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いい加減な日本語

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記事一覧

おじさん構文なんて関係ないねと思ってたら思いっきりおじさん構文だった

おじさん構文なんて関係ないねと思ってたら思いっきりおじさん構文だった

おじさん構文。なんじゃそら。

そもそも、こういう感じで、誰かをそういう特徴付けとともに一つのカテゴリーに押しやって嘲笑するというのは、悪趣味でしかないと思うし、根拠も希薄なので、信ずるに足りないと思っていたのだが、気をつけなければならないこともあるので、ちょっと読んでみた。

特徴は5つとされる。

1.カタカナで始まる。「ヤッホー」「お疲れサマ」など。
2.聞かれてもいないのに、勝手に近況報告

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おーん?

おーん?

岡田監督の「おーん」についてインタビューを受けた。
この話書いたっけ? 書いてたらすみません。
夜中に思い出したのです。

しかし、「おーん」は結構いろんな新聞で記事になっているのね。
各新聞がいろんな人に取材して分析を試みている。
よほど興味深い現象なのかしらん。

こちらはこたつ記事っぽい。

その他いっぱい。書き切れん。
僕が聞いたところ、これは「うん」のバリエーションのように聞こえる。

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妄想言語学

妄想言語学

専門家から見ると「アホちゃうか」と思われることを書こうとしている。

「ワンチャン」ということばがある。
何度書いても「ワンちゃん」というのが出てくる🐾

例文はワカモノでないのですぐに出てこないけれど、もののネットによると、「もしかしたら~かもしれない」というときに使うとある。下のサイトでは、

上の引用の例文の場合、「もしかしたらランチに行けるかもしれない」「もしかしたら勝てるかもしれない」

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普段は堤さんだがある場所では堤先生と同じ人から呼ばれる現象

普段は堤さんだがある場所では堤先生と同じ人から呼ばれる現象

仕事の場面で、普段は「堤さん」と呼ばれる人から「堤先生」と言われる時がある。

それは、その人と僕だけがメールのやりとりをしているのではなく、メーリングリストなどのように、他に複数の人がそのメールを読んでいる時である。

そのような場合には、なんだか改まらなければならない圧がかかって、「堤先生」に変身させられる。

してみると、この「堤先生」は、僕に向けられたものではなく、そこに参加しているその他

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川原繁人『フリースタイル言語学』

川原繁人『フリースタイル言語学』

大和書房。

慶応大学の川原繁人さんの御著書。今年に入って川原氏は複数の一般向けの本を立て続けに出されている。すごいパワフル。

超ご多忙にもかかわらず、いただいてしまいました。サイン付きでお願いします(図々しい)。

著書というのは、できあがってから、著者を通さずに倉庫から直接送られてくるのでサイン本は書きたくても書けない事情もあるだろう。と、都合良く解釈。

とにかく交友範囲の広さがすごい。芸

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言葉を選ぶ

言葉を選ぶ

某仕事で、高校生とお話しした。
すごくすごく、いい時間だった。
高校生ってこんなにしっかりしてたっけ?

日本語について、高校のことについて、担任の先生について、昔のことについて。敬語について話した。敬語は、日本語の奥ゆかしさを感じると。「凜としている」という表現を使ったのが印象的だった。僕個人は、敬語が「使える、使えない」という踏み絵的に使用されたり、上下関係の中でその使用が強要されたりすること

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みんなの日本語に見るジェンダー観

みんなの日本語に見るジェンダー観

一年くらい前だったか、金沢大学の松田真希子先生(=外大の同級生)に講演をお願いしたところ、『みんなの日本語』の中に古いジェンダー観が、どれくらい入り込んでいるかについて、大学院生に向けて話してくださった。

とてもおもしろい話だったのだが、もう論文にされているのだろうか。僕の研究ではないので、詳しく紹介することは控えるけれど、とってもいいアイデアだと思ったので、非常勤先の日本語教員養成の授業で、最

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先行研究を複数見ることの意味

先行研究を複数見ることの意味

先日、レポートの書き方、というか、レポートには何を書くものなのか、について文章を書きました。こちらの文章は、論文を書くときにも当てはまりますので参考にしてくだされば。

この文章では、「先行研究は複数参照すべきである」というようなことを言っています。なぜそれが必要なのか? 今日はこれについてです。

「一つのトピックには複数の言説、主張がある」というのでとてもわかりやすい例を発見したので貼っておき

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査読者として

査読者として

学会誌には、「査読」がある。査読というのは、匿名で投稿された論文を、審査するシステムである。研究者は、自分の研究成果をできるだけ多くの人に広めたいので、学会誌に投稿する。そして、学会誌に掲載されると、まあ、業績として認められる。かな?

で、僕も時々査読される。けど、今日は査読をする方の話をしましょう。

年に数回、査読の依頼が来る。現在は、ある学会の査読委員なので、その学会の査読は定期的にやって

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レポートは何を書くのでしょ?

レポートは何を書くのでしょ?

レポートの季節がやってきた。最近の大学は、あまり試験をしない。どちらかというと、レポートなり作品なりを各自製作して、その学期の学びの成果を評価されることが多いのだと思う。以下の文章を読むと、「あかんレポート」がどんなもんかが分かります。その結果、少なくとも最低限の地雷を踏まないレポートができあがることでしょう。

で、レポートって何書くの? 何書いていいか分からん。
ごもっとも。

レポートが、「

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ことばの男女差を研究すること

ことばの男女差を研究すること

ことばの男女差を明らかにする研究というのは昔からたくさんある。
その中で、いろんなことが分かっている。
例えば、京都市方言では「~しよる」という形式が、相手を蔑んで言う表現として用いられることがあるが、「あ、前の車、たばこの吸い殻ほかしよったで。あかんなぁ~」みたいに、言う。が、これは主に男性が使用する形式であることが、先行の研究により分かっている。

では、女性はどう言うか? というと、「あ、前

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「うまいもんくいたい」とジェンダー

「うまいもんくいたい」とジェンダー

ようやく、留学生が入国できるようになってきた。
コロナの中、日本に来たいと言って連絡をしてきて、何度かの面接をくぐり抜けてお迎えすることができた。例年よりも感慨深い。

で、先日ちらっと会ってきた。二人の女子学生。

昼に会って、ちょっと日本の街を散策して、3時頃にお別れ。
二人とも日本はおろか、外国が初めてだということで、晩ご飯を食べたかどうか確認のチャット。

堤:「ご飯うまかった?」
学生1

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続~蟻を飼っている

続~蟻を飼っている

前に、蘭の鉢に蟻が数匹だけ取り残されて暮らしていて、それが徐々に減っているという話を書いたことがある。冬の間、家の中に鉢を入れていたので、部屋を時々一匹の蟻がちょこちょこと動き回っていた。

なかなか感傷的な文章だ。

そんなわけで(どんなわけだ)、春になったので鉢を外へ出した。今年は蘭が異様にたくさん咲いた。実はいまも花芽を付けている。大丈夫かいな。

で、上の記事にも書いているのだが、とにかく

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凡人社イベント終了

凡人社イベント終了

凡人社主催のイベント、「日本語を「いい加減に」ながめてみると」終了。

ご来場の皆さんありがとうございました。250人、定員の申込みがあり、そのうち186人MAXの方が来てくださりました。

内容は、主には本の紹介でした。最後に、本の内容から日本語教育を考えるというお話をしました。

イベント開催中に、コメントがチャット欄に大量に来まして、最後まで時間内ではお答えできませんでした。主に、「フィラー

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