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「家康の本、どうする」な方へオススメの2冊

始まりました。

私は見ていないのですが、↑によると第1回のタイトルが「どうする桶狭間」。重要な分岐点がいきなりやってきました。

「番組紹介」の「物語」をクリックすると、今川家の人質になるはずが織田家に強奪されたというエピソードが出てきます。本編でこの辺りの幼少期がどれぐらい描かれたのか気になりました。「独眼竜政宗」時代の大河ドラマなら、何話かを費やして深く掘り下げたはず。視聴率に追いかけられるご時世では、なかなか難しいかもしれません。

家康はこのとき、義理の祖父から1000貫文で売られたようです。そして数年後、今川家が戦で織田信広(信長の庶兄)を捕らえた際、人質交換の形で今川家に送られたとのこと。まだ10歳にも満たない頃の話です。戦国時代とはいえ、なんとも過酷な。。。

参考文献は発売されたばかりの↓です。

お金の話に限らず、家康の生涯が詳しく紹介されています。三方ヶ原で武田信玄に大敗を喫した背景、逆に関ヶ原では不利な陣形にもかかわらず数時間で勝てた理由、石田三成を叩かなければならなかった事情、さらには江戸の街を「タックスヘイブンのエコ都市」としてゼロから整備していくエピソードなど。家康ファンならずとも興味を惹かれる一冊です。

ちなみに私は信長派。家康関連の本はあまり読んでいません。でも数年前に手に取り、印象に残っている小説があります。

大河ドラマの家康と同様、どこか頼りない主君として描かれていた記憶があります。そんな彼に毒を吐きつつ、献身的に尽くす側近たちがいい味を出していました。タイトルからわかる通り、「本能寺の変」の発生後に明智光秀の追手から逃れるべく堺を離れ、伊賀を越えて伊勢湾に出るくだりが見どころです。

もうひとつの見どころは、作中の家康が「凡庸」とされている点。しかも、それを自覚していたことが得難い強みになっている。もし血腥い乱世を終わらせ、平和な江戸時代260年の礎を築いた英雄の実態が本書に出てくるような凡人だったらどうでしょう? ちょっと勇気が湧いてきませんか? 

流れに身を任せ、長いものに巻かれ、逆境や不条理をじっと耐え忍ぶ。でも状況が変わったと見るや迅速に行動し、険しい峠を乗り越え、チャンスを貪欲に掴み取る。こういう家康の粘り強い生き様は、まだ何者でもない私のような人間にとっては信長や秀吉よりも現実的な「お手本」に近い気がしました。今回のドラマ化を機に、いろいろ調べてみようと思った次第です。

「家康に興味あるけど、何を読んだらいいかわからない」という方へオススメさせていただきました。ぜひ。

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