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#岸本佐知子
リディア・デイヴィス 『ほとんど記憶のない女』
★★★☆☆
2005年刊行の本書は、リディア・デイヴィスの5冊目の短篇集だが、訳書としては初めてになるらしい。訳者は岸本佐知子。アメリカでは作家としてよりもフランス文学の翻訳家として名が知れていて、フーコー、ブランショ、サルトル、プルーストなどを手がけているそうだ。手がけた著者の名前を見るだけでも、かなりしっかりとした文芸翻訳家であることがうかがえる。
僕はその名をポール・オースターの
岸本佐知子編訳 『変愛小説集Ⅱ』
★★★☆☆
2010年刊行のオムニバス第二弾。ミランダ・ジュライやジョージ・ソーンダーズなど、岸本佐知子訳でお馴染みの作家からあまり知らない作家まで11篇収録。ちなみに、ミランダ・ジュライの『妹』は『いちばんここに似合う人』にも収録されています。
『変愛小説集Ⅰ』で定まったコンセプトを踏襲しているので、テイストというか方向性は同じです。Ⅰが気に入ればⅡも好きでしょう。そうでなければご縁がなか
岸本佐知子編訳 『変愛小説集Ⅰ』
★★★☆☆
2008年刊行。2014年に文庫化されているオムニバス本。恋愛ではなく〝変〟愛という似て非なるところが岸本佐知子風味です。収録されている作家もニコルソン・ベイカー、ジュディ・バドニッツと岸本佐知子が翻訳している方がちらほら。
シリアスなものから掌編的なもの、小話風といろいろなテイストが味わえます。とはいえ、ストレートな恋愛小説はありません。七色の球種を備えているけど、直球は投げ
ジュディ・バドニッツ 『空中スキップ』
★★★★☆
1998年発刊のジュディ・バドニッツの処女作。翻訳版は2007年。岸本佐知子訳。23の短篇が収録されています。
一つひとつが短めですが、ショートショートやサドン・フィクションとも毛色が違う摩訶不思議な短篇集です。
3作目の『元気で大きいアメリカの赤ちゃん』と比べると、良くも悪くも瑞々しさと軽さを感じさせる本作。良い点としては、さらりと読めるところでしょう。悪いところは、いささ
ジュディ・バドニッツ 『元気で大きいアメリカの赤ちゃん』
★★★★★
2005年発表の三作目となる短篇集。翻訳版は2015年刊行。訳者は岸本佐知子。
なんとも奇妙な味わいのする小説で、岸本佐知子が好きそうです、実に。
絵本を思わせる寓意性に富んだ話、夢のように奇妙な状況、その反面、現実に準拠した展開と、独自の世界観をもった作家です。
不穏な空気が漂いつつも恐怖というわかりやすい形には決して着地しない、寓話的ではあるけれど、寓話ではない(教訓を
柴田元幸 『代表質問 16のインタビュー』
★★★★☆
翻訳者である柴田元幸が小説家を中心に13人の方にインタビューをしています。内容は主に小説や文学についてと、翻訳についてです。イベントでのトークショーの文字起こしと雑誌に掲載されたインタビューがほとんどです。
僕はソフトカバーで読みましたが、文庫化もされています。
主な作家は、スチュアート・ダイベック、村上春樹、バリー・ユアグロー、内田樹などです。翻訳家の岸本佐知子へのインタビ