codomodoc_小児科医

小児科医です。神経疾患、神経発達症(発達障害)の診療をしています。発達性トラウマ症を勉…

codomodoc_小児科医

小児科医です。神経疾患、神経発達症(発達障害)の診療をしています。発達性トラウマ症を勉強中。 細かいことが苦手なので、つぶやくことは大まかです。よろしくお願いします。

記事一覧

怒りが抑えられないAさんと小児科医

無くしものや忘れものが多かったり、気が散りやすかったり、些細なことでテンションが上がりやすかったり、そんな我が子に厳しく当たってしまうAさん。叱ってもダメ、約束…

映画“牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件”と小児科医

1960年台の台湾。当時の少年たち(これが驚くほどのギャング)の危うくて衝動的で時に突き抜けてしまう行動や大人たちの脆弱さとそれを隠すかのような抑圧的な態度に、終始…

映画“アンテベラム”と小児科医

GWに重めのスリラーを。何を言ってもネタばらしになるような映画なので詳細は省きますが、どんでん返し的な設定のおかげで、過去に行われていた行為のおぞましさ、冷酷さ、…

映画“フラワーズ・オブ・シャンハイ”と小児科医

ごめん、眠い。 「黒衣の刺客」、「ナイルの娘」を観た時にも感じたんだけど、ストーリーにこれといった山場というのが無い…というかあるんだけど盛り上がるわけではなく…

映画“十二人の怒れる男”と小児科医

すごく面白かった‼️ 十二人の陪審員たちの会話劇。人数が多くて誰が誰やら分からなくなるのでは?と心配しましたが、全くの杞憂でした。すごく分かりやすくてびっくり。…

映画“ナイルの娘”と小児科医

彼らなりの背景はあるが、社会的には何者でもない若者が何事を成すこともなく、サクっと現れてサクっと消えていく刹那的な物語。盛り上がるイベントがイベント然として描か…

映画“黒衣の刺客”と小児科医

美しい。。。のですが、状況を説明する台詞やナレーションが無く、会話らしい会話もないので,淡々…というか,粛々…というか、静かに物語は進んでいきます。誰が誰やら、…

映画“フェーンチャン 僕の恋人”と小児科医

アジア映画巡り。今回はタイ。 〜〜 こんなん好きに決まっとるやんか、10歳男子の初恋の話て。幼なじみの女の子と仲良く遊んでいた少年が思春期の始まりとともに男子の中間…

6

中学3年生と小児科医

数年ぶりに登校したAさん。 『気づいたら中3でした』 『浦島太郎みたいだね』 と笑い合い、心と身体の成長を讃えた。 今できていることを続けることを約束する。頑張った…

2

登るしかないサガン鳥栖と小児科医

登るしかないじゃん。 4・14G大阪戦。思えばこの試合がサガン鳥栖の大逆転劇“令和の歓喜”のターニングポイントになるとは、この時はまだ誰も知る由もなかったのである…

2

映画“イロイロ ぬくもりの記憶”と小児科医

よかったです。家族3人とメイド1人、合わせて4人の小さな話ですが、心情や行動を丁寧にしっかりした画作りのもとで映し出すことで、見応えのあるドラマになっています。…

7

映画“台北ストーリー”と小児科医

転がり落ちていく男と、その男に付かず離れずの女の地味な悲劇が淡々と描かれてるのに、飽きずに惹きつけられ続けたのは何故だろう。 大人になったということなのでしょう…

“伝えること”と小児科医

 診察をしていると、ADHDやASDに似た行動をするのに、正確な診断基準に当てはめると診断がつかない子がいて、以前はその子たちに神経発達症の診断をしていました(反省)…

11

お絵描き小児科医

↓ウィノナ・ライダーがごついんよ。 ↓個人的にはこのシーンが好き。

お疲れ様です小児科医

最近、一日外来診療をした後、えも言われぬ疲労を感じる。ずっと話を聴いてるだけだし、新しく考えないといけないようなことはそんなに無いのに、目の奥がズンと重くて神経…

10

映画「アメリカンフィクション」と小児科医

完璧!! 人間は他者と自分を比べ、他者には他者の役割、自分には自分の役割を作らずには生きていけない。 それ自体は悪くないけれど、その役割に拘りすぎるあまり、役割…

4
怒りが抑えられないAさんと小児科医

怒りが抑えられないAさんと小児科医

無くしものや忘れものが多かったり、気が散りやすかったり、些細なことでテンションが上がりやすかったり、そんな我が子に厳しく当たってしまうAさん。叱ってもダメ、約束してもダメ、罰を与えてもご褒美を与えてもダメ。何をやってもうまくいかずに最後は怒りを抑えられず感情を爆発してしまい、子は固まって何も言えなくなる。

診療をしているとこんな話をよく聞きます。さらによく話を聴こうと子どものことではなくAさんが

もっとみる
映画“牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件”と小児科医

映画“牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件”と小児科医

1960年台の台湾。当時の少年たち(これが驚くほどのギャング)の危うくて衝動的で時に突き抜けてしまう行動や大人たちの脆弱さとそれを隠すかのような抑圧的な態度に、終始不安定な感情を抱き続けた3時間57分でした。

長い、長すぎる・・。

ラストの15分くらいからドラマがぐっと濃くなって面白かったのですが、それまでは少年同士の抗争や感情のこもってないような恋愛模様が続き、「あ〜はよ終わらんかなぁ」と思

もっとみる
映画“アンテベラム”と小児科医

映画“アンテベラム”と小児科医

GWに重めのスリラーを。何を言ってもネタばらしになるような映画なので詳細は省きますが、どんでん返し的な設定のおかげで、過去に行われていた行為のおぞましさ、冷酷さ、非人道性、、あらゆるネガティブな形容詞をあてても現せない現実が伝わってきました。

同じ題材を扱っていても舞台が過去の場合と現代の場合とでは感じ方が大きく異なることを感じることになりました。過去の出来事というだけで、どこか他人事な気持ちで

もっとみる
映画“フラワーズ・オブ・シャンハイ”と小児科医

映画“フラワーズ・オブ・シャンハイ”と小児科医

ごめん、眠い。

「黒衣の刺客」、「ナイルの娘」を観た時にも感じたんだけど、ストーリーにこれといった山場というのが無い…というかあるんだけど盛り上がるわけではなくて、他のパートと同じくらいのテンションで描かれるので、ずっと同じことの繰り返しみたいな錯覚を感じて、どうしても眠くなる。

それはそれですごいことなのか?

「黒衣の刺客」は画面の美しさ、「ナイルの娘」は当時の市井の様子が新鮮で目を覚ませ

もっとみる
映画“十二人の怒れる男”と小児科医

映画“十二人の怒れる男”と小児科医

すごく面白かった‼️

十二人の陪審員たちの会話劇。人数が多くて誰が誰やら分からなくなるのでは?と心配しましたが、全くの杞憂でした。すごく分かりやすくてびっくり。

推理を巡らせて真実を暴くのではなく、裁判への疑問が僅かでもあるなら徹底的に話し合わねば、というスタンスに激しく共感しました。素晴らしい。成熟した大人の議論ってこれですよね。

今の時代、何でも白黒つけたがる風潮があり生きづらさを感じる

もっとみる
映画“ナイルの娘”と小児科医

映画“ナイルの娘”と小児科医

彼らなりの背景はあるが、社会的には何者でもない若者が何事を成すこともなく、サクっと現れてサクっと消えていく刹那的な物語。盛り上がるイベントがイベント然として描かれることも、物語の大きな流れに抗おうとする人物が描かれることもない。小さくて不幸な話。ドライといえばドライだけど、台湾が舞台のせいか湿気をたっぷり含んだドライって感じかな。ちょくちょく挟まる歌謡曲と見た目の昭和感に古臭さを感じるけど、それは

もっとみる
映画“黒衣の刺客”と小児科医

映画“黒衣の刺客”と小児科医

美しい。。。のですが、状況を説明する台詞やナレーションが無く、会話らしい会話もないので,淡々…というか,粛々…というか、静かに物語は進んでいきます。誰が誰やら、何が何やらよく分からず、劇伴も無く環境音だけなので、スーッと眠りに落ちていく。zzzz…。快感……😴。

気持ちいい〜。時々寝落ちしながらの1時間47分。眠れない夜に観てほしいです(めちゃくちゃ褒めてますよ)。観てよかったです。繰り返し観

もっとみる
映画“フェーンチャン 僕の恋人”と小児科医

映画“フェーンチャン 僕の恋人”と小児科医

アジア映画巡り。今回はタイ。
〜〜
こんなん好きに決まっとるやんか、10歳男子の初恋の話て。幼なじみの女の子と仲良く遊んでいた少年が思春期の始まりとともに男子の中間に入りたくなり、幼なじみに冷たく当たってしまい…という物語。失って気づく“初恋”ってさぁ、自分は精神年齢が小学3年生なので(見た目は大人,頭脳は子ども)、あの頃好きだったあきこちゃん、まゆみちゃん、けいこちゃんのことを思い出したりして終

もっとみる
中学3年生と小児科医

中学3年生と小児科医

数年ぶりに登校したAさん。
『気づいたら中3でした』
『浦島太郎みたいだね』
と笑い合い、心と身体の成長を讃えた。
今できていることを続けることを約束する。頑張ったね。

中3は受験があるし、“人生が決まる”みたいに言われるし、自分でもそう感じることがあるかもしれんけど、そんなことないけんね。

決まってたまるかぁって思っとってね、人生は長いんよ。

登るしかないサガン鳥栖と小児科医

登るしかないサガン鳥栖と小児科医

登るしかないじゃん。

4・14G大阪戦。思えばこの試合がサガン鳥栖の大逆転劇“令和の歓喜”のターニングポイントになるとは、この時はまだ誰も知る由もなかったのである。ってなるよ、絶対!応援しよう!!楽しみしかないよ。ありがとう。

映画“イロイロ ぬくもりの記憶”と小児科医

映画“イロイロ ぬくもりの記憶”と小児科医

よかったです。家族3人とメイド1人、合わせて4人の小さな話ですが、心情や行動を丁寧にしっかりした画作りのもとで映し出すことで、見応えのあるドラマになっています。

にんげんは誰もが弱くて、人には言えない隠し事を抱えていて、頑張ってもうまくいかないことがたくさんあるし・・とか、うまくいってるように見えても、心の底には後悔がくすぶってたり、油断すると先々への不安が湧いてきたり、と安らぐことはないよなぁ

もっとみる
映画“台北ストーリー”と小児科医

映画“台北ストーリー”と小児科医

転がり落ちていく男と、その男に付かず離れずの女の地味な悲劇が淡々と描かれてるのに、飽きずに惹きつけられ続けたのは何故だろう。

大人になったということなのでしょうか。

最近、悩むところが多くて、疲れやすくて、全然元気がなかったけど、こんな時でも引っかかることなく、ゆっくりした時間を過ごすことができたのは、癒しとまではいかないまでも、、なんかよかった(当てはまる言葉がわからない)。こんな気分の時は

もっとみる
“伝えること”と小児科医

“伝えること”と小児科医

 診察をしていると、ADHDやASDに似た行動をするのに、正確な診断基準に当てはめると診断がつかない子がいて、以前はその子たちに神経発達症の診断をしていました(反省)。愛着障害や発達性トラウマ症などを鑑別診断に考えながら診療するようになりましたが、始めの頃はそんなことをお母さんに伝えるのは憚(はばか)られ、モヤモヤしていました。それでも診断とはいかずとも、その時の子どもたちの行動の背景に愛着の課題

もっとみる
お疲れ様です小児科医

お疲れ様です小児科医

最近、一日外来診療をした後、えも言われぬ疲労を感じる。ずっと話を聴いてるだけだし、新しく考えないといけないようなことはそんなに無いのに、目の奥がズンと重くて神経使ってます、みたいな疲れ。しばらく診察室の椅子に尻から根っこが生えてボーッとしてしまう(こんなの書きながら言うのもなんだけど・・)。

でも、これが嫌かと言われるとそうでもなくて、よく頑張ったような気がしてまんざらでもない。このまま生ビール

もっとみる
映画「アメリカンフィクション」と小児科医

映画「アメリカンフィクション」と小児科医

完璧!!

人間は他者と自分を比べ、他者には他者の役割、自分には自分の役割を作らずには生きていけない。

それ自体は悪くないけれど、その役割に拘りすぎるあまり、役割に当てはまらない他者を認めることができず、知らず知らずのうちに人を傷つけてしまう。

無意識のうちに生まれるこの差別意識を皮肉たっぷりで面白いブラックジョークで表した本作は非の打ちどころのない傑作だと思いました。

あ〜おもしろかった。

もっとみる