【共感覚と文章】言葉を奏でる、文字を歌う
文章を書くのが昔から好きで何十年と書き続けている。理由は色々な場所に書いたが一番の理由は「楽しい」から。
私にとって文章は、音楽と一緒で奏でるものだ。
書こうと思って書いているというよりは、溢れ出てきた思考を書き写しているにすぎないので、その思考が収まるのを私は傍観者のように眺める。キーボードをカタカタと打つ時はまるでピアノを奏でるように、指が躍るのを見つめている。
そのようにしてできた文章だとわかる人がたまにいて、私の文章に対して「流れるような文章」「踊るような言葉」と比喩してくれることがある。
言葉を奏でるという表現はずっと無意識に使ってきていたが。
これこそまさに共感覚を表しているなぁと。共感覚の発信を続けているとそう感じるようになった。
中日本大会で特別賞をくださった前田茉依さんが紹介していて知ったこの2022年秋のthreeのコンセプトは、共感覚。
音を色に変換し、コスメとして表現したものだそうだ。
音を視よ、色を聴け。
このキャッチコピーがとても気に入っていて、なんなら私の活動のキャッチコピーに使わせてほしいくらいだ。感情に色を観る時もそうだが、文章を書く時の自分の感覚にもとても似ている。
私は言葉を音にして、奏でる。
文字を歌う。
奏でた文字から音は聴こえないけれど、聴こえない音色を込めて書いている。この世界は感覚酔いもするが、うまくコントロールすれば五感がきらめく世界であることは間違いない。そして、感覚の全てをくすぐり虜にする。
共感覚をヒントにこうやって製品が生まれるように、創造性を広げるきっかけになることだってあるのだ。この世界を伝えることで誰かの感覚に刺さり創造性を豊かにする、閃きを生むきっかけとなりたい。
「苦悩」だけではなく、共感覚が広く認知されることでそのような発想を生み出すきっかけとなってほしいのが、私の願いのひとつだ。
山口葵
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