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庵野拓将『科学的に正しいダイエット 最高の教科書』KADOKAWA

本書の「はじめに」第1行目に「最初に断っておくと、この本には「簡単にダイエットをする方法」は書いてありません。」と、書かれている。理学療法士によるエビデンスに基づく肥満のメカニズムを解明した本である。

ヒトは太るようにデザインされている。旧石器時代の食料事情から美味しいと感じる者が生き残った。「火」により食事の摂取量が増え、甘いもの(特に糖類「フルクトース」)で太り、脂質で食欲が増えて太る。

ダイエットに成功するためには、睡眠不足は大敵である。睡眠不足は意志力を鈍らせ、食欲を高めてしまう。人工の光は、生活のリズム(概日リズム)を乱し、肥満のリスクを高める。

超加工食品や、砂糖入り飲料で太る。スナック菓子、カップラーメン、菓子パン、ピザ、ホットドッグ、ケーキ、ドーナツ、ハンバーガー、フライドチキン、チキンナゲット、砂糖入り清涼飲料などである。

ダイエットできる炭水化物がある。ダイエットはどれだけ続けられるかであり、主要栄養素の「量より質」が大事である。やせる「炭水化物」は食物繊維の量で決まり、玄米、オートミール、もち麦、全粒粉、蕎麦粉がある。

やせる野菜として、大豆、カリフラワー、ブロッコリー、ピーマン、芽キャベツ、ホウレンソウなどがある。やせる果物として、ブルーベリー、プルーン、リンゴ、イチゴ、ブドウ、グレープフルーツなどがある。

やせる脂質として、オルーブ油、菜種油、アーモンドなどのナッツ類、えごま油、亜麻仁油、魚の油がある。

タンパク質はやせる効果があり、リバウンド防止にもなる。皮なしの鶏のむね肉が良い。また、ヨーグルト、ホエイプロテインもダイエットの効果がある。

やせる飲み物として、緑茶(茶カテキン)、コーヒーがある。茶カテキンはやせるだけでなく、高血圧、高コレステロール、脳卒中のリスクを減らす。やせるおやつならば、ナッツ類である。ナッツは空腹感を減らす。

まずは食事管理で体重減少の効果を実感し、運動によりリバウンドを防止する。30分以上の有酸素運動を継続することで食欲のリズムが正常化し、長期的な体重減少を促す。

内蔵脂肪を減らすためには、有酸素運動であるジョギングが効果的である。体重減少で筋肉量が減るとリバウンドしやすいので、スクワットやベンチプレスを低強度で高回数行う。なお、筋トレの効果を高めるためにはタンパク質の摂取を同時に行う。

腹筋してもお腹はスリムにならないし、腕の筋トレをしても二の腕は細くならない。また、脚の筋トレをしても太ももは細くならない。細くしたいなら食事管理をまず行い、スクワットやベンチプレスなどの全身性トレーニングを行うとダイエット効果を高め、筋力もつく。

本書は「食事×運動×睡眠」がダイエットの成功方程式であるとする。エビデンスにもとづいた太るメカニズムを理解し、有効な対処法の知識を得ることが良い結果をもたらすとする。ダイエットを試みたい人であれば、お手軽ダイエット本をやめ、本書をじっくり読んで実践すべきであろう。

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