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自分の願いは、みんなが笑うこと。陰謀論や反ワクチンを否定する事じゃない

あの頃、自分は陰謀論を話していた、ずっと母に。

母は黙って聞いてくれた、誰も解ってくれない話を、母だけは聞いてくれた。

反ワクチン陰謀論を信じた、あの頃、フェイスブックのキャリー医師の動画も母に見せた。他にもニコニコ動画の鹿先生の動画も。

母は理解してくれた。それを他の兄妹親戚に話した、そしたら、母が俺に洗脳されてると言われて責められていた。

それでも俺は、陰謀論を話すことをやめなかった。それを信じ、それが絶対だと思ってた。ヒトラーの予言も、日月神示もディープステート陰謀論も、Qアノンまで信じていた。アドレノクロム、ゴムマスク、量子ドットタトゥー、悪魔崇拝儀式、小児性愛、人肉を食べる、ユダヤ金融資本、グローバリスト、在日陰謀論まで、反ワクチン陰謀論が頭の中で渦を巻いていた。


mRNAワクチンとは何かを調べた、情報を貪った、その頃のTwitterで反ワクチン陰謀論をツイートしていた、何度もシャドーバンをされた、そのたびにアカウントが使い物にならなくなる。ブログにもそんな話をたくさん書いていた。


自分はずっと、猫一匹と、母と暮らしていて、頑なにワクチンを拒否させてきた、俺から陰謀論を聞いていた母も、それを信じ自ら拒否していた。周囲は接種しろと説得していた、でも俺は絶対に聞くなと止めていた。

そのせいで、俺は兄妹親戚全員に嫌われ、孤立した。でも一番辛かったのが母まで嫌われてしまったこと、それが何よりも苦しかった、辛かった、どうしてこうなってしまったのか、解らない。

脳梗塞で体が不自由な母は、2回目の脳出血で倒れた。その夜、他界した。


3回以上接種した兄妹、親戚はみんな今でも健康に生きてる。高齢の親戚もみんな。

他界したのはワクチンを拒否させた母の方だった。

孤立した俺は、みんなにおかしな人間を見るような目で見られ、兄妹には俺が母を殺したかのように憎まれている。

自分にもう笑って話せるような家族は1人もいない、残されたのは猫一匹、その猫が世界で唯一の味方。

でも、俺は兄妹親戚も、みんな愛している、嫌ってなんかいない、大好きだから、みんな大好きだから、だから止めたかった。

自分がどんなに嫌われても、誰も嫌わない。この心はみんな許してる。

だから、ワクチン接種した人達が何かあるなんて言いたくない、考えるのも嫌だ。そんな反ワクチン陰謀論がTwitterで目に入ってくるたびに、胸が締め付けられる、苦しくて悲しくて、怒りがこみ上げる。

それでも、そんな人達も自分と同じ、同じ気持ちを持っていた人達、だから憎めもしない。陰謀論を全否定なんかしていない、ワクチンを信じてもいない。


あの時、母が頭が痛いと言うから、タクシーで連れていった病院の医者は、痛み止を渡すだけで、まともに言葉がうまく話せない母の話は聞かずに不機嫌に追い返すようにあしらわれた。

その日は凄く暑い日で、母は歩く練習になるから家もそんなに遠くないからタクシーは呼ばなくて良いと言った。

自動販売機でジュースを買い、それを飲みながら歩けと渡した。

健康な人なら問題ない距離、でも母にとっては、その道のりは長かった。

だから途中で座り込んでしまった。立ち上がれない、だから肩を貸せと言われて、腕を引っ張ったら、痛いと言う。

その時俺は母に酷い言葉を言ってしまった。

家に帰れば母は洗面器に吐いていた、何度も。でも朝から食べていないから、何も出てはこない。

扇風機を回し、じっと側で水を持っていた。


救急車を呼んだ、でも受け入れ先の病院が見つからず時間がどんどん過ぎて行く。俺は母の足にすがりつき泣いた。救急隊員が自分に何を聞いてきても何も答えられない。

病院に運ばれた時はもう手遅れだと言われた。何となく解っていた、だから足の力が抜けていた、立ち上がれないぐらい。

病院の中で泣いたが、他の患者に怒鳴られた。うるさい、外で泣けと。


その日から、何日も何も食べずに真っ暗な部屋で泣き続けた。

その時に心を救ってくれたのが自分の唯一の家族、猫だった。暗闇の中泣き崩れ、うずくまってる自分を慰めるような、ゴロゴロと喉を鳴らし頭をなすりつけ、いつまでも側を離れず寄り添っていてくれた。


人は誰も心を救ってはくれない、でも猫は救ってくれた。猫にも犬にでもできることが、人間にはできない。その時、なぜなんだろうと思った。

いつも買い物の途中に見える病院、あの日、母をめんどくさそうに追い払った医者がいる病院、あの頃その病院が憎かった、悔しくて、怒りに満ちていた、その病院で暴れようかとも思った。

しばらくすると、そんな事考えていても仕方がないと思い、自分はそのまともに診察もせず母を追い払った医者を、許すことにした。

今はもう、その病院の前を通っても、何とも思わない。


だから自分は、兄妹や親戚、知り合い、他にも多くの接種した人々を思い、反ワクチンには属さない、それにより何かがあるなんて言いたくない、考えたくない。

そして陰謀論を推理しその多くの嘘を暴こうと思った。それを今でも絶対だと信じている、あの頃の自分のような人達のために。


でも陰謀論の全てを完全否定してるわけじゃない、その基礎があるから嘘や欺きを暴けると思っている。


自分が優しくないなら、誰が優しくしてくれるだろうか。自分に愛がないなら、何処に愛があるんだろう、自分に許しがないなら誰が自分を許してくれる。

自分が愛さないなら、誰が愛してくれる。

自分が純粋じゃないなら、何処に純粋な心がある。

自分が一途じゃないなら、誰が一途なんだろう。

自分が笑わないなら、誰が笑える。


自分が愛を、神を信じないなら、誰が愛を、神を信じる。


この世界は、とても美しく綺麗で素晴らしい七色の光に包まれた、残酷で悲しくて苦しく辛い、闇の中の世界。


きっと、この愛の光は、強い願いを持ち続ければ、必ず先に見える光のシグナルにたどり着き、永遠なる今を生きる事ができる。

信じ続けて、愛を信じて、その奇跡を信じて、いつまでも変わらず。無限に、永遠に、永久に、13から33の終わりから始まりまで。








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