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刹那の記録

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詩。 日々思ったことをまとめています。
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気分転換、お香のすゝめ

「空気を取り替えたい」

そう思ったことはないだろうか。
湿気がジメジメとまとわりつくこの季節、
私はお香をお勧めしたい。

部屋を薄暗くする。
お香に火をつけ床に置く。

煙が立ち上り、それらをゆっくり吸い込む。
すると鼻、気管、肺、細胞のムードが変わる。

甘いお香なら柔らかく、
すっきりとしたお香なら細胞が凛とする。

お香が燃焼する15分の間に
こうも変わるのかと毎度驚き笑ってしまう。

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センスの高め方

以前、ふらりとアンティークショップに立ち寄った。そこは路地を入って、狭い階段を上がったところにある。

「あら、いらっしゃい。ゆっくり見ていらして。」

グレーヘアのご婦人が笑顔で迎え入れてくれる。

レースやお人形、ボタン、アクセサリー、食器などフランスのアンティークが集まる宝箱みたいなお店。

「気になるものがあったら仰って。見せて差し上げますから。」

お言葉に甘えて赤い手を模したブローチを

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香水に投影する理想の自分

ひと瓶の香水を使い切るのに約二年。
その間に理想の自分に近づけるよう、毎日手首に祈りを込める。

ひとつ前は桃、桜、はちみつの香りがする甘めの香水だった。

人に自分の気持ちを言うことがあまり得意ではなかったので、素直に甘えることができる可愛い女性になりたいと思った。

この香水をつけはじめて二年が経ち、ようやく最近「さみしい」と言える。
元彼に「人間味がない」と言われ「なんだとこのやろ」

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宛先のない呪詛を着払いで

胃の中に胃があるような、
あるいは喉元で魚が行き来しているような感覚に襲われる。

定期的にこのような虚無や孤独感に苛まれるが理由はわからない
あったらどんなに楽だろう。

人に話せば解放されるかもしれないけれど
この感情を言葉にのせることができない。

だからこそ苦しい。

埋め合わせの言葉を発しても、
それは望んだものではないし
非道く卑しいものになってしまう。

今は極力人に会わず、口

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三日月の思いやり

人の思いやりにふれるたび、
自分は欠けていると気づかされる。

最近でいうと祖母だったり、お着物の先生だったり。

思いやりって気遣いとは違う。

ひとつ思ったのは
自分の利害関係なく、相手のために行動するものなのかなと

「情けは人の為ならず」という言葉がある。

今まで「情けをかけるのは相手のためにならないからほどほどにね〜」って意味かと思っていた。

しかし
「情けは相手のた

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夢の逆流

と私は呼んでいる

夢で見た風景がふと脳の中で再生されるのだ。
ちなみに正夢ではなく、デジャヴでもない
なんて名前の現象なのか定かではない。
(とりあえず私は「夢の逆流」と呼んでいるが)

脳内で今ある現実と夢の風景が
多重露光で撮った写真のように重なり合う。

その瞬間
胃が沸騰し、脳まで込み上げてきて
どうしようもなく気持ち悪くなるのだ。
しだいに夢と現実の境目がわからなくなり、吐き気を催す。

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感情の墓場

詩は感情の墓場。
もう縋れないと分かっているからこそ
形に遺して弔わなくては気が済まない。

毎日墓参りに追われて、涙を流す暇もない。

後ろ髪を引かれる思い

私は髪の毛が長いから
引き寄せやすいのでしょう。

だから切ったわ、掴めないくらいに。

なのに、どうして、
もうないはずの髪を引かれている。