20201225

私の経験を共有し、起こした裁判を意味のあるものにしたいと思い、投稿を始めます。

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私の経験を共有し、起こした裁判を意味のあるものにしたいと思い、投稿を始めます。

マガジン

  • 性暴力を許さない(教育委員会に正しい対応や判断を求めた記録)

    公立学校で遭った性被害を教育委員会に申告した当時の記録をまとめています。

最近の記事

宮崎県教育委員会 ハラスメントの対応について

2024年 2月26日(月) 宮崎県議会 代表質問において山内かなこ議員が宮崎県教育委員会に対し、ハラスメントについて質問してくださいました(最終質問)。 議場という場で、山内議員の声で、私の気持ちと共に読み上げてくださったメッセージは胸にぐっと込み上げてくるものがありました。山内議員に心より感謝しています。本当にありがとうございます。 教育長の答弁を聞いて、心から安心できた人はどれくらいいるでしょうか。少なくとも、私は全くできませんでした。教育長の答弁の中で、気になった4

    • 教職員の性加害 宮崎県教育委員会の対応は

      小学校がある町の教育委員会は宮崎日日新聞の取材に対し「事案は把握しているが、詳細については答えられない」、県教委教職員課は「町教委と連携して調査を進め、必要に応じて処分を検討する」と答えた。(2024年2月6日付 宮崎日日新聞) 宮崎県が作る「教職員の懲戒処分に係る基準」は以下のように書かれている。 —------------------------------------------------------------ ア 暴行若しくは脅迫を用いてわいせつな行為をし、又

      • epilogue. 教壇を離れた私ができること

        (※ 人物は仮名で、役職は当時のものです。) 「お父さん、本当は学校の先生になりたかったんだよ。」 母からそう聞いたのは、私が教職に就いた後だった。驚くのと同時に、そういえば…と思い当たることがあった。 小学生の頃、算数の宿題に躓いていると決まって父が見てくれた。分からなくて泣き出す私に、説明の言葉を分かりやすいように言い換えて、根気強く解き方を教えてくれた思い出が蘇る。 そういえば、私が小学校で働き始めた頃から「今、どんなことを教えている?」「今日は学校で何があった

        • episode.13 放棄という選択

          (※ 人物は仮名です。) 2020年の秋、宮崎地方裁判所延岡支部にて2名の受命裁判官と話す機会が与えられ、自分の裁判について質問をした。 「なぜ事件の当事者なのに聴取や判断理由の詳細が一切知らされないのか」「なぜ宮崎県教育委員会、延岡市教育委員会は私が診断されたPTSDがA教頭の行為によるものだと認めながら、教育委員会の対応の非を認めず、対応や判断が正されないのか」  聞きたいことが次々と浮かび、溢れるように止まらない。 彼らは温かいまなざしで頷きながら話を聞き、丁寧

        宮崎県教育委員会 ハラスメントの対応について

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        • 性暴力を許さない(教育委員会に正しい対応や判断を求めた記録)
          19本

        記事

          episode12. 裁判で求めたかったこと

          (※ 人物は仮名で、役職は当時のものです。) 裁判が始まってから宮崎県教育委員会、延岡市教育委員会に対して求めたいこともWordファイルにまとめ始めた。裁判に費やす長い時間を無駄に過ごしたくない。意味のある時間にするんだと自分に言い聞かせ続けた。 メディアで取り上げられる性被害や教育現場のニュースを参考に、自分の裁判でも教育委員会に対して求めたいことが時間と共に増えていく。 求めたいことが追加される度、私は一人で闘っているんじゃない、「どこかにいる私たち」も今、一緒に闘

          episode12. 裁判で求めたかったこと

          episode11. 裁判の始まり

          (※ 人物は仮名で、役職は当時のものです。) 2018年の春、宮崎県教育委員会、延岡市教育委員会を相手に行政裁判を起こすと決心した。 本当のことが知りたい。自分に起こった事件を受け止めきれない心に折り合いをつけたい。少しでも納得したい。理不尽さや苦しみから解放されたい。 私がこれから前を向くためには必要なことだと覚悟を決めた。 2018年11月21日 宮崎地方裁判所延岡支部へ訴状を提出し、裁判が始まる。合議で裁判が行われることが決まった。 損害賠償請求 354万69

          episode11. 裁判の始まり

          episode10. 休職中の生活

          (※ 人物は仮名で、役職は当時のものです。) 学校退職後は安定した収入を得ることが難しく、だんだん生活は困窮していった。食費、水道光熱費、税金、保険料と生きているだけでお金がかかるのに、支出に見合う収入を得ることができない。休職していた一年間の生活費は両親に頼るほかなく、病院と時々の買い物でしか家から出られない状況も、そんな自分自身も惨めでたまらなくなっていた。ただ、毎日生き続けていることが虚しかった。 買い物に出るにも、トイレットペーパーや洗剤など無いと困る日用品は手に

          episode10. 休職中の生活

          episode9.労災申請

          (※ 学校名称や人物は仮名で、役職は当時のものです。) 2017年3月の被害申告時に警察と繋がった後も、木谷さんには連絡を取り続け、近況を報告していた。仕事に就くことができない状態の私に「労災申請という方法もあるかもしれません。」と教えてくれ、労災申請を決めた。労働基準監督署の力を借りて、宮崎県教育委員会、延岡市教育委員会の対応や判断について調査してもらえば、誤った対応や判断を正せるかもしれないと思った。 年が明けた2018年1月11日、労働基準監督署へ向かい、労災申請

          episode9.労災申請

          episode8. 被害届の提出とその頃の生活

          (※ 学校名称や人物は仮名で、役職は当時のものです。) 宮崎県教育委員会、延岡市教育委員会の回答を受け、次はどんな行動を起こそうかなど考える気力すらも失ってしまった。被害を申告してからずっと正しい判断を信じ、教育委員会が下した判断が正されるはずだと信じてきたのに、正すどころか、これ以上私を相手にしないということを突き付けられたのだ。 以前、両親に裁判を起こすかもしれないと話した時「止めておきなさい。相手は行政で、お前が裁判を起こしても痛くも痒くもない。きっと何も変わらない

          episode8. 被害届の提出とその頃の生活

          episode7. 事故報告書の情報開示請求

          (※ 学校名称や人物は仮名で、役職は当時のものです。) 延岡市教委より「A教頭の文書訓告」という連絡を受けてから「相手も認めていて概ね一致している」はずの「刑法にふれるようなこと」が単なる文書訓告なわけがないという思いが片時も頭から離れない。 どこまで教育委員会に真実が伝わっているのだろう。 教育委員会として本当に適正な判断・処分を行ったのか。まるで何事も無かったかのようにうやむやに処理されていったのではないか。事件の内容について相手がどこまでを認めて、認識がどこまで一致

          episode7. 事故報告書の情報開示請求

          episode6. さよならの理由が言えない

          (※ 学校名称や人物は仮名で、役職は当時のものです。) 延岡市教育委員会 B課長補佐からの文書訓告処分決定を告げる電話から「もしかしたら教育委員会に本当のことが伝わっていないのかもしれない」という思いが四六時中、頭から離れない。 決定された処分が信じられず、いてもたってもいられなくなった。何かできることはないかと必死に考え、最初に思いついたのは「あの日、食事へ誘われていた」はずの森先生に連絡をして、本当に誘われていたのか確かめることだった。そしてすぐさま森先生に連絡を入れ

          episode6. さよならの理由が言えない

          episode5. 事情聴取と教育委員会の出した答え

          (※ 人物は仮名で、役職は当時のものです。) 2017年3月22日(水) 後から振り返ると、この日からもう一つの長い闘いが始まっていた。 延岡市教委からの事実確認の聴取を受けるため出かける準備をしながら、昨日の電話で言われた「ついて行った」がどうしても頭から離れない。引き出しに指を挟んだり、手足をぶつけたりとケガをし、自分の精神状態も思考も平常じゃないことは分かっていた。 そんな頼りない自分と市教委とのやり取りを自分だけで終わらせることに不安を覚えた時、木谷さんの「何か

          episode5. 事情聴取と教育委員会の出した答え

          episode4. 被害相談窓口につながる

          (※ 学校名称や人物は仮名で、役職は当時のものです。) ハルに付き添われて相談センターに入ると、相談員の木谷さんが「どうぞ座ってください。」と温かく迎え入れてくれた。ずっと誰にも話せなかった事件の詳細をつい先ほどハルに打ち明けたばかりで、まだ心が落ち着かない。木谷さんの「何があったの?」という穏やかな声に背中を押され「実は、先ほど友人に相談したばかりのことなんですが…」と緊張しながら、ハルに見せた資料をそのまま木谷さんに差し出した。 木谷さんは静かに受け取り、その資料に目

          episode4. 被害相談窓口につながる

          episode3.「私が悪かったと思う?」

          (※ 学校名称や人物は仮名で、役職は当時のものです。) もし、来年度もA教頭が残って学校での仕事が続けられなくなったら…という不安から、民間企業での職探しも始めた。知り合いの会社から一般事務で働かないかと誘われたが、役員秘書も兼務して出張の同行なども出てくるかもしれないと言われた。「出張先でお酒が入って、もしもまたあんな目に遭ったら…」と思うと、不安と怖さでいっぱいになり、せっかくの働き口でも断るしかなかった。 それから間もなく、昼休みに次年度の内示発表が行われた。そこで

          episode3.「私が悪かったと思う?」

          episode2. 事件後の職場

          (※ 学校名称や人物は仮名で、役職は当時のものです。) 事件の次の日の昼休み、私は一人で教室にいた。午前中の授業の片づけをしているところへ突然A教頭が現れ、私は一瞬にして凍りつく。 「昨日はすいません。これ良かったら。」 何だか少し照れたような、ぎこちない様子で手に持っていたクッキーの缶を差し出した。 「ところで生徒たちはどんな?荒れてるんでしょ?また何かあったら言っておいでね。」 A教頭の言葉に合わせて頷きながら突然の動悸に襲われ、昨日の光景が蘇って息ができない。A

          episode2. 事件後の職場

          episode1. 2016年3月13日 事件の日

          (※ 学校名称や人物は仮名で、役職は当時のものです。フラッシュバックなどの症状がある方はご注意ください。) その日は日曜日で、空は朝からどんより曇り、時折雨がパラパラと降っていた。私は午前中から買い物に出かけていて、あちこち店に立ち寄り、お昼にはよく行く店で洋服や雑貨を眺めていた。ちょうど12時半を過ぎた頃、携帯が鳴った。 第一小学校 A教頭。 あ、今日はPTAとの作業の日だった。もしかして、保護者からクレームが入ったのかな。 以前、宿題提出のチェックについて、そこま

          episode1. 2016年3月13日 事件の日