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絵の具のようなものかと思った
ある日、唐突に好きな色を見つけた。
自分の持つ色と、混ぜたらきっときれいな色になると思った。
最初は、パレットの両端に。間には色とりどりの絵の具があって、混ざったり、離れたりしていて、自分は自分の色のまま、向こう端まで、あのきれいな色のあるところまで、いけるのかしらと不安になったりもした。
すこしずつだけど、近づいて、できる限り他の色に染まらないまま、ふたつの色が近づいて、季節も変わって世界
どうでもよくないどうでもよいこと
私にとって、女性が髪を切ったとか洋服を新しく買ったとか、どうでもよいのである。でも多くの女性にとってそうではないらしい。
私にとって、多少部屋が汚いとか、ご飯がいつもレンチンだとか、どうでもよいのである。だって私は家事をやってもらってる側なんだから。
私にとって、年越しにそばが出てこなくて残り物のカレーが食卓に上がっていたって、そんなことはどうでもよいのである。それはあなたが作ってくれたものな
世界の時間がゆっくり感じられたなら、きっと今、あなたは満たされてる。
娘と母のとある日曜日
何人かのスーツを着た男女。互いに何度か会釈をし、それぞれ別々の方向へ歩き始める。
片方は、三人のグループだった。初老の男性と、青年。そして青年の母親と思われる女性の三人である。もう片方は女性がふたり。こちらは若い女性とその母親だった。
ふたつのグループは正反対の方向へと歩いていく。自然と、すぐにある程度の距離ができた。きっと今振り返ったとしても、相手の表情を見て取ることはできまい。既に、それなり