『黒望』

灰をかぶったように、生まれた時から黒い体。

同じ体の仲間とはつるむが、それ以外は皆無。

近づいてくる者はいない。むしろ避けられる。

不吉の証。大きな嘴。鳴き声さえも嫌われる。

一体、何がいけないんだ。

黒に生まれたこの運命。呪うだけで終わるのか。

いや、俺には大きな羽がある。飛んでいける。

ここではない、俺達が受け入れられる場所。

道標はないけど、いつかきっと辿り着けるはず。

そんな日を夢みて、今日も黒く街に溶け込む。


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