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2021年2月の記事一覧

父がひとりで死んでいた

父がひとりで死んでいた

1月半ばに、独り暮らしだった父(84)が遠く離れた実家の自室で倒れて亡くなっているのが見つかった。死後1週間経っていた。

1週間前から嫌な予感がしていた。朝方目を覚ますと、寝室のドアが大きく開いて廊下の電気がついていたことがあったのだ。大寒の最中、ドアを閉めずに寝ることなどあり得ない。寒い空気がひんやりと寝室に流れ込んでいた。誰が開けたんだろう。この家には私しかいないのに。

その時にもう私の心

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自分の仕事をつくる。ージョブ・クラフティングについて:高尾(2019)論文レビュー

自分の仕事をつくる。ージョブ・クラフティングについて:高尾(2019)論文レビュー

見聞きしたことはあるけれどもきちんと理解していない概念。何回ググっても忘れてしまう概念。私にとってその代表例の一つがジョブ・クラフティング(以下JC)でした。そこで高尾先生がレビュー論文を書かれていることを見つけ、いそいそと読みました。いやはや、わかりやすい!

高尾義明(2019)「ジョブ・クラフティング研究の展開に向けて:概念の独自性の明確化と先行研究レビュー」『経済経営研究』1,81-106

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能における「鬼」とは(2)

能における「鬼」とは(2)

世阿弥は芸術論、芸談、書状を含め、22種類もの伝書を現在に残しています。
その中に、絵を描き残しているのをご存じでしょうか?

それが、『二曲三体人形図(にきょくさんたいにんぎょうず)』。世阿弥時代の能楽をビジュアルで伝えてくれる貴重な資料です。
9種類の絵がそこには描かれていますが、今回はそのうち「鬼」に関する絵を紹介します。(なかなか、ゆるかわいい絵です笑)

世阿弥時代の鬼の概念には、二種類

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オープンプロセスによって、COCOAの信頼を再構築する

オープンプロセスによって、COCOAの信頼を再構築する

今年に入ってから、COCOAに関する不具合報告が続いており、様々な立場の皆さんからご心配やご批判の声があがるとともに、社会的に極めて重要な課題として注目されております。これを受けて、先般の厚生労働省の発表にもありましたとおり、この度、内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室(以下IT室)と厚生労働省の連携チームが事態の収拾のために発足され、私もそのメンバーの一員として、正式に関わらせていただくことに

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能における「鬼」とは(1)

能における「鬼」とは(1)

みなさん、鬼といったらどんなイメージをしますか?

節分で追い払われる鬼だったり、今でしたら「鬼滅の刃」の鬼でしょうか。恐ろしくて強くて、人に危害を加える存在といった印象を受けますね。

能の演目の中にも「鬼」が登場します。

今回は能の物語の中で、どのような鬼が登場するのか、その一部をご紹介します。

●鬼が登場する演目
鬼退治の物語である「紅葉狩(もみじがり)」「土蜘蛛(つちぐも)」「大江山(

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異端の酒屋『酒道庵』へ。日本酒の選び方を学ぶ熱血講座「酒を冷やすなバカ野郎!」

異端の酒屋『酒道庵』へ。日本酒の選び方を学ぶ熱血講座「酒を冷やすなバカ野郎!」

「酒屋さん」には、様々なタイプがあります。
高級感あるお店、角打ちのできる賑やかなお店、品揃えがすごいお店、逆にこだわりの銘柄だけに特化したお店…。

中でも、今回は「普通の商品がない」という変わった酒屋さん「酒道庵」さんへ。店主の考える日本酒の選び方、たっぷり教えていただきました!

※記事内では「酒販店」を「酒屋さん」と表記しています
※一部定説の否定と取られる箇所もあるかもしれませんが嗜好品

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ある和解

ある和解

 一般にはあまり公開しないのですが、本業の絡みで裁判を起こしていて、昨年20年11月某日に被告から私に慰謝料をお支払いいただくということで和解が成立していました。訴えたのは2018年の春頃ですから、2年ぐらいかけての決着という形になります。

 実際には犬も食わない話、なのですが、関係先に私や私の関係先についての変な文書を回覧して、8割がた事実無根であるので、文書の取り下げと関係先への謝罪を求めて

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世阿弥vol.1 : 世阿弥の言葉「初心忘るべからず」とは初志貫徹のことではない

世阿弥vol.1 : 世阿弥の言葉「初心忘るべからず」とは初志貫徹のことではない

歴史の授業で「室町時代、観阿弥・世阿弥(かんあみ・ぜあみ)により能が大成した」と習ったのではないでしょうか?

今回は、その世阿弥についてご紹介します。
世阿弥の著述はたくさん残っているので、世阿弥について語る材料はいくらでもあります。今回はまず世阿弥が残した言葉についてです。

「風姿花伝(ふうしかでん)」という言葉を聞いたことはありますか?
こちらは世阿弥が書いた能の理論書です。
能を演じるに

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音声版SNS Clubhouseに関するモヤモヤ

音声版SNS Clubhouseに関するモヤモヤ

昨年2020年に開始されたSNSのClubhouseは、これまでのSNSのようにテキスト、写真、動画などとは、異なるメディアとして音声を活用することで、新しい情報発信方法として注目されています。

私は聞こえないため、音声だけだと内容を理解できないので、Clubhouseを楽しむことができません。それだけなら、まだマシも、なんと、このSNSは、音声認識によるテキスト化を許諾していないのです。

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