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目立ちたい?それならこのタイトルで決まり★|「妹」の研究(2)

 妹である!

 取るものもとりあえず、妹である!!


 本記事は、1975~2018年の44年間に刊行されたラノベの内、「妹」が付くタイトルをピックアップ★徹底分析する特集「『妹』の研究」の……第2回である!


※注:「『妹』が付くタイトル」とは、例えば以下のような作品を指します。


<特集全体の目次>


第1回:「妹」タイトルが2010年に爆発的に増加したのはなぜか?

第2回(本記事):目立ちたい?それならこのタイトルで決まり★

第3回:妹は万能!神にも魔王にも、廃ゲーマーにもなる★

第4回:最短の「妹」タイトルを考える★

第5回:優れたタイトルをタイプ分け → タイトルを付ける際に役立つ図を作る(前編)

第6回:優れたタイトルをタイプ分け → タイトルを付ける際に役立つ図を作る(後編)


第1回からご覧になることをオススメします★


 それでは、早速分析を続けよう!


【分析④】「妹」が付くタイトルの内、シリーズものが占める割合 ~独占率






清水「へー!『妹』が付くタイトルの半分以上はシリーズものなんですね。そしてさらに、刊行数の多い7作品だけで30%を占めている、と」

三葉「そう!じつに独占率の高いカテゴリなんですよ。上述した通り、これはヒット作が多いということを意味しています」

清水「ふむ」

三葉『妹』タイトルは全部で256作しかなく、メジャーとはいいがたいカテゴリです……が!その256作の中には強力なライバルがひしめいている!新規参入は容易ではないといえるでしょう


【分析⑤】「妹」が付くタイトルの表記の内訳 ~漢字 or ひらがな or カタカナ




清水ほとんどすべてが『漢字で<妹>』なんですね」

三葉「そうなんですよ。そしてこれはチャンスといえるでしょう。タイトルの『妹』を『いもうと』やら『イモート』やらに変換するだけで目立つ可能性があるということですからね」

清水「ふーむ、確かに。書店で『妹|妹|妹|妹|妹|妹|妹|妹|妹|妹|妹|妹|妹|妹|妹|妹|妹|妹|妹|妹|妹|いもうと|妹|妹|妹|妹|妹|妹|妹|妹|妹|妹|妹|妹|妹|妹』と本が並んでいたら、とりあえず『いもうと』を手に取るかも


【分析⑥】「妹」が付くタイトルに占める「義妹」の割合



三葉『妹もの』には、一定の割合で義妹が登場しますよね

清水「ふむ」

三葉「なぜかといえば……『妹もの』には兄妹の恋愛を描いた作品が少なくありません。そして、世間は近親愛・近親相姦には厳しい目を向ける。『それなら義妹にしておこう』という判断が働いているのではないかと推測されます」

清水「ふむ。そういう面もたぶんにあるでしょうね。『血がつながっていない』という設定にするだけで、結婚ができる。ゆえに性交渉だって許容される。それなら炎上リスクを低減すべく、実妹ではなく義妹にしておこうと考えるのも頷けます」

三葉「でしょ!」

清水「ええ」

三葉それならタイトルも『義妹』にしてしまえばよいと思うんですよ!ところがどっこい……実際にはわずか2%しかない!なぜこんなに少ないのか!

清水「なるほど。確かに2%というのは随分少ない気もしますが、ふーむ……まぁ、理由として考えられるのは、そもそも案外と『義妹』が登場する作品は少ないとか」

三葉「ふむ」

清水「あるいは、仮に『義妹』の登場する作品が本当にたくさんあるとしても……『妹もの』の魅力の1つは、タブーを犯すかもしれないドキドキ感です。最初から『義妹』と明言されると萎えてしまうのかなぁ……

三葉「なるほど」

清水「ええ」

三葉「確かにそれはありそうですが……一方で『義妹』には『義妹』のメリットがある!すなわち……読者に対して、暗黙の裡に『兄妹が結ばれ、ハッピーエンドになる可能性もあるよ♥』とメッセージを送ることができるのです!

清水「なるほど」

三葉実の兄妹の場合、まぁ常識的に考えてハッピーとはいいがたい結末を迎える可能性が高い

清水「うん、そうでしょうねぇ……」

三葉「それに対して『義』の一字を足すだけで、ハッピーエンドの期待が膨らむ!すごい!」

清水「ふむふむ」

三葉「ほら、みんななんだかんだでハッピーエンドが好きじゃないですか。だったら『妹は妹でも、こちとら義妹だぜ!そこらの<実妹もの>とは違ってハッピーエンドだぜ★』というメッセージを送るのはアリではないかと思うんですよね」

清水「それはアリです。間違いなくアリ!」

三葉何よりも『義妹』の付くタイトルは少ない!ゆえに、大いに目立つ可能性がある!これから『妹もの』を執筆しようという方には、タイトルに『義』を加えることをオススメしたいのです!」

清水「一考の余地はありそうですね」


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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(分析:清水、三葉 / 文、イラスト:三葉)

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