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東京都内在住の50歳サラリーマン。北海道から沖縄まで、そして海外のBar巡りを30年間…

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東京都内在住の50歳サラリーマン。北海道から沖縄まで、そして海外のBar巡りを30年間、数千軒のBarを訪れました。「孤高のバーホッパー」「日本一マティーニを飲んだ男」とも呼ばれています。心に残るBarの思い出を記していきたいと思います。

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[人生にはBarが必要だ] 第5回 北海道新千歳空港 The Earth rook&tarry

北の玄関口、北海道新千歳空港。日本屈指の規模を誇るこのエアポートに、いつも立ち寄るBarがある。ターミナルビル3F市電通り食堂街内にあるバー「The Earth rook&tarry」。 通称:ジアスの本店はオホーツク海に面した北海道東部の網走市にあり、ここ数年の間に全国の空港Barや立ち飲みが増加してきているが、その先駆者的なお店の一つ。バーカウンターがフロアに対してオープンになっているので、空港を利用し行き交うお客様達を眺めながらお酒を飲めるのも特徴である。 学生時代

    • [人生にはBarが必要だ] 第15回 松山 Barゆめまぼろし

      今日は四国愛媛県の中心都市であり、道後温泉・夏目漱石でも有名な松山市へ出張。仕事を終えて、松山の歓楽街の一角である一番町でまずは腹ごしらえ。 いつもお伺いしている大平寿司本店の暖簾をくぐると、ストレートに伸びるロングカウンターはすでにお客さんで満席。事前予約を入れていたので辛うじて座ることが出来たが、ぜひ予約をお勧めする人気店だ。 愛媛の名物である新鮮で厚切りの鯛など至極の握り寿司だけではなく、天ぷらや鰻などメニューも豊富で、しかもどの料理も実に美味しく、お酒もついつい進

      • [人生にはBarが必要だ] 第14回 熊本 BAR STATES

        ここ最近は九州出張が多い。その中でも熊本が最も多く、早朝6:30羽田空港発に搭乗する。8:30には阿蘇熊本空港に到着し、丸1日仕事をした後は、熊本の繁華街である「下通」に面する花畑町のリーズナブルで美味しい寿司店「寿司処 稲穂」で、いつもご当地名物のコノシロの握りをつまんだ後、お決まりの熊本Bar巡りへと突入というパターンが多い。 さて、どこのBarから攻めようかなと思案しながらも、足の方は無意識に1軒のBarへと向かっていた。1984年3月にオープンし、今年3月には開店4

        • [人生にはBarが必要だ] 第13回 熊本天草 BARミラルダ

          今日は熊本県西部にある離島、天草への出張。 天草四郎、そして隠れキリシタンで有名な風光明媚な地であり、豊かな漁場となっている。その天草の海の幸を味わいに地元の人気寿司店「鮓たいと」さんへ。暖簾をくぐり、カウンター5席の中央に着座すると、店主の永野さんが笑顔で迎えてくれる。 熊本天草と言えばコハダ・コノシロ、アラ(クエ)、牡蠣など酒のアテには最高なラインナップばかりで、もちろん永野さんのトークも肴となり、ついついお酒が進んでしまう素晴らしい寿司店である。 「鮓たいと」さん

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        [人生にはBarが必要だ] 第5回 北海道新千歳空港 The Earth rook&tarry

          [人生にはBarが必要だ] 第12回 北海道夕張 バロン

          今年もクリスマスがやってきた。 今回は、残念ながら閉店した想い出の深い1店をご紹介したい。 2010年クリスマスの北海道夕張市本町 梅ヶ枝通り。2007年3月6日に残念ながら財政再建団体へと転落した夕張市の歓楽街は人通りも無く、灯りの消えた飲食店が建ち並び、夕闇はとても物悲しい空気に包まれているが、昭和炭鉱最盛期には「不夜城」とまで言われ、日が昇るまでどのお店でも呑めや唄えやの大騒ぎだったそうである。 そんな古き良きの情景を思い描きながら一軒のジャズバーへ向かう。昭和49

          [人生にはBarが必要だ] 第12回 北海道夕張 バロン

          [人生にはBarが必要だ] 第11回 大阪北新地 BAR PREMIER

          今宵は大阪北新地。大好きな「鮨処 多田」で握りをつまんだ後、どこのBarへ行こうかなと数軒のお店が頭をよぎる。ちなみに多田さんも大のBar好きな方で、札幌のBar巡りをご一緒したことがある。 久しぶりに向かったのは新地本通りにある「BAR PREMIER」。2003年11月にオープンしたこのお店もコロナ禍を乗り越え、早20周年を迎えた。静かにバー扉を開けると「ふるさん、ごっつ久しぶりやん!」と大阪弁で優しく迎えてくれたのは、オーナーバーテンダー 山本 智恵美 女史。 山本

          [人生にはBarが必要だ] 第11回 大阪北新地 BAR PREMIER

          [人生にはBarが必要だ] 第10回 東京湯島 Barうなばら

          東京湯島へ。学問の神様、菅原道真公の御偉徳を慕い、文道の大祖と崇め奉祀し、学問の神社とも言われる美しき湯島天神(正式には湯島天満宮)を構える江戸人情溢れる街である。 湯島のBarと言えば「EST!」や「琥珀」など老舗のBarが軒を並べ、全国各地からBar好きなお客様がお酒を楽しみに来湯なさっているが、それらのお店とは一味違ったベテランの湯島っ子たちの集まるお店がある。 店内天井には無数のボトルラベルが貼られ、カラオケが置いてあるなんて所もいかにも下町湯島のバーらしい佇まい

          [人生にはBarが必要だ] 第10回 東京湯島 Barうなばら

          [人生にはBarが必要だ] 第9回 東京銀座 居酒屋あるぷ

          今宵は私のホームグランドである銀座の「山小屋」へ久しぶりに一杯ヤリに行く。金春湯のすぐ近く、よく注意しないと通り過ぎてしまいそうな銀座八丁目の路地奥に昔と変わらない大きな「あ」「る」「ぷ」の3文字が光っている。1976年創業の老舗Bar 居酒屋あるぷ。 居酒屋の文字を冠してはいるが、もちろん歴とした西洋式酒場であり、このお店の年輪を深く刻むバードアを開けると、8席ほどあるカウンターの中に立つオーナー、筒井 喜和子ママが「あら、おひさしぶりね」と笑顔で声をかけてくれた。 私

          [人生にはBarが必要だ] 第9回 東京銀座 居酒屋あるぷ

          [人生にはBarが必要だ] 第8回 名古屋伏見 AUTHENTIC BAR Kreis

          名古屋のグルメといえばいつも賛否両論だ。 いつもJR名古屋駅の住よしのきしめんから始まり、ひつまぶしと言えば あつた蓬莱軒、ヨコイやチャオに代表されるあんかけスパゲティ、台湾には無い台湾ラーメンの巨匠 味仙、山本屋両頭がしのぎを削る味噌煮込みうどん、コンパルのエビフライサンドか堪らない喫茶モーニング文化、一宮発祥のイケ麺 ベトコンラーメン、名古屋コーチンを広めた山ちゃん・風来坊の手羽先、極めつけは甘口抹茶小倉スパで失神寸前の喫茶マウンテン、もう数えきれないくらいの独自食文化を

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          [人生にはBarが必要だ] 第7回 大阪ミナミ Barマスダ

          現在私は東京在住だが、今年4月まで約7年半に渡って関西に在住し、大阪、京都、神戸のいわゆる「BAR三都物語」と勝手に銘打って、多くのオーセンティックBarへと足を運んだ。また、奈良や和歌山、三重のBarにも魅力溢れるBarが多く、関東とは雰囲気が異なる近畿地方のBar文化にもどっぷりと浸かってきた。 そんな関西をはじめ、ようやく国内各地のコロナ禍が明け、最も混みあうようになったBarエリアはどこですか?と尋ねられると、私は真っ先に「大阪ミナミ」エリアと答えている。 東アジ

          [人生にはBarが必要だ] 第7回 大阪ミナミ Barマスダ

          [人生にはBarが必要だ]第6回 京都 祇園サンボア

          冬の京都。JR京都駅を降りるといわゆる「底冷え」する厳しい寒さが身に染みる。京都タワーを見上げつつ、タクシー乗り場の列にならび、乗車して祇園の南側をお願いする。 京都祇園は古くから花街として栄え、今でも舞妓さんや芸妓さんの姿を見る機会も多く、特に南側は実に風情ある古き街並みが印象的で、これぞ京都だという方も多いことだろう。 とはいえ、私はお座敷遊びの出来るお茶屋さんに来たわけではない。この南側にある老舗Barの暖簾をくぐるためにわざわざ来たのだ。祇園サンボア。 暖簾をく

          [人生にはBarが必要だ]第6回 京都 祇園サンボア

          [人生にはBarが必要だ] 第4回 沖縄那覇 Bar 和香

          空港を降りると「めんそ~れ」の看板が迎えてくれる沖縄の県都、那覇へ出張。北国:北海道生まれの私にとっては、いくつになっても憧れの南国である。それにしても実に多彩な独自の食文化を持つ沖縄地方。   豚のスペアリブをトッピングしたソーキそば、米・豚肉・ひじき、人参などを豚出汁で炊き込んだジューシー、素麺を様々な具材とともに油炒めしたそうめんチャンプルー、落花生を使用したジーマーミ豆腐、そしてここ数年ではアグー豚+島やさいのしゃぶしゃぶも人気メニューになっており、その料理たちの奥深

          [人生にはBarが必要だ] 第4回 沖縄那覇 Bar 和香

          [人生にはBarが必要だ] 第3回 佐賀 BAR Cask

          今年に入って、九州佐賀市へ出張することが多い。2024年には従来の「国体」が名称変更し、「国スポ」と生まれかわって第1回目の開催地が佐賀となっており、にわかに盛り上がりを見せている。 一方、私といえばやはり出張の楽しみは佐賀グルメ。一番好きなのは呼子名物の活イカ。透き通った活造りは一口食べると甘みが口いっぱいに広がり、思わず唸ってしまう美味しさである。活造りを食べた後にミミやゲソを天ぷら・塩焼き・刺身の内、好きな料理にしてくれるのも佐賀ならではのサービス。ちなみに私は天ぷら

          [人生にはBarが必要だ] 第3回 佐賀 BAR Cask

          [人生にはBarが必要だ] 第2回 青森八戸 Bar Rose Garden

          青森県東部、太平洋を望む青森南部の街、八戸市。 私の八戸出張の楽しみといえば、八戸港に水揚げされる「八戸前沖サバ」を食べること。 いよいよ寒くなってきた12月はまさに旬であり、よくお伺いする本八戸の人気サバ料理専門店「サバの駅」で頂く「八戸前沖 銀さばトロ漬け丼」は、通常のサバとは別次元の旨さ。脂のうま味を最大限引き出す醤油ダレに漬け込まれた一切れ一切れのサバ身が、サバ独特の臭みなど一切なく、むしろ上品ささえ感じる旨さぎっしりな丼となっている。 サバの駅で青森八戸の味覚に

          [人生にはBarが必要だ] 第2回 青森八戸 Bar Rose Garden

          [人生にはBarが必要だ] 第1回 30年間のBar巡りを振り返る

          私はBar巡りを始めて約30年を迎え、北海道から沖縄、そして海外を含め数千軒のBarへ足を運び、数多くのバーテンダーの笑顔と出会ってきた。もはやBar巡りは私のライフワークとなっており、嬉しい時、楽しい時、悲しい時、つらい時、いつもそこには止まり木があった。 そんな私にお酒を教えてくれた父が今年11月に80歳で他界した。父は商社マンで、お酒が好きだったが自宅で晩酌することはまず無かったのを覚えている。札幌市すすきので飲むことが多かった父が好きだった洋酒はウイスキー。日本で最

          [人生にはBarが必要だ] 第1回 30年間のBar巡りを振り返る