Terai Masumi

2023年春、鳥取県大山町での暮らしをスタート。 「やまねの塒」を屋号に掲げ活動中。 …

Terai Masumi

2023年春、鳥取県大山町での暮らしをスタート。 「やまねの塒」を屋号に掲げ活動中。 ミッションは空き家の関心層と利活用を増やすこと。 暮らしのこと、自然のこと、まちのことを中心に。

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  • やまねの塒日誌

    大山町のまちのこと、空き家のことをかんがえる "やまねの塒" 活動記録

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やまねの塒日誌|vol.29|古民家にどんな灯りをともすか

そんな先の見えない "やまねの塒の時の市" の会場設営でしたが(前記事参照) とりあえず、モノを配置しながら考えることに。 とりあえず、せっせと私物を運び込んでみる。 お昼間の様子はこちら。 つづく

    • ヤマネからかんがえる、生態系のなかのわたし

      またヤマネのはなしかよ〜、って感じですが。 国の天然記念物に指定されており、 鳥取県では準絶滅危惧種にも指定されています。 私の暮らしている大山にも暮らしているそうです。 このヤマネたち、子育てのとき以外は決まった巣を作らず、他のネズミ類や鳥類の古巣を使うことがわかっています。 まさに「森の空き家活用の達人」ということで、名前を借りて屋号に使わせてもらっています。 私はもともと、このヤマネの研究者を志していました。 関西の大学でヤマネに出会い研究をスタートして以来、 八ヶ

      • やまねの塒日誌|vol.39|初春、氷河の森から

        里ではすっかり春がきてウカれているのだけれど、標高800mくらいの森のなかは、まだまだ初春。 谷間に融け残った雪が氷河のようにあり、うっかりすると深いところでひとり膝下まで嵌る。 こりゃ、このあたりのヤマネはまだ冬眠しているかもしれないなあ、とぼんやりと思う。(ちなみにニホンヤマネは、平均気温8.8℃くらいになると冬眠から目覚めるといわれている。) この寒さの中でも生きものたちはたくましく、倒木の陰には掘りたてほやほやのノネズミの巣穴と、その上ではコケが胞子体をのばして胞

        • やまねの塒日誌|vol.38|おじいちゃんの形見

          「遺品」というものに、初めて出会ったのはいつのことだろう。 おそらく、5年ほど前、高校時代からの親友のおじいちゃんが、お年を召し、パラダイスへ行ってしまったときのことだと思う。 この親友のご実家にはよくお邪魔していて、随分とお世話になっていた。 その近所に住んでいたおじいちゃんにもときどきお会いしていた。 おじいちゃんも何故か私のことをよく覚えていてくださって、私が地元を離れてなかなかお会いできなくなってからも 「ヤンさん(私のニックネーム)は元気か?」 と、気にかけてくだ

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        • やまねの塒日誌
          38本

        記事

          やまねの塒日誌|vol.37|屋根瓦に関する ささやかな気づき

          山陰の屋根瓦って、漠然とオレンジ色の石州瓦が多いのかなぁ、と思っていた。 なんとなく感じているのは、このオレンジ色は鳥取県東部とか、 島根県に多く 大山町のおうちに使われている屋根瓦は、 黒色のものが多い(気がする)。 そのときどき、トレンドがあったのかなぁ。 そしてごく最近気づいたのは、この黒色の瓦、よーく見ると、 真っ黒でツヤのあるものと、銀色っぽく鈍く光っているものと、 微妙に違っていること…! なんでいままで気がつかなかったのだろう…! それから、調べてみた

          やまねの塒日誌|vol.37|屋根瓦に関する ささやかな気づき

          やまねの塒日誌|vol.36|レトロガラスの沼にハマる

          ある晴れた春の日、じゃぶじゃぶとうつわを洗いながら 無色透明ガラスのうつわをピックアップ。 最近のガラス食器によくあるような、つるんとシンプルで汎用性の高いデザインも大好きだけれど、ひと昔前のキラキラしたデザインは、なんというか、ひとつひとつが個性的で、愛すべき形をしている(と、思う)。 詳しい製法は勉強不足でよくわからないが、切ったり、型にはめたりして作られているのだろうか。 キラキラと装飾が多く、一つ一つが花束のようだなぁ、なんて。 私が使うなら(もはや、ぜんぶほし

          やまねの塒日誌|vol.36|レトロガラスの沼にハマる

          やまねの塒日誌|vol.35|(勝手に)空き家ノスタルジヤ

          長い冬がすぎ、雪が解け、 大山のふもとにも春がやってきた。 秋ごろから関わらせてもらっていた空き家の片付けがようやく完了し、いよいよ次の方の手に渡る。 元の所有者さんは関東にお住まいの方で、 年に数回、戻ってこられては生家を自分たちでコツコツ片付けておられた。 車で片道10時間。 そこそこご年齢も重ねられている上、移動だけでも大変なのに。 体力も根気も 必要なことだったと思う。 大山に戻ってこられるたび、その期間中は私も毎日のようにおじゃまして(毎朝のように電話をくれ

          やまねの塒日誌|vol.35|(勝手に)空き家ノスタルジヤ

          やまねの塒日誌|vol.34|空き家ふるもの紹介 水色の●●瓶

          たまの晴れの日、水色の瓶をじゃぶじゃぶと水洗い。 元は商店だった空き家からレスキューしてきたものです。 黒く分厚くかぶっていたほこりを洗い流すと、 ひと昔前のガラス特有のゆらぎと、たっぷりの気泡。 あらまあ、なんて美しいことだ。 陽の光にあてて乾かしていると、まるで南の海にぷかぷかゆられているような気持ちになってきました。 これ、何に使われていた瓶なのかわかりますか? ご存知の方は多いかもしれません。 ヒントは、日本人が朝食にごはんと一緒によく食べるもの。 はてさて、

          やまねの塒日誌|vol.34|空き家ふるもの紹介 水色の●●瓶

          やまねの塒日誌|vol.33|リビセンみたいなお店をやりたくなるまで

          秋ごろ、とある空き家の所有者さんに出会った。 「独りで暮らしていた母の3回忌が終わったら、家を売りたい。」とのこと。 聞くと、所有者さんは、大山から直線距離で600km以上も離れた 現在のお住まいから年に2〜3回帰って来られて、 その都度片付けながら、地域の人たちに声を掛け、必要なモノがあれば持って帰ってもらっている、とのこと。 (所有者さんもなかなかのご年配なのに、です。) 「すごい」 時間的にも、金銭的にも、体力的にも、精神的にも そこまでかけておられるのは、シンプルに

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          生まれ育ったまちへ

          お正月もおわりごろ、わたしの実家へ。 ついでにあっちで初詣もすませておいた。 いいまちに育ててもらったんだなと 離れてみて、さらに深くしみじみと。

          生まれ育ったまちへ

          クリスマスだって日常だもの

          結婚して初めての、大山ですごすクリスマス。 食べたいごちそうある?ケーキはどうする? 「ドライフルーツのパウンドケーキ!」と、夫。 目からウロコだった。 クリスマスといえば、イチゴと生クリームのスポンジケーキとチキン。 30年間の刷り込みで、そう思い込んでいたのだ。 予約して買うか。ケーキはどこで注文しようか。 いや、ケーキだけでも手作りするなら丸い焼き型を買わなきゃなとか どっちにしろ出費だなぁとか ワクワクの反面、根暗のわたし、ちょっと気が重かったのだった。 チキ

          クリスマスだって日常だもの

          やまねの塒日誌|vol.32|冬期金継ぎ修行

          今年の8月に金継ぎを習いはじめた。 12月に入り、山間部にあるお教室は雪のため休業中。 3月まで長い冬眠に入っているあいだ、自分でも練習してみることにした。 引越し後そのまま倉庫状態となっていた自宅のスペースの一部を作業場化し (このこともまた書いてみようとおもう) 陶の器3枚を並べ、太陽光の下、しげしげと観察してみる。 高級なものでなくとも、修繕したいのはなぜか。 器にはそれぞれに思い入れも載っているに気づく。 先日、静岡の友人に「金継ぎを習いはじめた」と言うと、 戸

          やまねの塒日誌|vol.32|冬期金継ぎ修行

          やまねの塒日誌|vol.31|空き家で市をひらく意味

          今回の "やまねの塒の時の市vol.2" をきっかけに 古民家・旧原田邸には、いろいろな意味で風が通ったと思う。 旧原田邸は空き家といっても、 秋まで人が暮らしていて、普段も管理者が手入れをしている、半空き家だ。 だからとても良い状態でつないでおられると思う。 そんなふうに眠っている半空き家は、町内にもかなりある。 多くは、元家主のお子さんが定期的に県内外から帰ってこられて、管理されている。 簡単に聴こえるけれど、ご自身の生活もある中で、それってとてもすごいことだというこ

          やまねの塒日誌|vol.31|空き家で市をひらく意味

          いと うつくしきもの

          そうそう、わたしたち寺井家に 天使なニューカマーが舞い降りた。 山陰柴犬の令名(れいな)は、2歳・女子。 11月に引き取って以来、もう1ヶ月が経つ。 とても利口で、とても優しい。 前の飼い主には、本当によく育てていただいたのだろう。 はじめは借りてきた猫のようなおとなしさだったのだけれど、環境に慣れてきたのか、活発でお転婆な側面も見えてきた。 朝の散歩では、夜中野生動物が通路に使ったであろう側溝のにおいを嗅ぐのに余念がないし モグラの通った跡を見つければ、気が済むまで掘

          いと うつくしきもの

          やまねの塒日誌|vol.30|はじまりましたよ時の市

          いきあたりばったり やってみないとわからない精神で 会場の大枠が決まり。 それぞれのお店をひらく場所や格好は出店者のみなさまにおまかせして 会場設営はいよいよ仕上げ。 雰囲気やコンセプトを汲んで場をつくってくれるのです。抜群の信頼感。 ポンコツ主催者でごめんなさい!! 先駆けて、ここ旧原田邸で撮影された映画『うちげでいきたい』上映会スタート。 ゆるやかに、ひらかれていく。 番外編 つづく

          やまねの塒日誌|vol.30|はじまりましたよ時の市

          やまねの塒日誌|vol.28|古民家の空間をどう活かすか

          空き家にかかわりはじめて半年以上が経過した。 空き家調査でいろいろなお家や街並みを観察したり、 空き家の内覧に同行してその特徴や立地から活用を妄想したり、 空き家をリノベしていろいろなことに挑戦している方々の視察にお邪魔したり。 なんだか、わたしにもできそうなような気がしてきた。 ふやけた私の頭は、もうこの一点でいっぱいだった。 「実際に空き家を使って、とにかく私もなんかやってみたい…!」 そんなこんなで、やまねの塒の時の市、第2弾の開催した。 伴走支援をしてくださって

          やまねの塒日誌|vol.28|古民家の空間をどう活かすか