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「カラマーゾフの兄弟」の主人公
「カラマーゾフの兄弟」を再読しながら考えたことを、少しまとめておきたいと思います。
「カラマーゾフの兄弟」は、ドストエフスキーの最後の作品。
これまでに書かれてきたドストエフスキーの世界観や、多彩なキャラクター性、物語の密度の高さや展開の激しさなど、パワーの凝縮度がめちゃくちゃ高い作品。
やっぱり「カラマーゾフの兄弟」すごい!
と、改めて読んで思いました。
特に人物のアクの強さがすごい。だけでな
村上春樹「職業としての小説家」の好きな部分
前にも書いたけど、たぶん昨年最も読んだ本の一つが、村上春樹の「職業としての小説家」。
この本の中から、気に入った部分を、定期的に引用していこうと思います。
「職業としての小説家」は、村上春樹が小説について、合計12回の様々なテーマについて語ったもの。
読者に語りかける形で書かれているので、読みやすい。さらに、伝えたい内容と具体的なエピソードのセットが非常に内容をイメージしやすくしている。小説好き
千葉雅也と村上春樹から、言葉について考える。
最近、ドストエフスキーを再読している。
今は『未成年』の下巻の真ん中あたり。
ドストエフスキーについて何か書きたいのだけれど、無謀なチャレンジであることは重々承知していて、
たしか北杜夫は「どくとるマンボウ」シリーズ(大学生のとき愛読書だった)のどこかで、
「ドストエフスキーについてはスゴすぎて語るのもおこがましい気がしてくる」
みたいなことを言っていたと思う(間違っていたらごめんなさい)。
ドストエフスキー『未成年』について書く前に
ドストエフスキーを再読している。
『悪霊』を読んでいたのだけれど、どうにも話の重さに耐えられず、下巻の途中で『未成年』に鞍替えした。そして、上巻の終盤に行き当たり、この文章を書いている間に、下巻に入った。
これら二作品を読んでみて、実感として強く残りつづけているのは、オレ、本当にはこれらの作品を全然読めていなかったんだなあ……、という驚きだった。
その「読めていない」とはどういう状態か。
それ
『ルックバック』について
気づいたら2月も半ば。
『ルックバック』という作品が映画化される、とジャンプ+のアプリで表示される。
気になったので、Kindleで読んでみた。
『ルックバック』は、藤本タツキ(チェンソーマンの作者)の作品で、151ページ。マンガには詳しくないので、このくらいのボリュームの作品がどう呼ばれているのか分からない。
読んでみて、改めて藤本タツキの作品の鮮やかさ、爽やかさに驚かされる。
この『ルックバッ
チェンソーマンについて、その3
この間、職場の先輩からジャンププラスのアプリをオススメされた。
それで、推しの子をとりあえず全話読んだ。面白かった。けどやっぱり一回読むだけだと内容の理解が浅くて何か書きたいとまでは思えない。
その後チェンソーマンを検索したら、単行本の14巻の続きの話まで出ていたので読んだ。
めちゃくちゃ面白かったので、感想を書くことにした。もはや考察ですらなく単なる感想。続き書かないとか書いたけど、前言撤回。2
チェンソーマンについて、その2
この間はチェンソーマンについて書いた。
書いたらさらに愛着が湧いてきて、キンドルで全巻を読み直した。
そうすると、細かいところに目がいくようになる。一コマ一コマ、つまり細部に明らかに作者は意味を込めていることか分かる。
例えばアキが銃の悪魔にされて家に襲撃に来る際に、アキの服や食器が描かれるところ。これはアキが人間だったときの日常として捉えられる。そのカットインによって、日常はすでに破綻しているこ