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果たして男性同士の必然性はあるのか、なぜポーランドでなくアイルランドなのか、暗中模索、…

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果たして男性同士の必然性はあるのか、なぜポーランドでなくアイルランドなのか、暗中模索、右往左往しながら書いています。

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  • アンジー。はな。

    誰かに会いたいって気持ちってなんだろう、というところから始まったお話です。

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思い出というか。

アイルランドは昔見た映画の風景が美しかったこと。風と共に去りぬ、の続編で文化と歴史に触れたこと。ぐらいの思いしかないのですが、この度アイルランド語の勉強をはじめました。 それにしても、民族を特定しない名前というのは難しい。Luanだけはアイルランド語で月曜という意味ですが。 とにかく、最後のピースをぱちんとはめるまでは頑張ろうと思います。 拙い文章にスキをいただきましてまことにありがとうございます💜

    • アンジー。triocha a sé

      まったくもう、ルーってば変わったようで変わってなくて、そこに安心したりして。 ルー、疲れてるんじゃないの。とりあえずアップルパイ食べながらテレビでも見てなよ。後片付けは僕がサーランを探してきて二人でやるから。 残りのアップルパイを渡してリビングのソファーに座らせた。 サーランはどこに行ったかわかる? んー、たぶんね、セジュの部屋の近くの石垣のとこ。古い家具とか置いてあるの。 わかった。行ってみる。まーゆっくりしてて。 遠くまでなだらかに続いている牧草地の上に大きな月が出ていた

      • アンジー。tríocha a cúig

        イーニエもよく喋ったが負けないくらいルーはよく歌っていた。僕の泊まる部屋に案内してくれた時はステップまで踏んでた。 ねえ、セジュ、夕ごはん、僕たちのところで一緒に食べない?今日のお客様はセジュだけなんだ。正直に言うと、そうしてもらえると僕の手間がはぶけるの。 最初に通された部屋から家族エリアに入った。 小さなキッチンとリビング、それと広くはない寝室。寝室にはベッドが二つ並んでいた。 ここも改築したかったんだけど予算が尽きちゃって。頑張って稼がなきゃ。イーニエの部屋がないもんね

        • ただ今日の海。

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        思い出というか。

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        • アンジー。はな。
          2本

        記事

          アンジー。tríocha a ceathair

          イーニエが戻ってくるまでずっと、ルーは僕の手を取って話を聞いてくれた。時折、鳥の声が聞こえるだけだった。 ただいまー。お腹へったー。たぶん、スナップも。 そのスナップとやらは定位置とでも言うように僕の足元に走りきて座りこみぱたぱたと尻尾を振っている。 ひ、人懐こい犬だね。 セジュのこと覚えてたんだ。ね。 え? 前はころころのおちびちゃんだったの。覚えてる? あー! おっきくなったしわかんないよね。すっかり僕みたいなおじさんになりました。 そう言って笑うルーは全然おじさんじゃな

          アンジー。tríocha a ceathair

          アンジー。tríocha a trí

          ふう、びっくりしたー。セジュがお客様として来るなんて。 僕だってびっくりしたよ。前にここにいた女の人はどうしたの?ずいぶん雰囲気が変わったよね。ショーンと三人で食事に来た時は、もっとレトロな感じだった。 彼女は腰を傷めちゃって調子がいい時は様子を見に来てくれるの。僕がここ買い取ったんだよ。すごーいローンが残ってるんだから。 子供っぽい話し方はあい変わらずで誇らしげな笑顔が、かわいい。 セジュは覚えている?アンジーの通訳の女の人。僕ね、ほんとは彼女と結婚するつもりであの国に帰っ

          アンジー。tríocha a trí

          アンジー。tríocha a dó

          見学者用の送迎バスに乗り込んだ。 ルアンと来たことがある競走馬育成の牧場。二人で二時間かけて歩いてきた思い出がよみがえってくる。景色はほとんど変わっていない。 急に動いた馬にびっくりして僕の腕にしがみついてきたルー。その時のルーの髪の匂いが鼻先をかすめたような気がした。 同じバスで来た人たちは次の観光地に行くようだ。僕は手をあげて軽く挨拶をしてから牧場近くのペンションに向かった。 庭にあるバラのアーチには見覚えがあるけど全体のイメージが違って見える。 勢いよく入口のドアが開い

          アンジー。tríocha a dó

          アンジー。tríocha a haon

          アイルランドのでのことは今となってはすべてただの思い出になってしまった。 ビーノは正式にルアン・オレアリーとしてダニエルの養子になってアイルランドに根を下ろした形だ。 僕は兵役を終え結婚もして、今、双子の娘たちが犬と遊んでるのをビールを飲みながら眺めている。この僕が犬を飼うなんて、もしかして離婚も犬のせいかも。ま、もうなんだっていいんだけど。 ルアンと約束したんだ。約束を守ってもルアンに会えるわけでもないのに僕はよくやった。 ただ、夜中に目覚めた時、この暗闇がいつまでも続くか

          アンジー。tríocha a haon

          アンジー。tríocha

          にーちゃんは何考えてんのかなあ、 ショーンはそう言うとため息をついた。母さんはさ、事故の時に、目を覚ますまではにーちゃんから離れないって言ってからずーっとにーちゃんにべったりなんだけど、その気持ちはまあ、わかる。でも、にーちゃんはどうなのよ。俺たちといて幸せのなの?ここにきて喜んでるの、どうなのよ。 え、えーっと。そんなこと僕に聞かれてもさ。 アンジー、いやビーノは、家族のこと大好きなんだと僕には思えたけど。お父さんのこともいい人だって言ってたし、おみやげを何にしようか楽しそ

          アンジー。tríocha

          アンジー。fiche a naoi

          朝ごはんの席にビーノがいなくても誰も気にしてない。 テーブルに出てるものでショーンは手慣れた様子でサンドイッチを作っている。 ビーノは? あー、ま、昼にでも腹が減ったら戻って来るんじゃないかな。あんまり気にしなくていいよ。 いつものこと? まあね。部屋に引きこもってるよりいいし。今日はまあ、俺に付き合ってよ。 ショーンから渡されたサンドイッチの包みを持って外に出た。風は冷たいけどよく晴れていて気持ちがいい。外で過ごすのもいいかもしれない。 群れの形を変えるようにゆっくりと動い

          アンジー。fiche a naoi

          アンジー。fiche a hocht

          ビーノは、夕飯が終るとはやばやと自分の部屋に引き上げてしまった。 薄暗くなり始めた頃疲れきった様子で子犬と一緒に帰ってきて母親に叱られていた様子や、昼の分も食べるように言われて大きなソーセージと格闘していた様子を、僕は覚めたような少し意地悪な視線で見るようにしていた。 再会して以来テンションの高いビーノに流されていたというか僕の気持ちも舞い上がり気味だったような気がするし、だって、落ち着いて考えなきゃ、だよ。 ビーノが部屋に引きあげた後、ショーンに誘われてテレビを見ながらお酒

          アンジー。fiche a hocht

          アンジー。fiche a seacht

          ダニエルがテーブルについて昼食を食べている姿はショーンによく似ていた。傾いた肩や、脚を広げて座っている感じとか。後ろ姿だと見分けがつかないかも。 ローラは近所の牧場に手伝いに行ってるとかで今日は夕方まで帰らないそうだ。 そういえば、私の羊アレルギーの息子はどうしたのかしら。 そんなアレルギーがあったのか。 ふふふ。違うわよ。そんなことにしておきましょうって話よ、はなし。 畑にはいなかったな。 あらそう、ショーンに昼ご飯を持って行って欲しかったのに、どこに行ったのかしら。 僕が

          アンジー。fiche a seacht

          アンジー。fiche a sé

          まずは紅茶を入れないとね。 そう言ってから彼女はパイ作りの手順を説明し始めた。 このパイは本当はクリスマスに食べるのよ。日持ちがするから前もって作って準備しておくの。それなのにあのこは作るそばから食べてしまうからたくさん作らないと。まず型に合わせて生地を切って。あらあなたすごく器用ね。手慣れてるわ。普段からお料理はするの? え?料理は全然しないです。たまにラーメン作るぐらいですかね。 ラーメン。なんだか懐かしいわ。向こうにいた時はよく食べたの。 あの、向こうにはどのくらいいら

          アンジー。fiche a sé

          警告どおり、計画どおり。

          青写真どおりにならなかったの? 一人で呑んでたらさ、あちらのお客様からです、のあちらのお客様が首を傾げて微笑んでいるんですけど。 なんで? 久しぶり。元気にしてた? ああ、どうして僕の胸は彼の笑顔を見るだけでこんなに苦しいんだ。 元気だよ。奥さんは出てっちゃったけど。 あれま。うまくいってるんだと思ってたよ。 僕も昨日まではそう思ってたよ。 で、浴びるように呑んでるんだ。 他にすることもないしね。 で、わざわざ笑いに来たの? まさか、昨日の夜戻って来たんだ。奥さんのことは今初

          警告どおり、計画どおり。

          アンジー。fiche a cúig

          目が覚めるとずいぶん明るくなっていた。ビーノはいない。 洗濯物を持って部屋を出た。 キッチンに行くと母親のアンジーがテーブルの上でなにかをこねている。彼女の鼻歌。昨日、ビーノがずっと歌ってた曲だ。 おはようございます。 あら、おはよう。よく眠れたかしら。 あ、はい。ありがとうございます。 洗濯をするのしないの、のやりとりをしながら母さんのことを考えた。いつもキッチンで音楽を聞きながら料理してるんだ。もし僕がビーノを連れて帰ったら、母さんはビーノをやさしく迎え入れてくれるだろう

          アンジー。fiche a cúig

          アンジー。fiche a ceathair

          ん? 気がつくとビーノが僕のすぐ横に座っていた。 セジュ。ちゃんと寝よ? あ、ああ、うん。ごめん。寝てたね。 ぴこんって。 ビーノが僕の手元を見た。 あ、うん、母さんから。まとまった休みが取れたのに母さんとの予定入れなかったから、お小言が次々と来るんだ。 帰らなくてもいいの? うん。ビーノに会ったばかりだし、まだ話したいと思ってたことなんにも話してないしね。 僕と? そうだよ。 僕がもうアンジーじゃなくても? うん。アンジーがアイルランドに帰っちゃったって聞いてから、アンジー

          アンジー。fiche a ceathair