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りすのよまい言、大きな木のうろの中から

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「だから、なんなの?」と言われてしまいそうな他愛もないことを綴っていきます。悪しからず。
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2022年8月の記事一覧

8カ月ぶりの答え合わせ

8カ月ぶりの答え合わせ

ーハンドブレンダー奥さんがハンドブレンダーを欲しがった理由。それが8カ月を経て、ようやく分かった。奥さんによると、味噌作りに使いたかったそうだ。これまで答えをはぐらかされたままで、すっかり答え合わせするのを忘れていた。念願のハンドブレンダーはとうの昔に手に入れ、「今さら、何を言ってるの?」と奥さんはあきれ顔。勿体振って、なかなか教えてくれなかったのはどっちだという言葉をグッと飲み込み、聞こえない振

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そうは問屋が卸さない

そうは問屋が卸さない

ーわが家の冤罪事件簿(5)奥さんの味噌作りを滞らせた原因は、ガス会社がガスを止めたことだと分かり、疑いをかけられていたガスコンロは無罪放免。これで、この件は大団円を迎えたと思いきや、そうは問屋が卸さない。困ったことに、奥さんは行く先を失った怒りの鉾先をこちらに向けてきた。他方、今回の件を通じて得た"収穫"は大きい。この先の生活に活かしたい。

つゆ知らず

ガス会社の監視センターに事前の断りなく、

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不機嫌のワケ

不機嫌のワケ

ーわが家の冤罪事件簿(4)ピロン。「モウツカレタヨ」という怪しげなメッセージからしばらくし、LINEアプリが可愛らしく鳴く。奥さんからだ。トラブルが「解決した」という。ガス会社のサポートセンターに連絡し、原因が分かったらしい。やはり、ガスを止められていたそうだ。疑われていたガスコンロは無罪確定。ただ、奥さんは不機嫌なまま。そして、その後に続く報告に、驚いて腰を抜かしそうになった。

監視センター

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坊主憎けりゃ袈裟まで憎い

坊主憎けりゃ袈裟まで憎い

ーわが家の冤罪事件簿(2)ガスコンロが動かなくなって"激おこ"の奥さん。LINEを通じて、冷静さを欠いた様子が分かる。ガス給湯器など、そのほかのガス機器が止まった原因も、このガスコンロのせいだと奥さんは言い張る。坊主憎けりゃ袈裟まで憎いー。もはや、そんな感じだ。

カスタマーサポート

動かなくなったガスコンロについて、奥さんとLINEを通じて、しばらくやり取り。その後、奥さんはあきれたように「も

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わが家の冤罪事件簿(1)

わが家の冤罪事件簿(1)

ーガスコンロに異常あり「ガスコンロに火が付かない」ー。ある平日の午前、LINEにメッセージがピロンと届く。奥さんからだ。続けて「コンロの電池を買ってきて入れ替えたけどダメ」と、再びピロン。途方に暮れているようだ。状況を詳しく尋ねると、コンロだけでなく、ガス給湯器のお湯も出ないとのこと。ウィンドウに「エラー11」というエラーコードが表示されるそうだ。

エラーコード

このエラーコードをインターネッ

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こっちゃこい

こっちゃこい

ーあゝ夏休み夏休みの旅行を視野に入れ、柳田国男著『遠野物語』を読んで以来、この作品の舞台になった岩手県遠野市、あるいは岩手県に誘われている気がする。「こっちゃこい、こっちゃこい」と手招きされているようだ。もちろん、行き先の候補地をより深く知るため、わざわざこの作品を読んだのだから、以前に比べて行きたいという気持ちは強い。ただ、どこか決め手に欠ける感があり、心を決めかねている。夏休みは近い。いっそ、

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INDEX

INDEX

ー連載『遠野物語』評柳田国男著『遠野物語』を読んだ感想などを連載「『遠野物語』評」にまとめ、このシリーズにINDEX(インデックス、目次)を付けた。各回いずれも、目次にあるタイトル、あるいはその下にあるカードのトップ写真をクリックすると、そのページに遷移できるようになっている。この連載は、近づく夏休みとその準備に関する心境を綴った『りすの独り言ーあゝ夏休み』シリーズの一環として収録している。

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『遠野物語』評(下、肆)

『遠野物語』評(下、肆)

ー座敷童子と緑風荘柳田国男『遠野物語』に登場する神さま、あるいは妖怪のうち、知名度が全国区と言えば、河童ともう一つ。そう、座敷童子。「この神の宿りたまふ家は富貴自在なりといふことなり」とされており、姿を見られれば家に富をもたらすといった伝承は広く知られるところだ。ただ、座敷童子が男の子か、それとも女の子か、そんな疑問に答えられる人はあまりいないだろう。答えは『遠野物語』の中にあった。もちろん、この

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『遠野物語』評(下、弐)

『遠野物語』評(下、弐)

ーイタコとのつながり柳田国男著『遠野物語』を通じて知った蚕の神、オシラサマ。岩手県遠野市を中心に一部地域で崇められている神さまだ。インターネット検索すると、オシラサマにまつわる不思議な体験談やら、1000体もの神体を祀る野外博物館「伝承園」やら、さまざまな情報がヒットした。このうち、"口寄せ"の巫女として知られる「イタコ」とつながりがあると知って驚いた:「オシラサマとイタコの取り合わせって最恐じゃ

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『遠野物語』評(下、壱)

『遠野物語』評(下、壱)

ー続・オシラサマ柳田国男著『遠野物語』に登場する蚕の神、オシラサマ。その口伝や伝承は、今なお引き継がれ、それに関連した新たな逸話、背筋がヒヤッとする体験談が次々と生まれている。オシラサマにまつわるエピソードは、忘れ去られるどころか、112年前の1910年に発表されたこの作品が起点になり、時代に沿った形で更新されているようで怖い。この本を通じ、いろんな神さまや、そこに付随する習慣や風習などについて知

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『遠野物語』評(中)

『遠野物語』評(中)

ーオシラサマ柳田国男著『遠野物語』ー。内容はあまり難しくない。いわゆる怪談と心得て読むと、たとえ歴史的仮名遣い(旧仮名遣い)だとしても、決して読みこなせないわけではない。また、おどろおどろしい話をまとめてあるものの、それほど怖くない。口伝、伝承と分かっているので、フィクションとして楽しめる。『四谷怪談』『番町皿屋敷』など、古典の怪談を読んでいる感覚とちょうど同じだ。ただ、どうも"一癖"ある。

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『遠野物語』評(上)

『遠野物語』評(上)

ー歴史的仮名遣い柳田国男著『遠野物語』は、現在の岩手県遠野市の周辺に伝わっている逸話・伝承などを記載した説話集。柳田国男が、遠野市出身の作家・佐々木喜善から聞いたおどろおどろしい話をまとめた作品。今から112年前の1910年に発表。全119編から成っている。歴史的仮名遣い(旧仮名遣い)で書かれていて、現代仮名遣い、あるいはライトノベルにあるような新しい言葉の使い方にどっぷり浸った生活を送っていると

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