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“おじろく・おばさ”について長野県民が論文を読みつつ考えてみた 

悪しき因習としてネット上で有名な“おじろく・おばさ”について、長野県民が実際に論文を取り寄せて調べてみました。 この記事は最後まで無料で読めます。 なぜ調べようとしたのか、その動機や、長野県の地理的特色などをまとめたものが、前回の記事となります。 1. “おじろく・おばさ”は誇張されているのではないか?1.1. 調べることになった発端 ネットロア(インターネットの都市伝説)やオカルト系サイトで有名な「おじろく・おばさ」ですが、それについてのしっかりとした論文があるとい

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    • ゴジラ×コングを観て

      ※このnoteには『ゴジラ×コング』のネタバレが含まれます 『ゴジラ×コング』観てきたので感想を主に怪獣周りを中心にざっくりと。 怪獣たちスカーキング メチャクチャ強い!...という訳ではなく、とにかく悪い、凶悪な感じ(そして若干小物感が)。造形が猿型の為、人間の悪いところを煮詰めたような感じが仕草や表情ですぐ分かり、「あ、こいつ絶対分かり合えないわ」と思いましたね。道具を使って後述の新怪獣シーモを従えているのも“人類のダークサイド”を感じさせます。 コング 前回か

      • 『空想科学読本』の思い出〜FLASH黄金時代と合わせて〜

        x(旧:Twitter)にて『空想科学読本』が話題になっていた為、個人的にこの本の思い出をまとめてみました。 『空想科学読本』を読んだのは私が中学生の頃、2002年〜2003年頃だったと思います。初版が出たのが1996年ですから、出版されてから少し遅れて読んだことになります。 アニメや特撮で描かれるさまざまなキャラクターや世界観、ガジェットの設定を科学的に検証し、実際はどのようになるのか(ゴジラは自重で潰れてしまうなど)、また現実の科学で実現するにはどうすればよいのかを検

        • 保守からみたフェミニズムの問題点〜『フェミニズムの害毒』を読んで〜

          林道義著「フェミニズムの害毒」ですが、今(令和6年)から20年以上前に書かれた本です。しかし、全く古い感じがせずに、現在にも通じるフェミニズムに対する問題提起をしていると感じたので、紹介したいと思います。 この記事は全文無料で読めます。 著者の林道義氏について著者である林道義氏は経済学者・心理学研究者(ユング心理学)です。大学在学中は学生運動に参加するなど左派的な考えを持っていましたが、その後、保守的な考えに変わったそうです。『フェミニズムの害毒』も保守側の観点から書かれ

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          自分が経験してきた「戦いの技術」の分類 

          「格闘技」、「武道」、「武術」、「戦闘技術」、これらはネット上でも、一般的な会話の中でも、混同されて「戦う技術」として語られることが多いと感じます。 この記事では、その全てを(一応)経験した私が、自分なりに、上で挙げた四つの違いや共通点をまとめていきたいと思います。 専門家から見れば異論があると思いますが、あくまで、自分の経験則からの記述ですので、ご了承下さい。 はじめにウィキペディアでの分類 「格闘技」、「武道」、「武術」、「戦闘技術」は、どのように分類されているか

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          「おじろく・おばさ」について長野県民が考えてみた 〜その0〜

          「おじろく・おばさ」について、長野県民がいろいろ考えてみました。この記事では、なぜ私が「おじろく・おばさ」について調べようと思ったか、それについての背景がメインです。「おじろく・おばさ」の論文についての見解は次回になります。 ネット上に流布する長野県に存在した忌まわしい因習皆さんは、『おじろく・おばさ』についてご存知でしょうか? ネットで調べると、すぐ出てくると思いますが、昔の日本において実在した忌まわしい風習として、オカルト界隈では有名になっています。 簡単に説明する

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          『ブッダという男』を読んで

          出版妨害などの様々なゴタゴタがあったことが、話題になった、『ブッダという男』を読み終えた為、要点整理と感想文を書こうと思います。 現代の価値観を用いてブッダを“善人”とする危険性著者は、仏教の開祖であるブッダが現代的な価値観(戦争反対、階級の否定、男女平等など)を持つ人物であったとする説に否定的です。 そもそも、古代や中世の仏教徒は仏典(仏教に関する本)を批判的に読む、という意識が希薄でした。仏典は暗唱されるものであり、書かれている文章の意味の取り方も厳格に規定されており

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          〜「マン•ボックス」をどう考えるか?〜『男子という闇』を読んで 

          はじめに さて、突然ですが、タイトルの「マン•ボックス」とはなんでしょうか? 要は、一般的に言われる「男らしさ」になりますね。そしてこのワードは大抵ネガティブな意味合いで使用されます。具体的にはリベラリズム•男女平等•フェミニズムといった、一般的に“善い”とされる価値観と対立するものとされています。 さらに、"男らしさ"にこだわる男性はメンタルヘルスの問題を抱えやすい、という調査もあるようです。 …ほんとうに、「マン•ボックス」は悪いものなのでしょうか?無くさなければ

          〜「マン•ボックス」をどう考えるか?〜『男子という闇』を読んで 

          『銃器使用マニュアル』から読み解く“銃の現実” その2

          今回は、銃撃戦の現実と、銃で撃たれると人間はどうなるのかを書いていきたいと思います。 【キーワード解説】 銃創 銃火器から発射された銃弾による損傷のこと。 空洞現象 弾丸が人体に与えるダメージを、銃創学では『空洞現象』と言います。空洞現象には、『瞬間空洞』と『永久空洞』の二種類があります。 弾丸が体内を高速で通過する際に、周辺の組織を外側に押し広げて行く1/1000秒の間に起こるのが瞬間空洞です。この空洞は、弾丸の直径よりもはるかに大きいものとなり、波動は徐々に収束しな

          『銃器使用マニュアル』から読み解く“銃の現実” その2

          『銃器使用マニュアル』から読み解く“銃の現実” その1

          初めに 日本国内では「銃器」は法規制も厳しく、一般人にとっては縁遠いものではあります。大多数の日本人が銃器について知るのは、主にフィクションを介してになるかと思います。 近年、日本国内においても銃を使った重大事件(安倍元首相を自作銃で暗殺した事件や猟銃での警察官殺害など)が起きています。日本の一般人もこれからは銃と無縁ではいられなくなるのかな、と思う次第です。 私個人としても、下記に紹介する本を購入して、銃器に対する知識をアップデートしたいと思いました。この記事は備忘録

          『銃器使用マニュアル』から読み解く“銃の現実” その1

          野菜嫌いの絶対神 〜私と一神教との思い出〜

          最近、X(旧ツイッター)のタイムラインにて、宗教についての議論が交わされていました。私個人としては、積極的に話題に参加はしていなかったのですが、それを眺めている際に、ふと少年時代のことを思い出したため、エッセイとしてまとめることにしました。   私は子供の頃、聖書を読んでいました。深く読み込むことはしませんでしたが、少なくとも同年代の友達より、聖書には触れていたと思います。 その理由として、私の母の友達に、「エホバの証人」の信者がいたことが挙げられます。母は友達とお茶会な

          野菜嫌いの絶対神 〜私と一神教との思い出〜

          少年への性的虐待とその影響〜性的虐待を受けた少年たち ボーイズクリニックの治療記録読んで〜

          少年への性的虐待は、少女のそれと比べて話題にならず、また問題にもされにくいものです(ジャニーズの件はそれを一変させるのかもしれませんが)。 今回は、少年への性的虐待の実態と少年への影響について、そのことが詳しく書かれた本から要約して紹介したいと思います。 本の名前は『性的虐待を受けた少年たち ボーイズ・クリニックの治療記録』です。スウェーデンから出版された本です。 著者の2人は心理療法士であり、スウェーデンの男性や少年の性的被害者を対象とするボーイズ・クリニックに所属し

          少年への性的虐待とその影響〜性的虐待を受けた少年たち ボーイズクリニックの治療記録読んで〜

          ゴジラ-1.0を見て

          山崎貴脚本・監督によるゴジラ-1.0を見てきました。感想を思いつくままに書いていこうと思います。ネタバレ注意です。 ちなみに筆者はゴジラファンであり、VSシリーズ直撃世代です。 まず、人間ドラマをざっくりと 主人公がマイナスからゼロを経てプラスになる物語。 過去を清算し、新しい一歩を踏み出す物語でした。その主人公の再生物語の軸に辻褄を合わせようとして、要所要所で少し強引な部分、例えばヒロインが異能生存体じみていたり、差し迫っているあの状況で、あの整備士に主人公がそこまでこ

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          【備忘録】〜小さな嘘と大きな嘘〜どちらにも騙されないために

          霊感商法、フェイクニュース、詐欺そして陰謀論…様々な嘘が跋扈するこの社会で騙されないための備忘録。「小さな嘘」と「大きな嘘」に分けてあります。 小さな嘘(詐欺、イカサマ) 参考文献↓ 「催眠奇術師」として、十数年にわたって催眠やマジックを披露してきた筆者がお金や財産、人間関係、心などを脅かす心理テクニックのカラクリを公開。悪質なテクニックから身を守る方法が書いてあります。 この世の全ては催眠術である 筆者は述べます。「催眠術など存在しないともいえるが、見方を変えればこ

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          備忘録:パレスチナ問題3

          前回(パレスチナにおけるファマタとハマスの対立まで)の続きです。前回↓ 【まず最初に】なぜアメリカはイスラエルを支持するのか? アメリカは中東においても、様々な利害関係を抱えている。冷戦期におけるアメリカの中東政策は下記の三つに大まかにわけられる。 1.ソ連の影響力の排除 2.石油の確保 3.イスラエルの安全保障 この三つは往々にしてお互いにぶつかった。とくにイスラエルへの支援は、イスラエルと敵対するアラブ諸国の反発を招く。石油の確保の為にはアラブ諸国との友好が必要不可

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          備忘録:パレスチナ問題2

          前回の続きです。第一次中東戦争からハマス台頭までです。 前回↓ キーワードの解説パレスチナ人の宗教 パレスチナ人の大半はイスラム教徒である(約 9割がイスラム教徒のスンニー派、残りの約 1割がキリスト教徒)しかし、少数であるがユダヤ教徒もいる。 このユダヤ教徒は19世紀末に、ユダヤ人と共にパレスチナに移住したのではないし、他のアラブ諸国から移住してきたのでもない。代々パレスチナの地に住み続けていたユダヤ教徒であり、イスラム教徒やキリスト教徒と平和に共存していた。彼らは現在イ

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