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痩せていることが何よりも偉いと思っていた歪んだ自己肯定感〜摂食障害寛解までの道のり〜

ダイエットによる摂食障害は辛いです。それで苦しんでいる人に伝えたいのは、自分を抱きしめてあげてほしいです。本当によく頑張っている。食べていけないものなんて一つもないんです。食べることは生きること。そう思うのです。


最近はありとあらゆるSNSでダイエット情報が溢れている。そして痩せて人生変わった!垢抜けた!そんな私の1日の食事!運動方法!みたいなのが目に入るとダイエットトラウマからか心がチクっとしてしまう。まるで痩せが正義!!!みたいな世の中だなと思う。私も20kgの減量に成功した身だから分かる。ダイエットという成功体験から自分が偉くなった気がしていた。一番痩せていた時のBMIは16で今はおそらく21くらいある。以前は体重を1日に何度も測るくらい固執していたがそれも辞めて今は自由に生きることにした。そんな私は摂食障害寛解?というか吹っ切れたのでその歴史をまとめます。



まず手始めに中学2年生の時に思春期痩せ病といういわゆる拒食症になった。


当時は高校生の姉の妊娠出産により以前にまして家庭不和であり私は上級生からいじめの被害も受けていて私の精神状態は普通ではなかった。

極め付けの忘れられない一言が、痩せている姉が子供に授乳している際に祖母から言われた

「○○(私)は太り過ぎだから姉にその肉を分けてあげたいね」

という一言だ。ショックだった。

確かに当時は少しぽっちゃりしていたが別に巨漢ではなかった。

それから私は毎日夜ご飯は白ごはんを食べずにおかずだけを食べ、朝ごはんを食べずに学校へ行き、学校でも給食を残すようになった。百均で脂肪燃焼効果のありそうな温感ジェルを買ってそれを塗りたくり棒で足のマッサージをしたり、当時流行っていた腰を回すだけで痩せる!みたいな本を熱心に読んでその運動に取り組んでいた。

みるみる体重は落ちた。

私の家庭内では今姉の出産で私の事など気にも留めず、毎日姉とその子供の話題で持ちきりだ。
学校では上級生からいじめられていたこともあり、保健室で過ごすことが増えた。そして中学生の時に年上の高校生の彼氏もできた。私の居場所は家にも学校にもなかったから自分で創作した。

そんな心の拠り所がない私に学校の先生が心配してくれた。隣の家の人が心配してくれた。それがとにかく嬉しかった。痩せているとこんなにも周りが気に留めてくれるのだ!とその時思ったのだ。

そしてある日ショッピングモールで友達と遊んでいた時に目の前が真っ暗になり倒れた。
親が迎えにきて病院には行かなかったが(連れて行けよと思う)痩せすぎて貧血を起こしたのだと思う。それからは怖くなり、少しずつご飯を食べるようになった。そうすると最も簡単に体重は元通りになった。

これから今までの私は痩せたり増えたりをずっと繰り返す人生を送る事になる。



時を経て、私は結婚をしフォトウェディングをすることになる。それをきっかけに2020年から過食という行為が初めて始まった。これが本当の悪夢の始まりだ。

フォトウェディングをすると決まって私は一生に一度の写真は一番綺麗でありたいという思いからダイエットをはじめた。最初は手軽に食事制限と軽い運動だけだった。

面白いように痩せ始め、どんどん自分で自分を追い込んでしまうようになる。
毎日最低30分運動をしないといけない。小麦は食べてはいけない。外食は月に2回まで。食べすぎた次の日は最低一時間運動もしくは断食。
などといったルールに従わないといけないという強迫性障害に陥っていた。

筋トレ界隈の動画も未漁っておりどうやらチートデイというものがあるらしく私はそれを取り入れてみた。それが過食行為へ足を踏み入れるきっかけとなる。

最初はチートデイには我慢していた小麦や甘いものを食べる日にしていたが
チートデイに好きなものを食べていい=その日に日頃食べられないものを詰め込まなければならない。と言った誤った思考回路になってしまった。

気持ち悪くなるまで食べることを繰り返し何度も辛くて泣いた。死にたくなった。
ただの白ご飯も夫と食べる分の2合分をまるまる1人で食べてしまったり、冷凍食品も解凍が待てずそのまま食べてしまったり、とにかく自分が止められなくて辛かった。
この過食行為は約3年くらいは続いていたが太るのが怖くて次の日は一日中水泳、ジム、有酸素といったハードな運動スケジュールを組んだり、7日間の断食をするなどしてなんとかのことで体型をキープはできていた。そして当時は接客業をしていて制服を着ていたため太ると制服がキツくなるのがすぐ分かるし、何より職場の周りからは痩せていてスタイルの良い◯◯(私)ちゃんと日頃言われていたことから、太ったらそう呼ばれなくなる・・・ということがとにかく恐怖だった。

痩せていることが自分のアイデンティティで周りの気を引くことができたし、それが自分の無理して作ったグラグラの自己肯定感となってしまっていた。

そして仕事を辞めてからはそんな無理して作った体型とメンタルを維持するのは容易なことではないということにここ最近ようやく気づけた。

確かにできれば痩せている方が良いし、病気以外で過度に体型が太っている人は自己管理ができていないと思っていた。
しかしあのフォトウェディングのダイエットの一件で、もうあんなに頑張った自分をこれ以上苦しめるのはやめよう。と思うことができた。そして今まで頑張ってきた自分をようやく受け止めた。


それからはたまに食べすぎることはあるが過食はもうほぼなくなった。
私は自分を認めようと試みている。自分を生きやすくするためだ。太り過ぎもメンタルがダメになるから標準体型でも良いじゃないか。と思うようにした。
もう今まで十分自分で自分を縛り痛めつけたのだ。

今までラーメン屋で夫が食べるラーメンを目の前でただ見て自分は何も食べない。そんな悲しいことを平気でしていたことが恐ろしい。今はいつでも好きなご飯を何でも食べることができる。この上ない幸せと感じる。

今自分が無理なくできる範囲の制限というと心苦しいので生活習慣は、
朝ごはんは基本コーヒー
昼ごはんはご飯少なめ
おやつは絶対食べる(お菓子は大好きで心のオアシスなので辞めたくない)
夜ご飯は炭水化物抜き

といった感じである。16時間断食と似ているが、時間を縛ると苦しく感じたのでふわっとこれをやっている。以前はエアロバイクも毎日していたが、毎日やらなければならないという思考が辛くなり最近は休んでいる。
やりたくなったらまたやろう。と思うようにした。

摂食障害やダイエットで苦しんでる人は本当に良く頑張ってる。自分で自分に優しくしてあげてください。私は人生の28年の半分はダイエットで苦しみました。統合失調症もありただでさえ平均寿命が短いので残りの人生は無理なく生きると決めました。

太っていてもメイクしても良いし、好きな服を着ても良いんだとようやく思えるのです。自分で自分を認めてあげてください。良いんです。太っていても生きていても。誰にも迷惑かけてないじゃない。

太っていた時に周りから酷い言葉をかけられていたけど、痩せたら周りの態度が変わった。とか手のひら返しでむかつきませんか。私も成人式の時に痩せたら「なんか可愛くなったじゃん」と村一番のDQNの同級生から言われて猛烈に腹が立ったのを今でも覚えています。痩せたら優しくなるようなやつなんてうんこです。
太っていようがどんな人にでも平等で優しい人としか関わりたくないです。


美しいことが痩せてることが一番正しいわけではない。そう言いたいです。



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