宮里文崇 | feoh design

フリーランスのグラフィック・Webデザイナー、カリグラファー。欧文書体を使ったシンプル…

宮里文崇 | feoh design

フリーランスのグラフィック・Webデザイナー、カリグラファー。欧文書体を使ったシンプルでエレガントなロゴデザインが得意分野。https://feoh.design/

マガジン

  • デザイン

    自分の書いた記事の中でデザイン関連をまとめています。

  • カリグラフィー

    自分の書いた記事の中で、カリグラフィーに関するものをまとめています。

  • ロゴやキャッチで使える欧文フォント

    自分が書いた記事の内、欧文フォントを紹介しているものをまとめています。

記事一覧

固定された記事

CI・VI・BIとは - ロゴやマークのデザインの話

CIとはCIとはコーポレート・アイデンティティ Corporate Identity の略です。直訳すると「組織の固有性」、簡単に言えば、見れば「アレだ」と認識できるもののことです。…

欧文(英語)での結婚招待状の組み方

招待状というのは賞状類(ディプロマ)と並んでタイポグラフィの中でも結構気を使うもので、調べるとあれこれマナーが出てきますが、それは欧文でも同じなようです。今では…

欧文書体解体新書―英語フォントの各エレメントとその名称

欧文書体(ラテンアルファベット・英語フォント)の各部エレメントには細かく名前が付いています。以下手元の資料を元に解説してみます。 高さ・大きさ基準となるライン …

ブラ(下着)の透ける色と透けない色の違いとは?

夏が近づくと、ちょいちょい twitter でバズる以下のような投稿。 こういうのを見る度に、「色の基本を知ってればすぐ解るのになぁ」といつも思っていたので、オッサンが…

なぜフリーランスエンジニアを時間で縛ろうとするのだろうか?

フリーランスのソフトウェアエンジニア* の採用条件がどんどん緩和してるという話が出てました。 当方はいわゆるフルスタックで、デザインとプログラミング両方が可能です…

【全面改訂】欧文書体好きのための Monotype サブスクリプションのすゝめ

Monotype とは英国に Monotype(モノタイプ)というファウンダリー(フォントメーカー)があります。100年以上の歴史があり、近年、Linotype を始めとする他のファウンダ…

最近制作したロゴ一覧

スキルマーケットのココナラで依頼されて制作したロゴを一気に紹介したいと思います。 デザート&スイーツ店。某有名ホテルにて修行したパティシエが独立するとのこと。都…

デザイナーは絵が描ける必要があるのか?[私見]

デザイナーは絵が描ける必要があるのか?ちょいちょい見かけるこのテーマ。 「描けないとダメ」 「いやそんな必要はない」 それぞれの立場でいろんな意見がありますが、…

モダンカリグラフィーに似合いそうなテイストの植物イラスト

カリグラフィー作品を制作する場合、もちろん文字だけで構成もしますが、イラストなどを添える事もあります。中世の装飾写本を見ると、植物を模したイニシャルやボーダーな…

f と長い s と短い s と ß

先日、以下の note を書きました。 で、誰からも質問がないので(笑)誰も気にしてないのだと思いますが、日本人にはあまり馴染みのない字が結構書かれているので、それを…

ドイツの小さなカリグラフィー折本

Facebook 上で友達として繋がっているドイツのカリグラファー、Katharina Ostenda さんが、2021年の2月に以下のような投稿をされました。 ここで紹介されてる折本に一目惚…

ロゴやキャッチで使える欧文フォント2021―エレガントローマン編

Caslon や Helvetica など「デザイナーが知っておきたい基本の欧文書体」というようなのは別の記事に任せ、欧文で長文を組むことがあまりない日本人向けに、ロゴやキャッチ…

サイン(シグネチャー)風ロゴ制作はじめました

欧米人が署名に用いるサイン(正確にはシグネチャー signature)風のロゴを制作いたします。本物のサインは読めないことも多いですが、本作は可読性を極力保つようにしてい…

ロゴやキャッチで使える欧文フォント2021―レトロ&ヴィンテージ編

Caslon や Helvetica など「デザイナーが知っておきたい基本の欧文書体」というようなのは別の記事に任せ、欧文で長文を組むことがあまりない日本人向けに、ロゴやキャッチ…

パイロットのパラレルペンがリニューアル

我が日本が誇る、国内外のカリグラファーに御用達のペンであるパイロットのパラレルペンがリニューアルしてました。 以前は軸の色がグレーだったんですが、ほぼ白のアイボ…

カリグラフィーで何を書くか題材選びに困っている人たちへ

カリグラフィー(西洋書道)をやっていく上で、ぶつかってしまう大きな壁があります。技術的な壁は当然ありますが、それとは別のもの。それを乗り越えたその先に、自在に文…

CI・VI・BIとは - ロゴやマークのデザインの話

CI・VI・BIとは - ロゴやマークのデザインの話


CIとはCIとはコーポレート・アイデンティティ Corporate Identity の略です。直訳すると「組織の固有性」、簡単に言えば、見れば「アレだ」と認識できるもののことです。ヒトの場合はその外見・顔で「そのヒトだ」と判断できますよね。それと同じように組織をパッと見で判断できるようにするもの、簡単に言うとシンボルマークやロゴタイプの事です(それでけではないですが、後述します)。赤地に黄色の

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欧文(英語)での結婚招待状の組み方

欧文(英語)での結婚招待状の組み方

招待状というのは賞状類(ディプロマ)と並んでタイポグラフィの中でも結構気を使うもので、調べるとあれこれマナーが出てきますが、それは欧文でも同じなようです。今では結婚も多種多様なスタイルがあって、そこまで堅苦しく考えることもないようですが、一応基本を紹介したいと思います。

基本スタイルここで挙げるのは、アメリカの最も伝統的でスタンダードな例です。つまり「夫婦同姓ストレートの両親が健在で、その元で育

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欧文書体解体新書―英語フォントの各エレメントとその名称

欧文書体解体新書―英語フォントの各エレメントとその名称

欧文書体(ラテンアルファベット・英語フォント)の各部エレメントには細かく名前が付いています。以下手元の資料を元に解説してみます。

高さ・大きさ基準となるライン

ascent line(アッセントライン)
大文字の上に付くアクセント記号の上限ライン
ascender line(アセンダーライン)
小文字のミーンラインより上に突き出た b, d, f, h, k, l の上限ライン
cap lin

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ブラ(下着)の透ける色と透けない色の違いとは?

ブラ(下着)の透ける色と透けない色の違いとは?

夏が近づくと、ちょいちょい twitter でバズる以下のような投稿。

こういうのを見る度に、「色の基本を知ってればすぐ解るのになぁ」といつも思っていたので、オッサンがやるのは憚られますけども(笑)、まあちょっと解説してみます。

HSV(またはHSB)色空間色の表現方法には色空間というものが用いられ、よく知られている三原色のRGB(加色混合)や CMY(減色混合)の他、HSV(またはHSB)と

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なぜフリーランスエンジニアを時間で縛ろうとするのだろうか?

なぜフリーランスエンジニアを時間で縛ろうとするのだろうか?

フリーランスのソフトウェアエンジニア* の採用条件がどんどん緩和してるという話が出てました。

当方はいわゆるフルスタックで、デザインとプログラミング両方が可能です。が、プログラマーとしての働き方にいつも戸惑いがあって、あまりこちらでは稼働してません。

というのも、どの案件もほぼ間違いなく「週○日、○時から○時まで」という拘束条件がキツイものだからです。こんな条件で働くと専任になってしまい、別件

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【全面改訂】欧文書体好きのための Monotype サブスクリプションのすゝめ

【全面改訂】欧文書体好きのための Monotype サブスクリプションのすゝめ


Monotype とは英国に Monotype(モノタイプ)というファウンダリー(フォントメーカー)があります。100年以上の歴史があり、近年、Linotype を始めとする他のファウンダリーを次々買収し、現在欧文書体に関していえば最大手の企業となっています。

この Monotype の書体は、同社が運営する MyFonts で個別に購入可能ですが、それとは別に、同社がライセンスを持つフォント

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最近制作したロゴ一覧

最近制作したロゴ一覧

スキルマーケットのココナラで依頼されて制作したロゴを一気に紹介したいと思います。

デザート&スイーツ店。某有名ホテルにて修行したパティシエが独立するとのこと。都会的でスタイリッシュに、というご要望でした。

こちらはボツ案ですが、結構気に入っています。おいしそうでしょ?

* * *

イベント人材派遣会社。「人の繋がりと信頼感を第一に」との希望でしたので、派手にせずスタンダードに。

* * 

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デザイナーは絵が描ける必要があるのか?[私見]

デザイナーは絵が描ける必要があるのか?[私見]

デザイナーは絵が描ける必要があるのか?ちょいちょい見かけるこのテーマ。

「描けないとダメ」
「いやそんな必要はない」

それぞれの立場でいろんな意見がありますが、宮里個人の意見としては、

絶対に描けないといけません。
正確には、デッサンができないといけません。

です。以下理由を述べます。

「絵が描ける」とはそもそもですが、「絵が描ける」とはどういうことでしょう? たぶん人によって思い描く「

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モダンカリグラフィーに似合いそうなテイストの植物イラスト

モダンカリグラフィーに似合いそうなテイストの植物イラスト

カリグラフィー作品を制作する場合、もちろん文字だけで構成もしますが、イラストなどを添える事もあります。中世の装飾写本を見ると、植物を模したイニシャルやボーダーなどの他、内容を表したイラストや、内容とは関係ない奇っ怪な妖怪などが描かれていたりします。

対して、現代のトラディショナルなカリグラフィー作品はこんな感じ。

うん。まあ似合ってます。

が。

……現在のセンスで見るとちょっと古いと言うか

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f と長い s と短い s と ß

f と長い s と短い s と ß

先日、以下の note を書きました。

で、誰からも質問がないので(笑)誰も気にしてないのだと思いますが、日本人にはあまり馴染みのない字が結構書かれているので、それをちょっと解説したいと思います。

長い s (long s)作品をよくよく見ると、f のような f でないような文字がいくつかあるのが判るかと思います。

この f によく似ている文字、実は s の別字体です。現在「長い s (lo

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ドイツの小さなカリグラフィー折本

ドイツの小さなカリグラフィー折本

Facebook 上で友達として繋がっているドイツのカリグラファー、Katharina Ostenda さんが、2021年の2月に以下のような投稿をされました。

ここで紹介されてる折本に一目惚れをし、早速タイトルを頼りに古書マーケットの AbeBooks で探したところ、1件だけヒットしました。しかも7冊セットだったので、一も二もなくすぐに注文して入手しました。

日本でいう文庫本サイズの薄い折

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ロゴやキャッチで使える欧文フォント2021―エレガントローマン編

ロゴやキャッチで使える欧文フォント2021―エレガントローマン編

Caslon や Helvetica など「デザイナーが知っておきたい基本の欧文書体」というようなのは別の記事に任せ、欧文で長文を組むことがあまりない日本人向けに、ロゴやキャッチコピーなどですぐに使えそうな目を引くデザインの書体を紹介します。

※各フォントの購入方法は以下の note を参照してください。

Elegant Romanセリフ(ひげ)のある書体をセリフ書体(まんまやんけ)やローマン

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サイン(シグネチャー)風ロゴ制作はじめました

サイン(シグネチャー)風ロゴ制作はじめました

欧米人が署名に用いるサイン(正確にはシグネチャー signature)風のロゴを制作いたします。本物のサインは読めないことも多いですが、本作は可読性を極力保つようにしています。レタリングではなくペンでの一発書きとなりますので、あまり細かい注文には対応できませんが、そのブレも味わいとして楽しんでいただければと思います。

フリーランスの方

小さなカフェや雑貨店を経営してる方

手作りのお菓子やアク

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ロゴやキャッチで使える欧文フォント2021―レトロ&ヴィンテージ編

ロゴやキャッチで使える欧文フォント2021―レトロ&ヴィンテージ編

Caslon や Helvetica など「デザイナーが知っておきたい基本の欧文書体」というようなのは別の記事に任せ、欧文で長文を組むことがあまりない日本人向けに、ロゴやキャッチコピーなどですぐに使えそうな目を引くデザインの書体を紹介します。

※各フォントの購入方法は以下の note を参照してください。

Retro & Vintage今回はレトロもしくはヴィンテージ風味のある書体を紹介します

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パイロットのパラレルペンがリニューアル

パイロットのパラレルペンがリニューアル

我が日本が誇る、国内外のカリグラファーに御用達のペンであるパイロットのパラレルペンがリニューアルしてました。

以前は軸の色がグレーだったんですが、ほぼ白のアイボリーになり、またサイズに 3.0mm と 4.5mm が追加され、これで 1.5, 2.4, 3.0, 3.8, 4.5, 6.0 の6種類となりました。

これでさらに表現の幅が広がりました。あと私は知らなかったんですけど、これパイロッ

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カリグラフィーで何を書くか題材選びに困っている人たちへ

カリグラフィーで何を書くか題材選びに困っている人たちへ

カリグラフィー(西洋書道)をやっていく上で、ぶつかってしまう大きな壁があります。技術的な壁は当然ありますが、それとは別のもの。それを乗り越えたその先に、自在に文字が書けるようになってから迫り来る巨大な壁。

そう、何を書くか。です。

日本人である我々には非常に厳しい、ウォールマリアなんか目じゃないほどの『言語』という巨大な壁。同じ壁にぶつかっている方々のために、この note があなたの立体機動

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