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【集客】「家でできること」を教えると、来店しなくなる

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
 
初めてご来店いただいたお客様はもちろん、数回続けて来てくださったお客様をリピーターにしたいと思うのは、サービス業だったら当たり前でしょう。
 
例えば、あなたが提供するサービスがヨガやジム、フラワーアレンジメントなどの習い事の場合、「今日習ったことを復習したいので、なにか宿題を出してくれませんか?」と言われたら、サービス提供者のあなただったら、どのように応えるでしょうか?
 
自身で複数のジム経営をしながら、スモールビジネス専門集客コンサルタントとしても人気を博している日野原大輔さんは、「まず1回、断ったほうがいい」と言います。
 
なぜか?
 
日野原さんは著書『神・リピート集客術』の中で、その理由と対策法を詳しく解説しています。今回は、同書の中から該当箇所を全文公開します。


まず1回、断ったほうがいい理由

 提供するサービスが習い事の場合、初めて来たお客さまから、「悩みを早く解消したいので、家でもできることはありませんか?」と聞かれることがあると思います。そんなとき、お客さまをつなぎとめたいという気持ちから、「こうするといいですよ」と教えてあげる人も多いでしょう。
 しかしながら、まずは1回、断る勇気を持ってください。
 なぜなら、教えたことをお客さまが着実にやらなければ効果はなく、お客さまの悩みは解決しないからです。それどころか、結果が出ないということは、つまり商品がお客さまに届かないということです。お店はそこに責任を持つべきだというのが私の考えです。
 特に、まだ信頼関係がないお客さまに対して、安易に「宿題」を出してはいけません。「宿題」といった付加価値をつけることは、一見メリットのようですが、お客さまの言いなりになって、効果が出ないかもしれないメニューを教えた結果、二度と来店しなくなるケースは数多くあるからです。

宿題を欲しがるお客さまの共通点と対処法

 宿題を欲しがるお客さまには共通の特徴があります。それは、初めて来たときからやる気があって、前のめり。「早く結果を出したい」と、モチベーションが高すぎるところがあります。
 そういう人ほど、実は、結果が出ないと辞める確率が高いのです。宿題を出して、「先生のせいで効果が上がらない」=「ここはダメ」という結論に至りやすいわけです。そこをコントロールする必要があります。
 宿題を出さないことで、不快に思うお客さまもいるでしょう。そういう方に対して、私は正直にこうお伝えします。
「宅トレを教えることは簡単です。ですが、家でやってみて続かなければ、今のモチベーションは落ちてしまい、効果は出ません。なので、1カ月ぐらいセッションを続けてみて、あらためて〇〇さんに合わせた宅トレメニューをお伝えしようと思います。そうすれば、モチベーションを保ったまま目標に向かっていけると思いますよ」
 そう言うと、納得してくださる方がほとんどです。
 これが整骨院だとしても、対応は同じでしょう。
 治療家として、固まった筋肉をゆるめ、骨を正しい位置に整えたとしても、お客さまが(教えたとおりではなく)自己流でストレッチなどを行ない、かえって状態を悪化させてしまうというのはよく聞く話です。そうすると、施術をやっても、やっても、イメージどおり治療が進んでいきません。だったら家で何もやらないでもらったほうが、身体も確実に良くなるというものです。
 要するに、途中で余計なことをすると、結果が変わってしまうのです。そのまま煮詰めていけばおいしいカレーができるのに、いきなり大根を入れて水っぽくしてしまったり、イチゴジャムを入れて激甘にしてしまったり。あとからスパイスを足しても手に負えないレベルにしてしまうようなものです。
 お客さまによっては、「できれば、ネットの情報も見ないでください」とお願いすることもあります。こちらは目標まで最短距離で行こうとしているのに、やる気のある人ほど情報を検索し、勝手なことをやって、かえって遠回りになってしまうからです。

宿題を出さないほうが、再来店率がアップ!?

 その反対で、断る勇気を持てば、実はお客さまの再来店率が上がります。
 モチベーションの高い人に「宿題」を与えた場合、結果が出なければ一気に冷めるのに対して、来店ごとに少しずつ効果を出し、ほど良いアベレージでモチベーションをキープしてもらうのです。その上で、相手が望めば「宿題」を出します。
 宿題をやるとは、私が言ったとおりのことを、確実に再現してもらうということです。
 同じ腰痛を和らげる腹筋でも、その方の状態によっては「合う腹筋」と「合わない腹筋」があります。その方に合う腹筋が家で確実にできると判断してから宿題を出します。そこでの効果を見越して次のセッションになるので、その判断に責任を持たなければ、お客さまを一瞬喜ばせただけになってしまいます。
 実際には、宿題を出さないのではなく、宿題を出しっぱなしにしないことが大事です。それを実践できれば、離脱率を下げることはできます。それだけでなく、ある程度成果が出てから、あらためて「宿題」を出すことで、お客さまの目指すゴールに早く到達するはずです。

【著者プロフィール】
日野原大輔(ひのはら・だいすけ)
ジム経営者。スモールビジネス専門集客コンサルタント。
1976年、福井県出身。サラリーマンの養父、専業主婦の養母に育てられる。活発な幼少期を過ごし、小学生時代は生徒会役員、サッカー部の副キャプテンを務める。中学、高校時代、野球部の活動に励む。千葉商科大学に進学し、演劇部の活動に励む。卒業後も演劇を続け、映画(藤原竜也の映画)に出演。当時先輩に「役者で大成したかったら肉体を鍛えろ」と言われ、スポーツクラブでアルバイトを始める。すると、売れっ子のパーソナルトレーナーとなり、個人売上は平均月80万円以上、営業成績は120店舗中で全国3位内を8年キープ、店舗売上No.1を8年キープした。26歳のとき、役者よりもトレーナーとして一流になる道を選択する。2009年、独立し「加圧スタジオLib」を開設。「お客さまを喜ばせる日本一のスペシャリストになりたい」という理由で、20種の資格を取得。2019年、東京都台東区にヨガスタジオMAKOTOを開設。2021年、同区に「ピラティススタジオFeel Body」を開設。また、ジム運営をする中で編み出した「ボンディング接客術」を軸に、パーソナルトレーナーやフィトネスインストラクターそしてスモールビジネスオーナーに向けた経営セミナーを実施している。人生のミッション「Life is beautiful 出会った人々の人生を少しでも美しくする」を基に「お客さまと一緒に感動する人材」を一人でも多くすることを目標に活動をしている。

いかがでしたか?
 
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