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技能実習生送出し機関の日本語教師の奮闘

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日本語教師と言ってもひとくくりでは語れない。学習者のニーズと教師の使命が違う。その中でも外国人技能実習生送り出し機関の日本語教師は特別な存在。 日々の奮闘と、日々思う事を綴ります。
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ちゃんとさぁ。方言教えてくんない?

ちゃんとさぁ。方言教えてくんない?

現在は2021年5月。
昨年3月よりコロナで日本の企業様、監理団体様などの日本語研修センターへの視察が全くありません。
寂しいかぎりです。

これは、学習者にとってもデメリットですね。
日本人が来ないとなると、日本人の話す日本語。日本人へ対する緊張。
日本人へのイメージでさえ掴む事無く日本へ行くことになります。

視察に来られる日本人は例えが悪いですけど 良き「生きた教材」です。
日本人に対応する

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命令形の厳重注意⚠

命令形の厳重注意⚠

私は、一般の日本語教師と、私達送り出し機関の日本語教師は、
分けて考えるべきと思うのです。

なぜなら、
サークル、留学生、また学校の学生に日本語を教えている教師方とは、
ニーズも目的も違うからです。

*こちらをご参考に

ですから、教授法も自然と同じようにはいかなくなります。

約20数年前、私が日本語教師になった頃、
aiueo-te-ta並びの動詞活用の教授法は、
当時一般に知られておらず

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正座から異文化を考えてみたら...

正座から異文化を考えてみたら...

膝を折っておしりを床につける座り方(屈膝座法)は、海外では「あぐら」が殆ど。

正座とは日本では、かかとの上にお尻を乗せる座り方、礼をつくしかしこまった時、正式な礼儀正しい座り方。
日本も江戸時代前期までは男女とも「あぐら」が一般的だったそうですね。

正座だと戦闘態勢に持って行くまで時間を要するので、
「私は、刀は抜きませんよ」の意味もあったとか。
なので、武道の試合前は、正座ですね。
「試合

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国際交流基金『いろどり 生活の日本語』で、私は不要になった。

国際交流基金『いろどり 生活の日本語』で、私は不要になった。

いずれ、私独自の教授法なども書いていこうと思うんですけどね。
私の教授法ってちょっとえぐいかも。そのうち動画と一緒にUPしようと思っているんですけど、そうすると日本語研究者や学者さん達に批判されそうな卑怯な教授法だと捉えられる・・そもそも教授法と認められない・・かも。

 それは今はさておき、テキストの話です。
昨年までは、前任の責任者の方針のまま、一般に知られているあの有名な
テキストを使って

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正しい日本語ってなんですかぁ

正しい日本語ってなんですかぁ

日本語教師達のFacebookグループに参加しているのですけど、その中で、
若き教師たちのコメントで・・・。

「NHKでぇー 『○○だそう』って『だそう』で切っちゃうんですよ。
『だそう』をつかうなら『です。』をつけて『○○だそうです。』ですよね。」
「そんな言葉聞いたことがない」
「正しい日本語なんですかぁー」
「正しい、日本語ではありませんね。」
「気持ち悪くて、嫌いです。」
「わたしも嫌い

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勇気が無ければ、ぶつかれんのですよ

勇気が無ければ、ぶつかれんのですよ

私のスタッフが
「聞いてくださいよ。」
と、口をとがらせて言うには、

「私が『送り出し機関の日本語教師』をしているってTwitterで呟いたら、
速攻で『奴隷制度に加担していいんですか?』って来たんですよぉー。
しかも日本語教師ですよ!頭にくる!これって、『送出し機関の日本語教師』の仕事を知らないんだなーってホント思っちゃいましたね。」

 外国人技能実習生による犯罪、障害事件、逃亡、オーバース

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日本語学習だけやってる訳じゃないよ

日本語学習だけやってる訳じゃないよ

私の日本語研修センターでは、約3ヶ月。
最低385時間をクリアしなければ、学習者(実習生の入国前講習受講者)の帰省は認めません。
とは、言ってもその短い期間に、 日本語学べんの? って話です。

一般的なの日本語教師イメージは、
 ニーズの対象者は、  学習者
ニーズは      「日本語が出来るようになる」
 授業時間は、     学習者しだい
 

外国人技能実習生は、
 ニーズの対

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言葉ってなんだっけ?と考えてしまう仕事。

言葉ってなんだっけ?と考えてしまう仕事。

 コミュニケーション。意思の疎通。気持・意見などを相手に伝えるには
なくてはならないものが言葉。
 海外で日本語を教える仕事をしている私が常に思ってしまうのは、「言葉は道具」であるという事。道具なので、質の良し悪しがある。
しかも、千変万化、変幻自在 軟らかくなり、固くなり、丸くなり、鋭くなり、小さくなり、時には凶器になり、そして仏にもなるんですね。
 その上、日本語には、「同じ言葉でも、の時はO

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