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サルトル、ボーヴォワール

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記事一覧

ロマネスク教会とボーヴォワール

ロマネスク教会とボーヴォワール

前にも書いたと思いますが、無神論を標榜していたボーヴォワール(サルトルの契約恋愛の相方)はなぜかロマネスク教会を見て回るのが好きだったようで、

・『決算のとき』朝吹三吉、二宮フサ訳 紀伊国屋書店 1973-1974 (Tout compte fait, 1972)

第四部(上)p243:

上巻p234からロマネスクについて旅行記として触れられている。かなり細かく回っている様子。サン・サヴァン

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アニー・エルノーの「シンプルな情熱」とボーヴォワール

アニー・エルノーの「シンプルな情熱」とボーヴォワール

ノーベル文学賞のアニー・エルノーの「シンプルな情熱」をようやく読んだのですこし備忘録。
離婚し、子供も独立した50過ぎの女性の年下男性への不倫の肉体的な熱愛。まずその強度にのけぞる。
 ボーヴォワールの雰囲気によく似ている。ボーヴォワールがサルトルなどを中心とした実話ベースに対してこちらは小説化したものかとおもったら、サルトル、ボーヴォワールの影響下にいることを自ら表明しているそう。また、ピェール

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真理の勇気シリーズについて:ミシェル・フーコーとサルトルの主体のテーマは方法論が違うだけでよく似ているのではー生存の美学

真理の勇気、とはミシェル・フーコーの最晩年の講義録のタイトル。人生への挑戦である。

30年前からフーコーの「性の歴史」1巻から3巻を読んでたけど1巻は意味がとれて面白い。
 2巻・3巻は部分部分はわかるのだけど全体を通しての意味がよくわからない。頭の中で各論の話がまとまらない。結論部分を読んでも全体のまとめになってない。でも部分部分は面白い。気になる。
 そんな時4巻目の「肉の告白」が出てしばら

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レ・マンダラン シモーヌ・ド・ボーヴォワール、(あだ名カストール)の小説を入手。アニー・エルノーの「場所」の終わりくらいに絶妙に引用されていた。
ボーヴォワールは自伝と第二の性はひと通り買い漁ったけど小説ははじめてかも。「人間は理屈で、異性と寝るものじゃない」p120 刺激的!

アラブとイスラエル サルトルのインタビュー

イスラエルとアラブは100年前からの確執である。イスラエル建国と表明されるまではユダヤとアラブは仲良くしていたとNHKのバタフライエフェクトで述べていた。
 その問題に反応していた知識人であるサルトルはどのように捉えていただろうか。日本思想界がサルトルはレヴィ=ストロースとの論争に負けたとディスっているが、2人のインタビューや執筆したもの(✳︎)を読めば決してそんなことはない。それはまた別記事にし

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アラブとイスラエル サルトルのインタビュー2

サルトルのシチュアシオン8巻にはアラブとイスラエルについてのインタビュー2つ収められており、今日は2件目。A. シュヴァルツとのインタビューである。1969年10月25日 pp254

・イスラエルとアラブの紛争においては、まさしくどちらの側にも全面的な真理はなく、どちらの側の立場も完全に理解されうるものなのです。
・それはイスラエルが、現在のところアメリカ在住ユダヤ人の援助を必要としていることで

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アクティビストのサルトル

アクティビストのサルトル

サルトルは哲学者で、レヴィ=ストロースにやり込められてしまった人、という扱いだろうか。
 サルトルの主著の弁証法的理性批判には序説がありデカルトのようなタイトル「方法の問題」(1960年初版、日本版1961年 平井啓之訳 人文書院)
1ページ目から挑発的である。

・哲学とはまず、<興隆期にある>階級が自己についての意識をもつ或る仕方で或る。
・あらゆる哲学は実践的であり、一見最も思弁的とみえる哲

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