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医療系の国家試験対策(すべての医療系学生必見!)

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予備校で看護師国家試験対策を担当することになりました。 医療系学生みんながコスパよく勉強するにはどうしたらいいだろう? そう考える中で生まれた記事たちです! ・「そもそも試験対… もっと読む
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記事一覧

「必修」が大事な理由。しっくりきてますか?

「必修」が大事な理由。しっくりきてますか?

前回記事の続きです。
これから2回に分けて、
①「必修が本当に大事な理由」を腹落ちしてもらい、
②具体的に今日(もしくは明日)からのみなさんの国家試験対策が「始まる」ような具体的アクションプランを提示
したいと思います。

そもそも「必修問題」とは?

まず前提として国家試験における「必修」とはなにか?について確認しましょう。
私が過去に受験した医師国家試験でもこの「必修問題」というのは設定されて

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コスパよく医療系国家資格の勉強をしたい人は、とにかく「これ」から始めよう!

コスパよく医療系国家資格の勉強をしたい人は、とにかく「これ」から始めよう!

今日は、医療系国家試験対策を「これからはじめようと思うけど、何からどう始めたら良いかわからない」という人に役立つ話をしようと思います。

主に想定している読者さんは、今メインで予備校等で担当させていただいている看護学生さんたちですが、他の医療系国家資格を受験される方々にも参考になると思います。

いろいろ考えたけど、やっぱり「これ」から対策するのがベストだ!

看護師国家試験をこれからはじめようと

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病気に共通した「仕組み」をイメージできるようになろう④

病気に共通した「仕組み」をイメージできるようになろう④

病気のパターン③炎症さて、医療系学部のみなさんにとってはとても馴染みの深い言葉が出てきました。

今日のテーマは「炎症」です。これは一般の方々にとっても馴染みの深いワードでしょう。「虫垂炎」や「心筋炎」など、「◯◯炎」という病気の名前は良く聞きますよね。

そして、ほとんどの人が、この「炎症」が関係する病気を日常的に経験しているはずです。いわゆる風邪は「上気道炎」です。

それほど「身近」な現象な

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病気に共通した「仕組み」をイメージできるようになろう③

病気に共通した「仕組み」をイメージできるようになろう③

病気のパターン②血流障害これまでの「ざっくり医学を学ぶシリーズ」で、最初に学んだのが「循環器系」でした。そう、全身の細胞に酸素や栄養素を運ぶのが循環器系でした。

酸素がリアルタイムに運ばれ続けないと、細胞はエネルギーが作れなくなり、役目を果たせなくなります。そして、やがて死んでしまうのです。ざっくり覚えておくべき病態は3種類あります。

です。ここはとても大事なので、ちょっと突っ込んだ内容にはな

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病気に共通した「仕組み」をイメージできるようになろう②

病気に共通した「仕組み」をイメージできるようになろう②

前回の記事で、

「各システム(系)の機能がうまくいかなくなった場合を○○不全と呼ぶ。」

そして、その○○不全という呼び方をする際、「原因は何でも良い」

というニュアンスをお伝えできたかと思います。

今日は、そもそもの「病気の仕組み」をどう理解すると頭が整理されやすいか?について話したいと思います。

細胞が傷害されるパターンを知っておくたしかに病気は死ぬほどたくさんの種類があります。

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病気に共通した「仕組み」をイメージできるようになろう①

病気に共通した「仕組み」をイメージできるようになろう①

次は、みなさんが「よく聞く病気」からアプローチここまでは、みなさんがイメージしやすい「臓器別」に役割をエクストリームに(笑)学んできました。そして、次にみなさんがイメージしやすいのは「良く聞く病気」ではないかなと思います。

一般の方でも良く聞く病気。それは医療系学生であれば「一般の方でも知っているので、知らないと恥ずかしい」知識でもあります。そこから学んでいきましょう!

とはいえ、さすがに病気

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病気について学ぶ「病理学」。その前に!

病気について学ぶ「病理学」。その前に!

身体の仕組みについてものすごくさらっと(中田Youtube大学風にいうと「エクストリームに」)学んできました!

そして、これから「身近な病気と、その理屈について学ぼう」という流れでいきます。

「なぜ、こんなざっくりしか学んでないのに、もう病気の理解に入るのか?」「まだ、基本の医学的土台が完成してないじゃないか!」と怒られそうです。今日はその話です。

「学問としての医学」は負荷が大きすぎる割に

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「急性」と「慢性」という病気の切り口②

「急性」と「慢性」という病気の切り口②

「体内を快適にする宿命」ホメオスタシス前回、ホメオスタシスについて話しました。

正直、みなさんが毛嫌いするワードなのでできるだけ使わずにいこうと心がけていましたが、ついに使わざるを得なくなってしまいました(笑)

とはいえ、ざっくり理解すればOKです。

わたしたちは身体中の細胞たちに元気よく働いてもらうために、体内の環境を快適にする「宿命」がある、ということ。そして、ほとんどの場合、その宿命は

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「急性」と「慢性」という病気の切り口①

「急性」と「慢性」という病気の切り口①

みなさんも、病気を「急性○○○○」とか「慢性○○○○」とか呼び分けているのを見かけることがありますよね。

これらの「病気の切り口」にどんな意味があるのか、そしてどんな違いがあるのか。この記事ではそれをざっくり理解することを目指します。長くなってしまうので、本日は「前編」とさせていただきます。

今日の内容は、「ホメオスタシス」です。

実は使える「ホメオスタシス」の知識「でた!医学とか生物の授業

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「ヒト」という1個体として動き回れる仕組み

「ヒト」という1個体として動き回れる仕組み

いよいよ、ヒトの仕組みをざっくり理解するこのシリーズも終盤となってきました。

できるだけ、体内のミクロで見えにくい世界観について、わかりやすく説明してきたつもりですがいかがでしょうか?

今日は、ヒトの「動作」を支える筋・骨格系について説明します。とても「マクロ」な目でヒトの動きを見ていきましょう。

脳から伝わった指令に従い、身体が動く筋・骨格系はイメージしやすいと思いますが、われわれが日常生

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全細胞を統率する2種類のシステムの違い

全細胞を統率する2種類のシステムの違い

内分泌系は「手紙」のやりとり

まず内分泌系についてです。イメージが湧きにくい内分泌系。実はその理由は、「関係する臓器が多い」からではないでしょうか。たとえば、下垂体、甲状腺、副腎、、、などと挙げるといろいろ出てきます。これらをいちいち覚えようとすると、やはり大変。そしてそれぞれの臓器から出てくる「ホルモン」の名前を覚えようとするとさらに大変!

しかも、実は身体中の全臓器が内分泌という仕組みでや

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多細胞から成る「人」を「個体」として成立させる「統率システム」

多細胞から成る「人」を「個体」として成立させる「統率システム」

前回までのまとめで、「ヒト」を構成している細胞たちがどうやって生活を営んでいるのか?ということをまとめてきました。
そして、細胞レベルで微生物からどうやって身を守っているか?というところまでまとめてきました。

細胞たちがてんでバラバラに動くと、「個体」としてうまくいかないここからは、「ヒト」という「個体」がどうやって体内の細胞たち(37兆個もいる!)をコントロール(制御)しているのか?という話に

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「[必修]よりも必修」な医学講座 - ここまでの総まとめ

「[必修]よりも必修」な医学講座 - ここまでの総まとめ

酸素運搬(循環器、呼吸器系)これまでのマガジンでは、酸素や栄養を送り届け、二酸化炭素やゴミを回収してくる物流システムについて中心に説明してきました。

酸素や二酸化炭素はガス成分であり、呼吸器系という専用のシステムで取り込み・排泄されていることも解説してきました。

そして、肺で取り込まれた酸素を全身に送り届け、全身から発生した二酸化炭素を肺に戻してくる役割を「赤血球」が担っているということも確認

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「生体防御」の基礎②

「生体防御」の基礎②

前回の復習(微生物が体内に入らないための工夫)前回、多細胞生物であるヒトが、「細胞レベルでの外敵」からどう身を守っているか?を解説しました。

そしてそのメインは「皮膚のバリア」でした。

ただ、皮膚という丈夫なバリアのない、ヒトが外部に接している部分では物理的なバリアは脆弱です。それが、いわゆる「穴」の部分でした。

食べ物や空気の通り道、おしっこの出ていく通路は「(吸収したり分泌したりするとい

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