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6道徳基盤理論-道徳とは何か?ジョナサン・ハイト「社会はなぜ左と右にわかれるのか」

6道徳基盤理論-道徳とは何か?ジョナサン・ハイト「社会はなぜ左と右にわかれるのか」

今回も前回に引き続き、本書をとりあげる。

今回は、第二原理「道徳は危害と公正だけではない」だね。

WEIRDって言葉を説明しよう。英単語的には、奇妙な、という意味なんだが。

どういう意味?

欧米の(ウェスタン)啓蒙された(エデュケイテッド)産業化され(インダストリアル)裕福で(リッチ)民主主義的な(デモクラティック)な人々のことだよ。

ふーん、頭文字をとったら、確かにWIREDになるね。

WIREDな人は、道徳を危害と公正だけで考える傾向がある。でも、ハイトは、道徳基盤には6つあるという、6道徳基盤理論を唱えるんだ。

6つって何?

自由/抑圧、ケア/危害、公正/欺瞞、忠誠/背信、権威/転覆、神聖/堕落、の6つの基盤だよ。

自由、ケア、公正、忠誠、権威、神聖の6つが道徳の基盤をなすんだね。

公正だけ、わかりにくそうだから、説明しておく。わかりやすく言えば、「双方向の協力関係の恩恵を得る」(本書より)、みたいなものだよ。

要するに、恋人同士で恋愛し、相手に対して貞節を守る、みたいなことだね。

そうなんだ。あと、比例配分も重要な内容の一つだ。

まあ、自由、ケア、公正、忠誠、権威、神聖が、道徳基盤だということがわかったよ。

で、左派の、リベラリストは、ケアを一番重視する。次に、自由、公正の順番で重視する。ようするに、性的その他のマイノリティを、ケアすると言えば、わかりやすいかな。

忠誠、権威、神聖は?

忠誠はむしろ、差別を生むし、権威はむしろ、抑圧を生むし、神聖は、女性蔑視とかにつながる、ネガティブなものとして、認識されるんだ。

右派の共和党の支持層である、リバタリアン、社会保守主義者(主に宗教右派)は?

リバタリアンは、自由を一番重視する。次に公正を重視する。社会保守主義者は、まあ、わかりやすく言えば、6つ全部重視する、みたいな感じ?

どの道徳基盤を重視しているのかが、わかったよ。

社会保守主義者は、全部の道徳基盤を重視するから、リベラリストを理解しやすい。しかし、リベラリストは、3つしか考慮しないから、右派を理解しにくいというわけさ。

ポリドルフィンさんは、どうなの?

ボクは、リベラル保守だから、たぶん、6つ全部重視、なんだろうね。あってるかどうか、わからんけど。

なら、他の立場の人のことも、理解しやすいね。

ボクの知り合いが、小林よしのり「戦争論」みたいに、戦前を良く言うのは、よくないという、自虐史観に立つサヨクなんだ。そして、彼にとっては、忠誠・権威・神聖なんて、とんでもないし、戦前は、自由もケアも公正もなかった、暗黒の時代として、捉えられてるんだろうな、と、やっと理解できたよ。

そうやって、みんながわかりあえたら、いいのにね。

とにかく、立場の違う人を、一刀両断に、わけのわからない敵、だとみなさないで、彼が、どの道徳基盤を重視しているのか、考えてみることが大事だ。

それが、左右の対立を超えることにも、つながるんだろうね。6つの道徳基盤、自由・ケア・公正・忠誠・権威・神聖を、全部覚えて、相互理解に努めなきゃね、

そうだね。あと、とにかく、この本は、学際的なんだ。たとえば、心理学・政治学・哲学・進化論など。おっと、社会学も考慮してるんだった。昨日は挙げそこなったけれどもね。

だから、全ての「タメになること」を、このブログで書ききるのは、ムリだよね。

だから、ぜひ、アナタも、この本を、手にとってはいかが?世界の見方が変わるよ。高い本だけのことはあるよ!

⬆️リンクを使わないと、メンドクサイ検索をすることに。ご活用ください。

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