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【詩】 パステル

ウヤムヤなゴロゴロが

なんだかその辺に散らばっている

桜流れとか黄砂とか

そういうものでもない

言葉を通り過ぎて

こびりついていた過去の澱を

吹き飛ばすような速度で

真ん中だけが残るような

つるりとした

性善説


鞄の中にひっそりと

小さな本が一冊

思い付きで頁を開いて

そこに小さな言葉の絵画

諭すでもなく

嘆くでもなく

優しい刹那

揺れて搖らいで

そこはかとなく

音階が誘われて

光が生まれ出して

あなたを包めば

それは奇跡


形のない心の深くにある何か

どうにかこうにか

ナニモノかにしようとする

その意気込みは

時々不惑の毛布に包まれたがる

みんなそのまま

地の底の粒子の先の

目に見えぬ瞬間に繋がっている


小さな部屋で引き出しを開ければ

気温の変化に敏感になる

新芽にある毒性を知ってか知らずか

木の芽時の憂鬱は

若芽色を輝かせる


筆先が泳ぐ

今日は何を描こうか

私だけではない私が

この行く先を知っている

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