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いろいろ考察

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趣味を仕事にするのは間違っているのか問題

ワタクシは本が好きなので出版業界を志望し、現在、編集者として仕事をしているわけだが、話がそういう方向に行くと、「好きなことはあくまで趣味として楽しみたい」と述べる人がたまにいる。

こういうのは、突き詰めれば極めてプライベートな事柄なので、あまりどうこう言うのも無粋だと思うのだが、そういうことを聞くと、私などは「ということは、この人はとくにしたくもない仕事をしているんだな」などと考えてしまう。私は

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読んだ人を後悔させるタイトルのつけかた

本のタイトルを考えていて思ったことがある。結論を端的に言えば、「ポジティブな言葉とネガティブな言葉を組み合わせてちょっとした矛盾を作り出すと、人の目に留まるものになるんじゃないか」ということだ。

たとえばこんなタイトル。

『おもしろすぎて欝になる百科事典の読み方』書店でこんなタイトルの本を目にしたら、たぶん私は「ナニイッテンダこいつ」と思い、手にとってパラパラとめくってみる。そういうことだ。

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読まれるタイトルの作り方

本はタイトルが命で、どんなに内容が良くても、タイトルが魅力的でなければ、まず売れることはない。だから、本の編集者は「どんなタイトルが本書の内容を端的に、かつ魅力的に伝えられるか?」を考えることに心血を注ぐ。

これはブログなどでも同じで、タイトルがクソだとまず読まれない。とくにネットは「3秒ルール」があるとまことしやかにささやかれているから、書籍よりシビアだ。
「3秒ルール」は床に落ちた食べ物の話

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「カッコつける」ってけっこう大事なことかもしれない

私が編集者になった理由のひとつに「スーツを着なくてもいい!」ということがある。私はスーツ(とくにネクタイ)が嫌いだ。

というわけで、基本的にはラフな格好(とはいってもオフィスカジュアル)をして働いているわけだが、ファッションで「ラク」を優先させると、ときとしてモチベーションが下がることがあるのではないか――ということを最近考えている。

ラフな格好をしていると、ダラけた姿勢で仕事をしがちだ。ダラ

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役に立つ人の話はだいたい過去ではなく「未来」のことを話している

私は仕事柄、いろいろなイベントに参加する。講演会とか、トークショーとか、公開ディベートなどだ。おもしろいものもあるが、なかにはクソつまらないものもある。ふと、それらの違いはなにかを考えてみると、彼らの話している内容が「過去」なのか、それとも「未来」なのかの違いなんじゃないかと思えてきた。

話がつまらない人は「過去」のことばかり話している。これまで自分はなにをやってきたのか、あの出来事はこういうこ

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暇は人間をダメにするか?

先日、とある人と「暇」についての考察を行った。哲学系の話なのだが、「暇というのは人間にとって悪か、否か」というものだ。暇があるからこそ、人間は無駄にモノやサービスを消費して自分を苦しめたり、賭け事や酒や薬物といったものに手を出してしまうのではないか……というのが、「悪派」の言い分。一方で、暇というのは人間にインスピレーションを与え、豊かな発想と進歩に貢献している……というのが「否定派」の言い分だ。

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