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「好き」という聖域

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「好き」についてのnoteのまとめ
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「好き」という聖域

「好き」という聖域

分かち合いたい「好き」と、
誰にも触れられたくない「好き」がある。

自分以外の人に
それがどのくらいの強さで存在しているのか、
そもそも存在しているものなのか、
どちらのほうが多いのか、

何回か人に聞いて訊いてみたことがあるけれど、
大人になった今でもよくわからないままだ。

人と人がはじめて顔を合わせるとき、
「好きなこと」を軸に話をすることはめずらしくない。

学校の自己紹介タイムだって、

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「好き」の深度は、知識量では測れない

「好き」の深度は、知識量では測れない

「にわか」「ガチ勢」「古参」など、好きの深度を測ったり、ファンの中でも熱量のランク分け(≒マウンティング)をするために生まれた言葉がいくつかある。

主にアイドルグループを愛する人たちの間で生まれ、特定の文化圏で多用されている言葉ではあるけれど、千差万別な人それぞれの「好き」の深度を、知識量や経験値で測ろうとする行為自体は、世の中に溢れていることだよなぁと思う。

例えば自分が、「エヴァンゲリオン

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読書は、心に自分だけの城をつくる

読書は、心に自分だけの城をつくる

ここしばらく続いていた体調不良。
なんとなく察していた人もいるかもしれないけれど、私は新型コロナウイルスの陽性患者として、自宅療養と隔離を命じられていた。

コロナが姿を現し、騒ぎが始まってから2年以上。「陽性です」と病院で告げられた時には、不思議な気持ちだった。嫌というほど存在を常に意識させられていたのに、初めて正体を明かされたような。

──なるほど。リアルコロナって、こんな感じなんですね。

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20代から「好きなもの」が更新されない人生なんて、つまんない。

20代から「好きなもの」が更新されない人生なんて、つまんない。

本格的に、フェスの季節がやってきた。
Instagramのストーリーでも、青空の下で音楽を楽しむ友人たちの姿をよく目にしている。

私も今月、withコロナ時代初のフェスに参戦してきた。千葉市蘇我スポーツ公園で開催された『JAPAN JAM』と、新木場・若洲公園で開催された『METROCK』。

感染対策のため、マスクはずっと外せないし、音楽に合わせて声を出すこともできないけれど。

広い青空の下

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「嫌い」の逃げ道にある「好き」に甘えたりしてさ

こうして毎日noteを書くようになってから、ひしひしと感じているのだけれど……
誰かに「嫌いなもの・こと・人」を伝えるのは、とても難しい。

いつかnoteに書こうと思って日々書き溜めているメモを見返すと、書けずにずっと残っているテーマのほとんどが、自分の嫌いな何かについてだった。

なぜ書けないのか。
正直に言うと、とても大変で、面倒くさいからだ。

たとえば私が「アイドルが嫌いなんだよね」とい

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「好きなものだけ」が生む退屈さ

「好きなものだけ」が生む退屈さ

半年前、今の新居に引っ越してきてからうちにはテレビがない。

私はもともと、家にいてもテレビをあまり見ないタイプだった。ちょっと変な表現かもしれないのだけど、テレビって、うるさいのだ。

興味のない番組や興味のない人の話が耳に流れてくるのは、鬱陶しいと感じてしまう。音がある場所では、なかなか物事に集中できない。原稿を書くときにはもちろん、本を読むときも、SNSを徘徊しているときも、他に音があると気

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「漫画が好き」と、「BL漫画が好き」の隔たりを

「漫画が好き」と、「BL漫画が好き」の隔たりを

今から2年前、私はライターをしながら非常勤の日本語教師として、東京の語学学校に勤めていた。語学留学生として来日した学生たちに、日本語を教える仕事だ。

私が担当していたクラスでは、日本語を学ぼうと思ったきっかけに「漫画」を挙げる学生がとても多かった(30人のうち15人はいたと思う)。好きな漫画を聞けば、やはり真っ先に聞こえてくるのが『ONE PIECE』『NARUTO』『DRAGON BALL』。

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好きな人を、ただ、好きなように愛そうぜ。

好きな人を、ただ、好きなように愛そうぜ。

人は一体、いつまで「男女の友情は成立するか否か」の論議を行うのだろう。

言うまでもないけれど、当然人それぞれの答えがある。
どちらにしても、実体験に基づくその人の「真実」として語られることが多い。ゆえに、強い言葉を使っての主張や否定が生まれやすい。

Twitterで「男女の友情」と調べれば、その様子が一目でわかる。

とは、本当にその通りだ。

自分で見つけた答えを、信じることは大いに結構。そ

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同じ時代に、同じ漫画を愛した大人たち

同じ時代に、同じ漫画を愛した大人たち

少し前に、同世代の漫画好きが集まって、ひたすら漫画について語り合う会が開催された。

「ほしゆき、絶対みんなと仲良くなれるから一緒に行こうよ」と誘ってくれたのは私の親友で、参加者の半分・3人とはその日が初めまして。

LINEマンガの中の人、漫画を描いている人、
数百冊の漫画に囲まれ「漫画喫茶」さながらの部屋に住んでいる人。

私も人よりは少し多めに漫画を読んできたとは思うけれど、さすがに人生のほ

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