七月

句座が好き。自分の生活の中での句の背景を残したいと思っています。

七月

句座が好き。自分の生活の中での句の背景を残したいと思っています。

最近の記事

パソコンの十指働く昭和の日

ゴールデンウィークに入ったが、町内の自治会の役員でおおわらわだった。家族以外血縁は周囲にいないわけでは、地域は大切と思い、思い切って引き受けてみたのが、一年前。自治会とは何であるか?からの洗礼を受け、担当した仕事に勤しんだ。地域に住む人々の温度差の違うこと違うこと。まして職を辞し、ご自宅にいる方々の自治会への(夢のような)期待、地域を作って来たという自負には頭が下がります。が、結論としては、やってみて良かったと思う。 あと残るは、総会の議事録作成だ。 (写真は総会前に糖分補給

    • 筍の裸体めきたる五六本

      我が家の隣の竹藪は市の管理の土地だけれども、筍堀りは大目に見てくれる。自分でも掘ってみるが、根気がないので小さいのしか取れない。 今年も向かいの家のご主人が、ご近所数軒分の筍を掘って、家の前に並べてくれるのをみんなでいただく。これは見事だ。 話によると、筍には、雌と雄があるらしく、まっすぐなものが雄、少し腰が曲がったのが雌らしい。味も変わるとか。 この日もたくさん掘って並べてくれた。 ありがたい限りです。 しばらくnoteの更新していなかった。 いろいろ身辺忙しかったことと

      • 島旅や進路は鳥の帰る方

        少し前に香川県の直島、豊島、犬島を旅行した。現地の友達(会社の元同期)がエクセルで予定表を組んでくれた。 高松や、島と島の間は全て船。バスのように正確に動くから驚く。 船に揺られていると、ただ気持ちがいい。本当はここで俳句を作りたいところだが、頭は眼前の風景だけしか反応せず、空になるというか、海でいっぱいになる。 その友人が、ほら、あれが屋島と何度か行ってくれるが、その屋島は前に見えたり横に見えたりして、ますます方向がわからなくなった。 こういう時、方向音痴はいけない。 そ

        • 言いさして言わぬ約束早桜

          母が入院した。直接の原因はわからない。もともと悪いところが老人ホームに入所して介護体制のミスなどで見過ごされ、症状として出ただろう。折からのコロナやインフルの再流行で、変化を見逃したとも言える。そのことを振り返るのはまた別の機会にしっかりやっておきたい。 入院前も母はかなり認知症が進んでいて、話の辻褄は合わなかった。それでも時々めちゃくちゃまともなことを言う。 ホームに入所して、1か月経った頃に、真顔で 「ねえ。私、一度帰りたいと思うのよ」とまるで相談を持ちかけるように言っ

        パソコンの十指働く昭和の日

          鳥雲のフェリーや誰も見ぬテレビ

          楽しみにしていた瀬戸内の旅なのだが、あいにくの曇り。午後は雨になるらしい。瀬戸内の島へはフェリーや高速船で行くのだが、前回行ってわかったことは、この島々を巡る船はまるでバスのように使われている。そしてバスより渋滞がない分正確なのだ。 船内に入ると、朝ドラがちょうど始まっていたが、遠くて見えない。 確かにフェリーにはよくテレビがついているなあ。毎日利用する人にはいいのかもしれないが、このフェリーを見渡す感じでは、旅行者が多いよう。 みんな海を眺めている。 晴れるといいな。

          鳥雲のフェリーや誰も見ぬテレビ

          漆嗅ぐことから始む雛飾

          私の生まれた街は、かつて大きな城下町で、城を造るために集められた職人がそのまま残り、漆工芸品や下駄などの制作を生業にした人が多い街と言われている。 私が生まれた頃もまだ職人さんの家は残り、間口の広い引き戸の玄関から入ると、そのまま板の間があり、そこが今でいう工房で、漆が落ちるためか、その床は黒光りしたでこぼこしてきた。二階に上がる階段は箱階段で、その引き出しも漆塗りだった。入った途端、強い漆の匂いがした。多分、父の友人の家で、何かのついでによく寄った気がする。 今も雛人形を

          漆嗅ぐことから始む雛飾

          人憎むこころ一緒に鬼は外

          節分でしたね。街は恵方巻きの旗が立ち、何やら一大イベントになりつつあり、それもまた季節の節目を感じる大切な行事と思い、今では楽しんでます。 豆を撒くのは、子どもの頃からのならいですが、その昔、恵方巻きの風習を関西の出張で知ったときには奇習と感じたのも懐かしい話です。 日中、ある会があって、わいわい楽しんでいたのですが、その中に人の好き嫌いが激しく、とても攻撃的な人がいて、何かにつけ、嫌いな人に対しては、人が傷つくような発言をする人がいます。まあどこにでもいるんでしょうが、い

          人憎むこころ一緒に鬼は外

          室咲を一泊二日留守にして

          いただいたアマリリスが咲いた。真冬に到着したので、本当にこれから咲くのかと思っていたが、育て方の解説どおりに10日に一度、50ccの水をあげ、約40日で見事に咲いた。 なんといっぺんに4輪も。 しばらく部屋で眺めていたいところだが、また介護のために実家へ行く。 今頃どんなふうに咲いているのか、少し気になるが、アマリリスは花期が長いし、そもそも10日に一回の水やりでいいから、安心だ。 母が有料老人ホームに入り、一週間。 今度は父が少し心配だ。 ひとり居の父と向かひて葱鮪鍋

          室咲を一泊二日留守にして

          明日は入居支度進まぬ雪催

          とうとう母が有料老人ホームに入居することになった。内臓疾患があり通院は欠かせないし、認知症も進んできた。目も悪い。 ホーム入居が決まってから、私はなんとなくモヤモヤしてきた。潜在的にやっぱり自宅でしょ、という父の思いや、やはり自分の中に植え付けられた固定観念のようなものがあって、ホーム入居を受け入れられなかったらしい。 しかし、この固定観念は、自分の中から湧いてでたものではなく、父母に植え付けられたわけであり、そのことにも気づいた。 さて、次に、施設の入居にあたり、看取りの

          明日は入居支度進まぬ雪催

          二列目で膝震わせて初写真

          昨日は「童子」東日本句座始で、小石川後楽園へ行った。初めての場所だった。 吟行は大の苦手だけれど、数か月前の吟行で、事前に万が一の時のための俳句を作っていったら、却って、大した句ではないのに、それに頼ってしまって、緊張感なく過ごしてしまったので、今回は丸腰で参加してみた。今回は吟行の時間もたっぷりあるのだ。 三句出し三句選。 もちろんぎりぎりまで粘り、不十分ではあるが、前回より楽しめた。何故か?おそらく新年なので、季語でなんとなく格好がつきそうというのもある。 もちろん結果

          二列目で膝震わせて初写真

          ほどほどの幸でよけれと年の酒

          明けましておめでとうございます。 とはいえ、年始早々の地震の被害に遭われた地域の方々がいることを思うと、寿ぐばかりではいられない気持ちになります。 今年は頑張ってnoteの更新の頻度をあげようと思っていましたが、年末から風邪をこじらせてしまい、久しぶりに寝込んでしまったため、それもほどほどに頑張るのがいいかなと思ってるところです。今年も地味に更新していきます。よろしくお願いいたします。 風邪熱や遠くの地震に無力にて   (地震はなゐと読んでください。)

          ほどほどの幸でよけれと年の酒

          痣もまた生きる証やシクラメン

          またケアマネからLINEで連絡が来た。 母をデイサービスの迎えに行ったら転んでいたと。きょうだいからもLINEで連絡が来た。 透析の日の夜に入浴はしてはいけないと言われているのに、ケロっと入浴していたと父が言ってたと。 透析をしているかなり呆けた高齢者が自宅で暮らしているんだから、転ぶのも、風呂に入ってしまうのも、いいんじゃあないかと思う。 高齢者の適切なケアという観点で言えば、転んで大腿骨の骨折をする、入浴中に水の事故が起こることが多いのはもちろん知っている。 しかし、母は

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          冬日さす讃美歌312番

          今年12月末で解体が決定している聖堂カトリック清水教会の最後に合わせて準備してきた白い鳥のインスタレーションが完成した。約1700の折鶴が88年間年清水の地に建っていた教会の天井に飛翔する。 鶴を折ってくれたのは、高齢者施設の方、コンサートを行う合唱団の方々、コンサート主催者の所縁のある方々。 鶴が飛翔するかのように天井から吊るすのは、教会の保存を目指す有志の方々や高校の同級生たちだ。 信者でもない我々が、最後にこんなことをするなんてと最初は信者の方から非難があったが、連日作

          冬日さす讃美歌312番

          しぐるるや人なき俳句文学館

          今日は、調べものがあって、思い切って大久保にある俳句文学館へ行ってきた。 手書きの図書カードがびっしり引き出しにあり、検索して、申し込み書に読みたい資料を記入すると、書庫から出してくれる仕組み。 もう俳句好きにはたまらない蔵書の数。 静かな閲覧室でページをめくる至福の時でした。 しぐるるや駅は西口東口   安住 敦 安住敦は、ここの創設に尽力し、館長も務められた方。 この句の駅は、田園調布駅。 俳句文学館は、北口でした。 急に寒くなりました。

          しぐるるや人なき俳句文学館

          胡桃割る泣きたきことの三つほど

          今日はいろんな予定が重なった。 ひとつは地元であった戦争の記録を集めた展示会。九条を守る会の地域支部が集めた資料を見た。空襲を逃げ延びた人の証言もさることながら、後の調査で分かった米軍の空襲地域の選びかた、空襲前の予告のビラの投下などの施策。爆弾の使い分けなど。目新しいことではないのだが、今住んでいるところで起こった事実と知ると、特に最近の紛争と重なって、昔のこととは思えなくなった。今が決して平時ではないと気づく。 その後に、予約した美容院へ行く。 これまで15年ほど担当して

          胡桃割る泣きたきことの三つほど

          祈るとき鶴折る国や鳥渡る

          また大きな紛争が始まった。近い地域ではない、が、やはり本当に心が痛む。 暑かった夏も過ぎ、近所の池には鳥が例年のように渡って来ている。池も賑やかになってきた。 きっとシベリアからの鳥たちももうすぐ到着することだろう。 静岡市清水区にあるカトリック教会が年内で取り壊されてしまう。その前に、チャリティーコンサートなどを行うのだが、そこで、2000羽余りの折り鶴を舞わせたいというプロジェクトがあり、そこに偶然に関わっていて、写真は、試し飛翔である。自由に舞うような折り鶴は美しい

          祈るとき鶴折る国や鳥渡る