マガジンのカバー画像

生きていくためにやるべきこと

17
作品を書いて、これからも生きていくためには、今のままのやり方ではいけないと気づきました。「不人気作家なので単行本が売れない」→「連載打ち切り」→「どうにか次の企画を通して新連載を… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

『不知火判事の比類なき被告人質問』ご紹介記事などをまとめました

『不知火判事の比類なき被告人質問』ご紹介記事などをまとめました

連作法廷ミステリー『不知火判事の比類なき被告人質問』(双葉社)、発売から一か月が経ちました。

割と好意的な感想をいただくことが多く、苦労した甲斐があったと作者としても喜んでおります(裁判の流れを分かりやすく、且つ退屈させないように描くのが毎回大変だったのです…)。

また書評などでも取り上げていただき、感謝しております。
以下、『不知火判事の比類なき被告人質問』をご紹介くださった記事などをまとめ

もっとみる
連作法廷ミステリー『不知火判事の比類なき被告人質問』発売

連作法廷ミステリー『不知火判事の比類なき被告人質問』発売

矢樹純の最新作『不知火判事の比類なき被告人質問』が本日、双葉社より発売となりました。

『不知火判事の比類なき被告人質問』は、風変わりな左陪席の裁判官である不知火春希判事が、横浜地裁を舞台に、毎回《他に類を見ない》被告人質問でそれまでの審理をひっくり返し、隠されていた真実を明らかにする――という連作法廷ミステリーです。

30代のニートの娘がシングルマザーの母親を殺害した事件の裁判で、被告人が取っ

もっとみる
『マザー・マーダー』細谷正充賞を受賞しました

『マザー・マーダー』細谷正充賞を受賞しました

昨年末に光文社から発売された連作短篇ミステリ『マザー・マーダー』が第五回細谷正充賞を受賞しました。

細谷正充賞は、書評家の細谷正充さんがその年に発売された新刊から、ジャンルを問わず優れた5作品を選出する賞です。

『マザー・マーダー』は自分にとって、デビュー9年目にして初めての連載作品であり、初めて挑戦した連作短篇であり、そして初めて四六判の単行本として出版された、とても思い入れのある作品です。

もっとみる
メールマガジン【やぎのおたより】について

メールマガジン【やぎのおたより】について

4年前から、無料のメールマガジンを週に一回のペースで発行している。
元々はブログには書けないような話を書こうと始めたもので、実際、表に出せない話を書いたこともあったのだが、基本的には日常の出来事を日記形式で書くことにしている。

このメルマガ、そこそこ労力をかけているのだが、あまりきちんと宣伝的なことをしてこなかった。毎週、Twitterでの配信のお知らせとともに、メルマガの紹介と登録ページへのリ

もっとみる
『ほねがらみ』の一部内容と自作「べらの社」との類似について

『ほねがらみ』の一部内容と自作「べらの社」との類似について

 自分にとって、大切なお知らせです。

※簡潔に内容だけ知りたい方は、以下のTwitterのツリーをお読みください。

 何度かこのnoteでも書かせていただきましたが、自分は2012年に小説家としてデビューしたもののデビュー作が売れず、なかなか次の本が出せない時期がありました。
 その数年間は漫画原作の仕事をしながら、長編や短編のミステリー、ホラー作品を編集者の方に読んでいただいたり、賞に応募し

もっとみる
小説家デビュー10周年を迎えました

小説家デビュー10周年を迎えました

本日、矢樹純は小説家デビュー10周年を迎えました。
力不足のために、その10年の半分近くは仕事の依頼のない状況でしたが、現在はありがたいことに、割とコンスタントに作品を世に出す機会をいただけています。
先月発売された5年ぶりの長編ミステリー『残星を抱く』に続き、今月はデビュー以来初めてアンソロジーに短篇を選出していただいた『現代の小説2022 短篇ベストコレクション』が発売されます。

自分が今、

もっとみる
【期間限定】『マザー・マーダー』購入特典キャンペーン

【期間限定】『マザー・マーダー』購入特典キャンペーン

このたび、発売中の初単行本『マザー・マーダー』(光文社)を読んでくださった方に期間限定の購入特典として掌編「ろくでなしの消失」を読んでいただけるキャンペーンが始まりました。
こちらのリンク先で応募方法をご案内しています。

「ろくでなしの消失」は連作短編集『マザー・マーダー』に収録された五編の短編の中でも特に一部の方に人気の高い第三話「崖っぷちの涙」の登場人物が活躍するお話で、自分が毎週金曜日に配

もっとみる
「書くこと」と「テレパシー」

「書くこと」と「テレパシー」

スティーヴン・キングの『書くことについて』は自分にとって聖典のような本で、気持ち悪いくらいに線を引いて付箋を貼り、仕事を始める前や、仕事中に書くのがつらくなってきた時などに何度も読み返している。

スティーヴン・キングはこの本の中で、書くこととは、「ずばりテレパシーである」と述べている。そしてテレパシーの実演をしてくれる。次に引用するので、この記事を読んでいる方にもぜひスティーヴン・キングのテレパ

もっとみる
謹賀新年

謹賀新年

明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年は小説では1月から光文社の電子ミステリー雑誌『ジャーロ』にて連作短編『Mother Murder マザー・マーダー』の連載がスタート。
2月に掌編「天神がえり」を声優の徳井青空さんに朗読していただいた『STORY LIVE』配信。

7月に『小説新潮』にホラー短編「魂疫(たまえやみ)」掲載。9月に『Mother Mur

もっとみる
調子が悪い人のための働き方改革

調子が悪い人のための働き方改革

このところ、ずっと調子が悪い。
コロナ禍で会いたい人に会えず、行きたい場所に行けず、趣味の柔道も出来なくなった。学校行事や部活の試合は中止になり、ストレスを抱えた思春期の子供達に気をつかいながら、自身も目一杯ストレスを溜めている。

そんなギリギリの生活を続けてきた5月の中頃に、仕事関係でとんでもなくストレスのかかるトラブルに見舞われた。一応の決着はついたものの、受けたダメージは修復できていない。

もっとみる
できるだけ長く、遠くへ

できるだけ長く、遠くへ

作家としてデビューしたものの、その一作目が売れなかったために最初の出版元では二作目が出せなかった、という話は何度か書いた。

二作目が出せないと決まった時、驚くことに、自分はまったく悲観していなかった。
それは自分がデビューした時点で、漫画原作者として何年か仕事を続けていたためだ。
自分のいた漫画の業界では、デビューして単行本を出したなどの実績があれば、それを名刺代わりに出版社に企画を持ち込みして

もっとみる
知ってもらうのが一番難しい

知ってもらうのが一番難しい

先日、自分が好きな漫画家さんの新しい作品が出ているのを知って、さっそく買って読んだ。めちゃめちゃ面白かった。
その漫画家さんの作品は、前作も前々作も読んでいて大好きなのだが、自分はこの新しい作品を、漫画アプリのバナー広告で知った。
すでに2巻まで出ているのに、連載が始まっていることも知らなかった。

来週、第3巻が発売となる『バカレイドッグス Loser』は、ヤングマガジンで連載していたものの単行

もっとみる
売れない作家ができるまで

売れない作家ができるまで

そもそも、自分は漫画原作者を目指した時、『ガロ』で描くような作家になりたいと思っていた。
『ガロ』という漫画雑誌に出会ったのは、確か高校生の頃だったと思う。
青森市内の本屋さんに一冊だけ置いてあったその雑誌をたまたま手に取り、「こんなジャンルの漫画があったのか!」と衝撃を受けた。

ヤンキー漫画と柔道漫画ばかりを読んでいた自分にとって、山野一先生や逆柱いみり先生、古屋兎丸先生(まだ読者コーナーに投

もっとみる
売れるためにできることは一つだけ

売れるためにできることは一つだけ

最近、とてもよく働いている。

昨年『夫の骨』が出版され、色々な方に読んでいただけたことで、小説の仕事が増えてきた。
加えて、コミックDAYSでの週刊連載『バカレイドッグス Loser』とGANMA!での隔週連載『怪談ルゥプ』という2本の連載を抱えている。

この《生きていくためにやるべきこと》というマガジンは、主に「何をやっても売れない」と弱音を吐くために(それと作家として作品を書いて生きていく

もっとみる