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物作りして飯食ってる人類です。趣味はプロレス観戦、読書。何でもこじつけてハンバーガーを…

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物作りして飯食ってる人類です。趣味はプロレス観戦、読書。何でもこじつけてハンバーガーを食べること。 デューディズムとChurch Of Satanの信条を胸に。 映画から発信されたメッセージを自分なりに読み解き、実人生に重ねて言語化できるような書き方を中心にしています。

最近の記事

人生を創るのは他の誰でもない「哀れなるものたち」

WE ARE NOT THINGS 「自分がどういう存在なのかを証明したい」 その快感は、ある意味麻薬のような作用をもたらす。 このように映画について、あれやこれや書くのはもちろん自分の中で整理するための行為でもあるが、それならばテメェのノートにでも書くだけにおさめていればいい。 それでも、こうやって開けた場所に文章を残すことは、ある意味では自己顕示欲の一つ顕れなのだと自覚している。 ただし、そこには副産物もある。 このように自分自身が感じたことを言葉にすること・そのため

    • My ALL TIME BEST ④ 「時計じかけのオレンジ」

      この世で最も美しいモノ ダイヤモンドは99.9%の炭素からできていて、化学式では「C」で表記される。単一の炭素原子のみで作られているモノはダイヤモンドだけだ。 不純物が増えると色味が変わっていくため、一般的には純度が高い=価値があると言われてる。 (もちろん、好みや度合いにもよる) 分かりやすくダイヤモンドを例えに出したが、世の中に存在する物質の多くは、純度が高いものが良きモノとして考えられることが多いのでは? お酒を嗜むことがないのでわからないが、日本酒なんかも純度がど

      • My ALL TIME BEST ③「MAD MAX 怒りのデス・ロード」

        神話とはなにか? 私たちの文化は、ある一部の敬虔...じゃなくて、狂信的な信者を除くと神に触れることが少ない、圧倒的に。 もし私たちの文化にも聖書のようなものがあって、それこそ毎週末教会に足繁く通い信仰しなければならない習慣があれば別だったのだろう、、、と安堵することも多々あった。 そんな私が2015年6月27日 スクリーンの中で起きるフィクションの中に、完璧な聖典を見つけてしまった。 荒廃した砂漠の中で、燃え盛る炎と道なき道を生き抜くためにDriveするその姿は、私にと

        • My ALL TIME BEST ② 「くまのプーさん 完全保存版」(1977)

          無自覚に愛おしさを抱く存在 もう何年も前の話なんだけど、小学校の同級生とあった時にディズニーの話になった。 「プーさんが好きなんだ」という話をしたら、 相手から「へぇ〜今も変わらず、好きなんだね」 と言われたがすごく心に残っている。 なぜなら私自身、けっこうな大人になってから好きになったと自覚していたからだ。 他人から言われて初めて気付いたんだけど、実は小さい時から好きだったのかもしれない。 うちの両親はあまりディズニーに興味がないので、実家にはディズニー関連のアイテムがほ

        人生を創るのは他の誰でもない「哀れなるものたち」

        • My ALL TIME BEST ④ 「時計じかけのオレンジ」

        • My ALL TIME BEST ③「MAD MAX 怒りのデス・ロード」

        • My ALL TIME BEST ② 「くまのプーさん 完全保存版」(1977)

          My ALL TIME BEST ① 「GO」

          自分の人生を振り返るポイントととして始めます毎年劇場で40本程度の映画を鑑賞し、ああでもないこうでもないと頭を回らせて、時にこの場所で文字に起こして整理などしてみたりしてきた。 最近、多感で大切な時期を振り返るきっかけとなる出来事があり、その後改めて自分が映画によってどう形成されてきたかを振り返りたくなったので、今回からALL TIME BESTとして10本の作品を振り返ろうと思います。 多分ホラー映画レビューのような、キャッキャした振り返りにはならないかもだけど・・・お付き

          My ALL TIME BEST ① 「GO」

          縋る者が救われない、信じる者にのみチャンスはあるのか?「エクソシスト -信じる者-」

          悪魔憑きは本当に存在するのか? 冒頭からド直球な話になるけど、私は一部のオカルト的な要素は留保しつつも、信仰に対して懐疑的な立場をとっている人間だ。 この世界ではあらゆる信仰の「神」的な存在が多数いて、そのほとんどが敵対者を「悪魔」として設定している。往々にしてその実態は、各信仰の邪魔になる考え方や行動をとる者を「悪魔」あるいは取り憑かれた者として扱う。 そうであれば、私からしたらこの世界は「悪魔」が中心の世界だ。みんながみんな毎朝毎朝電車の中で「オレ以外邪魔くさい、◯ね

          縋る者が救われない、信じる者にのみチャンスはあるのか?「エクソシスト -信じる者-」

          キルモンガーとダンスの理由の共通点「BLACK PANTHER」

          MCUだけでなく映画史に残るヴィラン 【エリック・キルモンガー】 人生は不公平だ そうは思わないかね? チカラを持つ者が、そのチカラを他者のために使うこともなく、自分たちの利益・安全を優先し、壁の向こう側には目もくれない。 本当に正しい存在はきっと、それを是正したいと思うだろう、たとえ痛みを伴ったとしても。 解釈は人それぞれだが、 悪魔(ルシファ)は正義の奴隷から自らを解放し、思うがままに存在しようとしたと思ってる。 弱きを助け、強きを挫く そのために。 もし強さを持

          キルモンガーとダンスの理由の共通点「BLACK PANTHER」

          おかしなモノは可笑しい、たけし式・新興宗教経典「教祖誕生」

          気をつけよう 暗い夜道と お手かざし ※以下、自分の考えを述べますが、宗教というものについて様々な考え方があるので、それを一方的に腐すつもりは一切ございませんのでご了承ください。 「2週間の断食で神様になれるぐらいなら、山で遭難したやつみんな神様になっちゃうよ」 どうです?この名言。 私のnoteでは、過去に「バチカンのエクソシスト」「N号棟」で宗教について、主に否の方向でいろいろ書いてきた。 もちろんこれからも書いていくことにはなると思うが、一つだけちゃんとしたスタン

          おかしなモノは可笑しい、たけし式・新興宗教経典「教祖誕生」

          信じないことが唯一の救い「N号棟」

          境界線の上なんて場所は存在しない この世界はアナログだ。 0と1の羅列で出来ているようなデジタルの世界ではない。グラデーションというものが存在するように、微妙なニュアンスや不確かなモノもたくさん存在する。 わたしはいかなる霊的な存在を信じない、見えていないから。 人間違いや勘違い、トリックアートにアハ体験、人間の目なんて信用ならないモノですよ。それにほら幽霊や心霊現象を嬉々として語るタイプの人たちを思い返していただきたい。 ・・・ね?胡散臭い人ばかりでしょ? とはいえ

          信じないことが唯一の救い「N号棟」

          なんとなく生きる人生の処世術教材「ビッグ・リボウスキ」

          特に深い意味などない段落 タスクに追われるのはキツイ。 最低限、人間の社会生活を営んでいく上で、やらなくてはいけないことってそこそこある。 ミニマリストって数年前に流行ったと思うんだけど、その生き方を一時期超否定していた。 モノを持たない自分に恍惚としてるだけで、側から見たら超みじめじゃん、「そんなにモノがいらねぇなら、かさばるだろうし小銭くれよ」とか思ってたし、物質的なモノも非物質的なモノも所有することでその人のモノになるとするなら、空っぽの瓶のような人間じゃねぇか!!

          なんとなく生きる人生の処世術教材「ビッグ・リボウスキ」

          サイエンスフィクションが担う宿命「クライム・オブ・サ・フューチャー」

          肉体の変容・超変態性癖をてんこ盛りにする「ボディホラー」の名匠 臓器と身体の内部・変態エロ好き垂涎の名匠デビット・クローネンバーグ。 クローネンバーグ作品は「ザ・フライ」しか観たことがなかったので、本作品を見る前にU-NEXTで事前学習・おさらいをしたのだが、このおさらい期間中はもう頭がどうかしちゃうかと思ったくらいやばかった。 ◼︎母ちゃんの怒りが瘤となり、そこから凶暴な殺人キッズを量産するモンスターキッズスリラー「ザ・ブルード/怒りのメタファー」 ◼︎婦人科を営む腕利

          サイエンスフィクションが担う宿命「クライム・オブ・サ・フューチャー」

          歴史から"学べない"人間を描いた真実と負の遺産として真正面から紐解く「福田村事件」

          作品を振り返る私自身の主義と憎むべきモノ 私がこの世で一番気持ちが悪いと感じるものは蛙と全体主義だ。 なぜなら、どちらもヌメっとしてて気持ち悪いからだ。全体主義の方に関しては、どこまでいっても人間は一人だという考えが根本にあるから。 結局のところ、自分が何を感じ、何を考え、どう行動するか、しかないと私は思っている。そのためには、"フラット"な情報を更新し続け、常に考え続ければいけない。なので、 ・自分が進みたい方向の考え方にフィットした場所に組み入り、自分"たち"と違う考

          歴史から"学べない"人間を描いた真実と負の遺産として真正面から紐解く「福田村事件」

          神に仕えた者たちの贖罪ツアーと肉弾戦「ヴァチカンのエクソシスト」

          この夏を代表する最高なイケてる痛快ホラー爆誕! 「行けたら行く」 「福袋」 「某脳科学者」 「K村・F・ミ◯ル」 そして 「聖職者」 この5つは信じない無神論者の私ですが (いや、他にもあるけど) みんな大好き「エクソシストモノ」で、あのラッセル・クロウが大暴れしていてあまりにも痛快という噂を聞いて、仕事をなんとか切り上げて強引に観てきた。 (ずいぶん時間がかかってしまった) エクソシスト系映画史上、最高の主人公爆誕 基本的に「目に見えない」ものには常に疑いの視点を持っ

          神に仕えた者たちの贖罪ツアーと肉弾戦「ヴァチカンのエクソシスト」

          上から目線のおっさんによる、おっさんのための勝ち逃げ説教「しん次元! クレヨンしんちゃん THE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜」

          何を言うかではなく、誰が言うかで視点は変わる 一体どういうつもりなんだろう? 主題歌を歌うサンボマスターって、ライブがめちゃくちゃすごいんですよ。 「諦めるな」「負けないで」「勝手に死ぬな」「頑張れ」「全員優勝」という数々の突き抜けたポジティブなメッセージ、めちゃくちゃ響くんですよ。サンボマスターが積み上げてきた言霊や魂のようなものが背景にあるし、 "本気で思ってること"って"本気で受け止めれる"から、やっぱり心を打つんですよ。 だけどね、出てるキャラクターの8割くらい"死

          上から目線のおっさんによる、おっさんのための勝ち逃げ説教「しん次元! クレヨンしんちゃん THE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜」

          命の軽さ、まさにポップコーン級!!「ワイルドスピード:ファイヤーブースト」

          Fast X -新たなる希望- 待望の新作にして、個人的にSKY MISSION以来の快作がついに帰ってきた! 世界を代表するモンスターシリーズでありながら、世界一デタラメなストーリーで私たちの心をくすぐりながら熱くさせてくれるワイスピ。 作品内で言えば、マッチョで隠キャなドムの身勝手極まりない行動に振り回される【ファミリー】を観ていて、「こいつになんの魅力があって慕ってんだろ?」と思い始めてた昨今、リアルではヴィン・ディーゼルとロック様(ドゥエイン・ジョンソン)との間の不

          命の軽さ、まさにポップコーン級!!「ワイルドスピード:ファイヤーブースト」

          教えて、正しいサヨナラの仕方を「aftersun/アフターサン」

          私と父と夏の思い出 幼いころの記憶の話。 私の父親は十代の頃からサーフィンを敬愛していて、毎週末は必ずと言っていいほど太陽より早起きをして家をあけていた。 友達よりも多分ずっと、父親との時間は少なかった。 だからなのかわからないけれど、僕に何ができるわけでもないのに、父は気まぐれで時々私を海に連れて行くこともあった。 私は、父の運転する車が好きだった。幼児期には父の車じゃないと寝付けずに、夜に無駄なドライブを強いらせていた時もあったほど、あの人が動かす 大きな鉄の塊に揺られ

          教えて、正しいサヨナラの仕方を「aftersun/アフターサン」