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「丸善へ檸檬を置いていく」のと同じ、現代の社会への爆弾「あなたが私を竹槍で突き殺す前に」

<文学(59歩目)>
知らない日本社会を学び、近隣諸国との関係を学ぶ。「憎悪」や「悪意」にまともに接触して火花を散らすような作品です。

あなたが私を竹槍で突き殺す前に
李龍徳 (著)
河出書房新社

「59歩目」は在日韓国人3世の李龍徳さんの意欲的な作品。知っているようで、知らない世界を学び、近隣諸国との関係を学べます。

この作品は「文学」ですが、特別永住者制度やヘイトスピーチ解消法が廃止され、極右の日本初の女性総理大臣(おそらく、高市早苗さんをモデルにしている)が誕生して日韓関係が最悪になった近未来を舞台とした作品。

この「近未来」をテーマにした作品は、李さん以外にも多くの作家が描いている。

ただ、差別される当事者の目線が日本人の私にはイタイ。

差別は、発生は安直だと思う。
少数派を排除する人類の「知恵(?)」なのかもしれない。

ただし、とても「グロテスク」であり、亡くなられた政治家が唱えていた「美しい国」とは真逆。。。

私は、新大久保でヘイトスピーチをしている集団を見たことがあります。(娘とKポップの関連グッズを買いに行った際)

非常に醜く、恥ずかしかった。帰り路に、娘と娘の友人と長くこの話をしましたが、日本村に住んでいると私たちはマジョリティ。

でも、一歩外に出るとマイノリティ。この現実を考えさえる作品の一つだと思います。

隣近所の隣人を選択できないからこそ、安直な「排除」は賛成できない。。。

とてもグロテスクな作品だからこそ、突き付けている刃はとても鋭い(うかつに触ると大やけどするような)と思える作品です。

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