20代は、つらかった。【耳で聴く美術館】
8月のはじめ、私は30歳の誕生日を迎えることができました。
歳を重ねることがあまり嬉しくなくなった20代折り返しの時、父は言いました。
「大きな病気も、命を落とすような事故に遭遇することもなく、ここまで生きてくることができたことに、改めて誕生日に幸せを噛みしめるようにしているよ」と。
この言葉をもらってから、私は誕生日にいつも父の言葉を思い出すのです。
父はまじめだけれど、どこかユニークさも持ち合わせていて、休みの日には中学の時の同級生たちと卓球をして、汗を流した後はみん