アラサー男子が語る、懐かしドラマレビュー⑤「オレンジデイズ」(2004)
Netflixでも観れるようになりましたね。
というわけで、今回取り上げるのは2004年にTBS系列で放送されたドラマ「オレンジデイズ」。
就職活動中の大学4年生・結城櫂(妻夫木聡)と、病気によって聴覚をほとんど失ってしまったバイオリニスト・萩尾沙絵(柴咲コウ)の恋愛を軸に、大学卒業を1年後に控えた若者たちの姿を描いた青春ラブストーリーです。
2000年代大学生モノの傑作
高校を舞台にした学園ドラマって、結構色々あると思います。
皆さんも色々思いつくでしょう。
でも、大学が舞台の連続ドラマって実はあんまりない。
有名なのは「あすなろ白書」(1993)ぐらいでしょうか。「VOICE[ヴォイス]〜命なき者の声〜」(2009)とかもありますが、月9の割にはちょっと影が薄いかなぁ。
その点、本作は平成後期の放送にも関わらず最終回視聴率23.0%、平均視聴率17.4%と大ヒットを記録。
主人公が障害を抱えていることがフォーカスされがちですが、進路や生き方に悩む大学生を主役にした群像劇としても屈指の完成度。
名実ともに、2000年代大学生ドラマの傑作と言えます。
僕は今年で34歳になりますが、同世代の人たちの中で「オレンジデイズ」みたいな大学生活が送れると思っていたけど、入学したらそこまで良いところではなかった、というのはあるあるなんじゃないでしょうか。笑
平成を彩った脚本家・北川悦吏子氏の集大成
前述の「あすなろ白書」をはじめとして、「愛していると言ってくれ」(1995)、「ビューティフルライフ」(2000)等平成初期〜中期にかけて大ヒット作を連発した脚本家・北川悦吏子氏。
列挙した代表作を見て頂ければわかる通り、大学モノ×難病×青春群像劇ってもはや彼女の得意分野三段重ねなんですよ。笑
近年は不振気味な彼女ですが、この頃はお得意の細かい心情描写や大袈裟なキャラ設定がキレキレに機能しています。
ヒロイン・沙絵のやり過ぎなぐらいの口の悪さや櫂の実直ないい奴っぷりは、今見るとやり過ぎな気がするんですけどやっぱ良いんですよ。
そして、今でも第一線で活躍する主演の二人は本当に華がありますね。
演技も手話も、当時22、23歳とは思えないぐらい落ち着いてるし、上手い。
永山瑛太・成宮寛貴・白石美帆というサブキャラの配置もハマっています。
特に、白石美帆の演技の安定感は当時もびっくりで。結婚以降は芸能活動をセーブしてしまいましたが、本当素晴らしい女優でした。
ラブストーリー部分の胸キュン具合も、さすがプロの技。
海岸のど真ん中で櫂が沙絵に告白するシーンをはじめ、全編に渡ってキュンキュンするシーンが散りばめられています。
学生生活の中に潜む何気ない青春描写も含め、さすがラブストーリーの名手・北川悦吏子と言った感じです。
あと、細かいところでいうと音楽が良いですね。
Mr.Childrenによる主題歌「Sign」はもちろんのこと、BGMひとつひとつが良い。どれも、青春っぽい爽やかさと、どこか気だるげな雰囲気があります。
良くも悪くも、時代を感じるシーンがあるのも面白い
まあ、ところどころ粗を探すと古いドラマだなあって感じはするんですけどね。
個人的にそれを一番感じるのは、第1話のジェットコースターに乗るシーンだったりします。
4年前に聴覚を失った沙絵が、それ以来乗っていなかったジェットコースターに櫂と一緒に乗るシーン。
シチュエーション的には良いんですけど、途中入る主人公の二人視点の主観カットが長過ぎて、今観るとめっちゃ違和感あります。笑
でも、主人公たちがガラケーを操作しながらメールしていたり、ドライブに行く際のBGMがORANGE RANGEなところとかも2004年当時の青春が感じられるので良い部分とも言えます。
ドラマって当時のトレンドを映すものですからね。
というわけで、我々アラサー〜30代半ばの世代にとっては青春のアイコンであるのがこの「オレンジデイズ」。
久々に観てみると、また新たな発見があるかもしれませんよ。
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