コザカナタキ

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かなめゆき『いつか一緒にくたばってくれ』

私が完全に心酔しているかなめゆき(@asunihayokunaru)さんの歌集、『いつか一緒にくたばってくれ』を読んだ感想を書きます。 すばらしいものに出会った時ほど、人は言葉か…

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飲み込めねぇよ

人生でこんなにめかし込んだのは初めてですけど期待はしない 洗面台初めて使うヘアアイロンあんまり効果は感じないけど 色付きのリップクリーム滑稽だそれでもいいやキャ…

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8割の計算2割の親切で帯を締めては女の子する 不意にきた予定変更「へいきだよ」やさしくするのをやめられないね 浴衣姿が好きなことそれくらい優秀なスパイだから知って…

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動物がきらい『思い出の墓場』

いいことがあったら悪いことがある 電話がきたから地球は滅ぶ 本物じゃなくても構わないと言いながら自分の嘘で傷付く ふたりだけホームの奥の奥に行く秘密基地みたいな…

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花粉症とコンタクト

ウォークマンから流れ出ている恋歌に文句をつけて目を逸らしてる 体育の着替えのときにすれ違うあの八秒に恋をしている 目が合ってすぐに逸らしてしまうのは何故かわかっ…

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浸透

永遠にわからないままいればいい 知らないままで一緒にいよう 「今日雨の日じゃないですね」「いいよ、いつ?」スパイの暗号みたいな約束 街灯の数を言い合う午前2時黙らな…

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雨の日以外

当然のように言うのはやめてどうしようもなく胸の奥がなくの、雨 期待しない裏切られたくはないから だけどそれでも、だけど、だけれど、 ふざけるな、普通に好きってな…

4

いとしさは雪

あたたかい雪をあなたにあげたくて あたためようと掴む、つめたい 明後日に貸す約束をした本を今日も明日も携帯してる 大衆に身内の紹介済ませてる 私と君は今日も他人だ…

5

魔女になれない日曜日

魔女ですが、机からよく消しゴムが落ちる呪いしかかけられなくて 魔女ですが、君が傷つけられてても物理防御は対応出来ない 魔女だから、仕方ないです満月の晩に貴方を想…

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豆乳プリン

いくじなし。誘いたいならちゃんとしろ。私に甘えてくるんじゃねぇよ。 知ってるよ傷付くことに臆病な君がいとしい、傷付けたいね 仕事外では話さない君だからあえて残業…

3

需要と供給の不一致

あなたって沼みたいだねどろどろと深みに嵌っていきそうですし なんでかな甘い毒って気付かない?窒息死って言葉知ってる? 死んだっていいよ愛してほしいんだ 自分を信…

2

初恋の墓場

もしこれが神様あなたのせいならば 恨む、散らばる心を踏んだ 誰よりも優しい君の優しさが私以外に伝わらなきゃいい ほんとうは用なんてない うそつきの私は今日も君を呼…

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愛と殺意は似てると思う【短歌10首】

この音は君を見つけた衝動だ愛と殺意は似てると思う もし僕がこのまま力を込めたなら君はそのまま天使になれる 事故だった初めて会った教室が燃えたアルコールランプをな…

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かなめゆき『いつか一緒にくたばってくれ』

かなめゆき『いつか一緒にくたばってくれ』

私が完全に心酔しているかなめゆき(@asunihayokunaru)さんの歌集、『いつか一緒にくたばってくれ』を読んだ感想を書きます。
すばらしいものに出会った時ほど、人は言葉から自由になると思います。というか、言葉を必要としなくなるように思う。だって、そこにあるそれが素晴らしいことを正しく理解するためにはそれに出会う他なく、それが素晴らしいことは言葉がなくとも失われることはないのだから。
という

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飲み込めねぇよ

飲み込めねぇよ

人生でこんなにめかし込んだのは初めてですけど期待はしない

洗面台初めて使うヘアアイロンあんまり効果は感じないけど

色付きのリップクリーム滑稽だそれでもいいやキャップを外す

いつだって早く来過ぎて悔いるから今日は10分前にしといた

背の高い男の人が誰も皆眼鏡がないからあなたに見える

緊張で吐きそう、帰る、胃が痛い、まじで、(何回目のデートだよ)

「もう着いた?」時間になってもまだいない気

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歩

8割の計算2割の親切で帯を締めては女の子する

不意にきた予定変更「へいきだよ」やさしくするのをやめられないね

浴衣姿が好きなことそれくらい優秀なスパイだから知ってる

人人人人がそれぞれ生きているビルに写った火の粉が照らす

列の中金魚が帯に泳いでる前の彼女はつまらなさそう

ハーメルン笛はないまま連れられてずるずる進むにんげんの群れ

目を逸らすあなたの左手が泳ぐ気付かないふりしててごめんね

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動物がきらい『思い出の墓場』

動物がきらい『思い出の墓場』

いいことがあったら悪いことがある 電話がきたから地球は滅ぶ

本物じゃなくても構わないと言いながら自分の嘘で傷付く

ふたりだけホームの奥の奥に行く秘密基地みたいな深い穴

暗号も秘密基地だって持ってるしイーサンハントよりスパイ的

いつだって他人行儀でいるくせに電車に乗る時少しあがる手

昼下がり「夏休み、暇?」お互いに暇じゃないこと知ってて首肯

俯いて「花火行かない」今日ずっとそれを言おうと

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花粉症とコンタクト

花粉症とコンタクト

ウォークマンから流れ出ている恋歌に文句をつけて目を逸らしてる

体育の着替えのときにすれ違うあの八秒に恋をしている

目が合ってすぐに逸らしてしまうのは何故かわかった恋をしている

この景色見れないあなたのために撮る写真が恋心もうつして

遠くから豆粒みたいな君をみる恋をつまんでポケットにしまう

日記書くときに昨日を思い出す足がかりになってくれる君へ

なんでかなあなたのためにしたことをあなたの

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浸透

浸透

永遠にわからないままいればいい 知らないままで一緒にいよう

「今日雨の日じゃないですね」「いいよ、いつ?」スパイの暗号みたいな約束

街灯の数を言い合う午前2時黙らないためだけに話した

「君のこと好きだと思う、でもこれが恋愛感情かはわからない」

君がいう 恋とはどんなものかしら そうかあなたはわからないのか

実感は出来てなかったから平気 ぬかよろこびも出来てなかった

傷付くな 傷付けるか

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雨の日以外

雨の日以外

当然のように言うのはやめてどうしようもなく胸の奥がなくの、雨

期待しない裏切られたくはないから だけどそれでも、だけど、だけれど、

ふざけるな、普通に好きってなんなんだ、私がどんな気持ちでいると

LINEでは伝わらないんじゃなかったの、どう受け止めればいいの神さま

わかるわけないじゃあないか、聞いてない。テレパシー、苦手なら言ってよ

感情の川の氾濫 濁流が押し寄せたから瞼を閉じた

本当

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いとしさは雪

いとしさは雪

あたたかい雪をあなたにあげたくて あたためようと掴む、つめたい

明後日に貸す約束をした本を今日も明日も携帯してる

大衆に身内の紹介済ませてる 私と君は今日も他人だ

親しげに笑い私を呼ぶ声は君の声より少し低いね

現状に満足しながら生きていくことができない いい子ではない

背中からかけられた声 不意打ちに「うわあ!?」と可愛くない悲鳴出た

敵わない敵わないなとくちびるを噛んで出た血を愛と呼

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魔女になれない日曜日

魔女になれない日曜日

魔女ですが、机からよく消しゴムが落ちる呪いしかかけられなくて

魔女ですが、君が傷つけられてても物理防御は対応出来ない

魔女だから、仕方ないです満月の晩に貴方を想っちゃうのは

幸せな君はきらいだ しとしとと涙流さぬ魔女になりたい

君のため最終奥義 魔女だから悪い魔法使いは倒す、死んでも

わるくない、わるくないよと抱きしめた 皆怖がってるだけなんだ

先生はほんとうを言う君を見て見ぬ振りをし

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豆乳プリン

豆乳プリン

いくじなし。誘いたいならちゃんとしろ。私に甘えてくるんじゃねぇよ。

知ってるよ傷付くことに臆病な君がいとしい、傷付けたいね

仕事外では話さない君だからあえて残業仕事しようか

気付かないわけないだろう 他愛ないメールはこんなに溜まってるのに

メンタルは私の8倍弱いのにどうして君は逃げぬのですか

すれ違い気さくに笑いかけてくる ふたりきりでは目も合わせない

薄味で甘くどうしようもなく柔 君

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需要と供給の不一致

需要と供給の不一致

あなたって沼みたいだねどろどろと深みに嵌っていきそうですし

なんでかな甘い毒って気付かない?窒息死って言葉知ってる?

死んだっていいよ愛してほしいんだ 自分を信じてほしいんだボク

君の脳 手に取るようにわかるけど 甘えないでよ 嘘つかないで

惚れるわ。と冗談めいた言葉にも冷たく心臓掴まれている

あぶないとわかっていても悩みとか相談されたら答えるずるさ

あなたとは一緒にいたくありませんき

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初恋の墓場

初恋の墓場

もしこれが神様あなたのせいならば 恨む、散らばる心を踏んだ

誰よりも優しい君の優しさが私以外に伝わらなきゃいい

ほんとうは用なんてない うそつきの私は今日も君を呼び出す

「あの人のどこがいいのよ?」(そんなもの全部に決まっているよ)「骨格」

いいんです 明日は君に会わないし 夜更かししてもチョコを食べても

信号でいつも見かけるあの人と目が合うことはないのだけれど

ほんとうは嫌いな恋愛映

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愛と殺意は似てると思う【短歌10首】

この音は君を見つけた衝動だ愛と殺意は似てると思う

もし僕がこのまま力を込めたなら君はそのまま天使になれる

事故だった初めて会った教室が燃えたアルコールランプをなぞる

傷付けたのは私だし知っていた愛より痛いこれはなんなの

苦しげに沈黙してたふたりとも世界は優しくないと知ってた

鉛筆の尖った方を握り締め 笑う笑って「幸せです」と

気付きたくないこともある君の手は別にぜんぜん白くないこと

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