ていただけだが、
そのうち通勤時間の車の中でも聴こうと思った。
このとき、本当に面白い漫才は声だけでも笑えるという事を発見した。
YouTubeの動画(著作権的にどうという事はひとまず置いておいて)のタグには「睡眠用・仕事用」と書かれている。

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今年の振り返り:2022年読んで面白かった本、見て面白かった映画

今年の振り返り:2022年読んで面白かった本、見て面白かった映画

みなさんこんばんは。

今年も残すところあと数時間ですね。
……って、去年の末も同じような挨拶をしてたような。
一年、早いですねえ。

という訳で年末恒例の、今年読んだ本の振り返り&マイベストランキングの発表をしたいと思います。

なお今回は、今年見た映画についてもマイベストランキングを出してみました。

それでは、早速いってみましょう~。

まずは今年読んだ本から。

今年読んだ本は108冊でし

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ビューティフル! - 映画「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」

ビューティフル! - 映画「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」

※ネタバレ有り、及び見た人でないと分からない書き方をしてたりするので注意

実は本作、映画館に見に行くのをためらっていた。
今月に入って、
すずめの戸締り、スラムダンクと見てきたので、
ちょっと見すぎかなー、と。

映画館で映画を見るのがいろいろ大変になってきて、
大作でYahoo!映画の平均評価が☆4以上なら見るかー、
などと、最近はそんな変なルールを自分に課しているわけだが、
本作、Yahoo

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左手はそえるだけ…… - 映画スラムダンク「THE FIRST SLAM DUNK」

左手はそえるだけ…… - 映画スラムダンク「THE FIRST SLAM DUNK」

※やや辛口注意

映画スラムダンク(THE FIRST SLAM DUNK)(以下スラダン)を観ました。
あまりチェックしてなかったのですが、
元職場の同僚(オタク友達)に絶賛されて、
岡田斗司夫も「アバター2見るならスラダン見れ」みたいなこと言ってたって聞いて、
気になったんですよね。

まずバスケのシーンはめちゃくちゃよくできていた。
動きといい、アングルといい、演出といい、サウンド(特にボー

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