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歌ってみた。セルフMixしたい人が読む記事

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セルフMixしたいけどMixわからない人向けの解説記事です。
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記事一覧

「マスタリング」セルフMixしたい人が読む記事(16・終)

「マスタリング」セルフMixしたい人が読む記事(16・終)

今回はマスターにインサートするプラグインをいくつか紹介します。

マスタリングEQ

マスタリングEQはミキシングで使われるEQより繊細な調整が可能なつくりとなっています。ただしバスや各トラックにも使えることが多いため明確な区分はありません。

Kirchhoff-EQは先進的なデジタルEQとして有名です。
過去に高く評価されたEQが現代版として復活したAMEKのEQ200やアナログなサウンドが不

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「音を整えるエフェクト」セルフMixしたい人が読む記事(15)

「音を整えるエフェクト」セルフMixしたい人が読む記事(15)

ボーカルに特殊なエフェクトとは別にオケやボーカルをより良いものにするためにサチュレーションやディストーションといったエフェクトを掛けます。プラグインアライアンスではTONE/CHARACTERに分類されるプラグイン群ですが、先に紹介したコンプレッサーにもキャラクターが存在し、大きな方向性はコンプによって示されています。

処理のタイミング

空間系エフェクトとは別にミキサーを用意します。ボーカルの

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「リバーブとディレイ」セルフMixしたい人が読む記事(14)

「リバーブとディレイ」セルフMixしたい人が読む記事(14)

リバーブとディレイはボーカルをオケになじませるために欠かせません。追い込みが難しく、EQやコンプ以上に難しいです。

おさらい

初級

今までやった処理のあとにリバーブとディレイをインサートします。この方法は通常のボーカルMixで用いられることはありませんが簡単です。Mixノブを調整してリバーブとディレイを調整して完了です。

中級

リバーブとディレイのセンドリターンをプリセンドで行っているか

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「EQによる調整」セルフMixしたい人が読む記事(13)

「EQによる調整」セルフMixしたい人が読む記事(13)

コンプをかけたボーカルにEQを施し、音の方向性を固めていきます。コンプより後ろにEQをインサートするのではなく、コンプの直前にEQをインサートします。

初級

パラメトリックEQでロー、ミドル、ハイ、それぞれに対してリファレンスに近づけるようEQを施します。

コツ1

カッチリ決まるとかっこいいのはサビなので、サビを重点的にリファレンスをじっくり聴きこみ、EQを試行錯誤します。

中級

オケ

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「整音と音作りのコンプ」セルフMixしたい人が読む記事(12)

「整音と音作りのコンプ」セルフMixしたい人が読む記事(12)

今回はボーカルトラックにインサートするコンプについてです。

初級

1個目のコンプ
掛かり方が目に見えるコンプを使います。ピークをわずかにコンプレッションします。このコンプは2個目以降のコンプより浅くかかります。

2個目のコンプ
IRONでアタックとリリースを左から2番目、スレッショルドは針の揺れ方と耳で聞いて「わずかに掛かっている程度」を目指します。サビは音が大きくなるのでメロよりも針が左に

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「不要なレゾナンスの除去」セルフMixしたい人が読む記事(11)

「不要なレゾナンスの除去」セルフMixしたい人が読む記事(11)

不要なレゾナンスの除去はより良い楽曲を作るうえで欠かせません。しかし、使い方を誤ると音から豊かさを奪うため注意が必要です。

初級

RESOを前回適用したプラグインの次に読み込み動画にしたがいレゾナンスフィルターを追加します。おわりです。
より細かい設定を行いたい場合は中級へ

中級

伝統的なレゾナンスフィルターの作り方
パラメトリックデジタルEQで広めのQをとったものでベルをつくり、不要なレ

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「最初の低高域処理」セルフMixしたい人が読む記事(10)

「最初の低高域処理」セルフMixしたい人が読む記事(10)

今回から本格的にボーカルMixの処理を紹介していきます。初めにやるべき処理を解説します。ボーカルのバスにbx_cleansweep pro(あるいはパラメトリックEQ)をインサートします。

初級

中級

この処理がパラメトリックEQ(作業のしやすさからデジタルEQがオススメ)でも行えるようになり聴き分けが出来るようになると処理精度があがります。最初はこの方法で始めるのも〇。
中級では視覚的な判

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「マスタリングとミキシング」セルフMixしたい人が読む記事(9)

「マスタリングとミキシング」セルフMixしたい人が読む記事(9)

Mixは原曲などのリファレンスを利用し聴きやすい音を目指します。しかし、リファレンスはあくまでリファレンスであることを忘れてはいけません。
例えば歌い手の良いところがあり、原曲はその良さをなくす必要があった場合、歌い手の良さを残した方がリファレンスには近づきませんが聴きやすい音になりやすいなどです。

マスタリングと何が違うのか

Mixとマスタリングは表裏一体でどこからどこまでがMixでマスタリ

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「インサートとセンドリターン」歌ってみた。セルフMixしたい人が読む記事(8)

「インサートとセンドリターン」歌ってみた。セルフMixしたい人が読む記事(8)

インサートとセンドリターンは初心者が挫折しやすいポイントです。専門用語であるためより難しく感じられますが、この記事で苦手を克服しましょう。

DAW上で取り扱われる音源のルールと呼称

1つの音源はトラックに並べられる。

トラックには複数の音源を並べることもできるが、管理が難しくなるので原則1トラックに1音源。

各トラックは指定したミキサーに送ることができる

ミキサーはチャンネルとも呼ばれま

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初めてのセルフMixの流れと前処理(ノイズ除去、タイミング補正、ピッチ補正)歌ってみた。セルフMixしたい人が読む記事(7)

初めてのセルフMixの流れと前処理(ノイズ除去、タイミング補正、ピッチ補正)歌ってみた。セルフMixしたい人が読む記事(7)

今回はセルフMixを始める方向けにシンプルなMixの流れを解説します。Mixの流れは個人によって違うためこの方法に固執する必要はありません。自分のやりやすい方法にアレンジしてください。

<前処理>
 →ノイズ除去
 →タイミング補正
 →ピッチ補正
<ミックス>
<マスタリング>

Mixは3つの段階に分かれます。1前処理、2ミックス、3マスタリングです。この順番は行ったり来たりしますが最初は1

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「色々なリバーブ」歌ってみた。セルフMixしたい人が読む記事(6)

「色々なリバーブ」歌ってみた。セルフMixしたい人が読む記事(6)

音が広がる空間をエフェクトするものがリバーブです。空間系はこのリバーブとディレイの2つしかありません。しかし、これらを使いこなすのは中々一筋縄ではいきません。

アンビエンス→ホールリバーブ

楽曲が始まる時にかかっているリバーブは「アンビエンス(雰囲気)」と呼ばれます。(+コーラスが加わっています)
オケに合わせるというよりは音作りのリバーブです。Aメロが始まると「ホールリバーブ」と呼ばれるリバ

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「セルフMixで必要なもの」歌ってみた。セルフMixしたい人が読む記事(1)

「セルフMixで必要なもの」歌ってみた。セルフMixしたい人が読む記事(1)

基本的なものから取り扱いますが、最初はあっさり、何度も繰り返しながら難易度を上げていく予定です。

はじめに

Mix依頼に必要な知識をまとめたマガジンを一通りご覧ください。この内容を知っている前提で記事が書かれています。

DAW

私はFLstudioというDAWを使っています。このDAWに日本語版はありません。全部英語です。そのためセカンドDAWとしてオススメしますが、初めて使うDAWとして

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「歌は左右のスピーカーから同じ音が出る」歌ってみた。セルフMixしたい人が読む記事(2)

「歌は左右のスピーカーから同じ音が出る」歌ってみた。セルフMixしたい人が読む記事(2)

歌はスピーカーが2つでもスピーカーが1つの時と同じように再生されます。なので、自分の歌を録音した音源のレベルメーターを見ると左右(2本)とも同じ動きをします。

オケはスピーカーの左右で不均等に音が鳴る

次にオケ(インスト音源)は歌と違い、左右のスピーカーから均等に音が流れません。故障ではありません。そういった録音方法が用いられているからです。

歌はモノラル、オケはステレオ

専門的な用語で歌

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「第一の挫折ポイントEQ!」歌ってみた。セルフMixしたい人が読む記事(3)

「第一の挫折ポイントEQ!」歌ってみた。セルフMixしたい人が読む記事(3)

まずMixで挫折する代表格の1つは「EQ(Equalizer)」です。今回はEQの使い方には触れません。EQはどういうものなのかを大まかに解説します。

モスキー音音は周波数という値で捉えることができます。有名なものに「モスキー音」があります。この音は15khz~20khzという周波数の場所(=周波数帯)に属します。この周波数帯は「高域」とも呼ばれます。

周波数特性

マイクを購入した時にもこの

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