五味洋子

アニメとアニメーション愛好家です。特撮も好き。著書に『アニメーションの宝箱』(ふゅーじ…

五味洋子

アニメとアニメーション愛好家です。特撮も好き。著書に『アニメーションの宝箱』(ふゅーじょんぷろだくと刊)。 過去に書いた作品の感想やレビュー、イベントレポート等の倉庫的な使い方が出来ればと思います。

マガジン

  • 東京国際映画祭2023アニメ部門

    2013年10月に開催された第36回東京国際映画祭のアニメ部門で上映された海外長編作品について。 「深海レストラン」「ロボット・ドリームズ」「アートカレッジ1994」「リンダはチキンがたべたい!」「トニーとシェリーと魔法の光」の5本。

  • 再録原稿『電撃TV&ビデオ攻略ガイド』

    2001年1月発行の電撃ムック『電撃TV&ビデオ攻略ガイド』からの再録原稿です。 原稿保存を目的に、執筆した作品11本(TVアニメ&特撮)とエッセイ2本を収録。

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再録原稿リスト

同人誌等に発表した原稿のnoteへの再録は以下のリストで。作品名+筆者名(五味洋子)で検索出来るかと思います。ほぼ再録順。タイトル後の「V」は『Vanda』、「B」は『ビランジ』からの再録です。随時更新します。 ・母をたずねて三千里(V3号)・ガンバの冒険(V4号)・太陽の王子 ホルスの大冒険(V5号)・旧ルパン三世(V7号)・森康二さんのご逝去に寄せて(V8号)・宝島(V9号)・アルプスの少女ハイジ(V10号)・未来少年コナン(V11号)・劇場版エースをねらえ!(V12号

    • 新潟国際アニメーション映画祭(NIAFF)2024コンペ作品まとめ。

      全12作。掲載は順不同。★はデイリーペーパーの星取表から。★5点満点。 ●『アリスとテレスのまぼろし工場』★4 2023、日本、111分、岡田麿里 新潟のコンペは日本の作品も公開済み作品も評価次第でインコンペするのが良いところ。 事故で時の流れが止まった街という東日本大震災後の時代の閉塞感が映る設定と、パンドラの箱的に残された一縷の希望。 ただし、脚本・監督を兼ねた岡田麿里成分が過去一特濃で、かなりエキセントリックなので合う人を選ぶかもしれない。 ●『インベンター』★5

      • 新潟国際アニメーション映画祭(NIAFF)2024

        去る3月15日(金)から20日(水)まで開催の新潟国際アニメーション映画祭(NIAFF)に全日参加してきた。 昨年の第1回にも参加したが、とてもいい映画祭だった。その印象は第2回の今回も変わらない。 「アジア最大の長編アニメーション映画祭」の自称通り、長編アニメーション(40分以上)のみのコンペティションを有するのがNIAFFの大きな特徴だ。 近年は制作過程のデジタル化もあって、日本のみならず世界的に長編アニメーション作品が増加している。思いもよらぬ国からの応募もあって興味

        • TAAF2024まとめ

           東京アニメアワード(TAAF)2024が3月8日(金)から11日(月)にかけて開催された。  TAAFとは東京で開催される国際アニメーション映画祭であり、元々は2002年から2013年まで開催された「東京国際アニメフェア」の一環として行われていた「東京アニメアワード」を独立発展させたもの。2014年が第1回で、この2024年で11回目となる。  世界から公募した長編・短編作品の「コンペティション部門」、投票による「アニメ・オブ・ザ・イヤー部門」、功労者を顕彰する「アニメ功労

        • 固定された記事

        再録原稿リスト

        マガジン

        • 東京国際映画祭2023アニメ部門
          6本
        • 再録原稿『電撃TV&ビデオ攻略ガイド』
          14本

        記事

          愛と継承の物語『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』

          ※やむを得ず映画の内容に触れている部分があります。  閲覧の際はご注意ください。鑑賞後の閲覧をおすすめいたします。 ※また、実在の人物への敬称をほぼ省いております。  悪しからずご了承ください。  原作者・水木しげる生誕100年に相応しい力作。水木しげるの精神が生かされている。  鬼太郎誕生の前日譚であり、予告編には「初めて明かされる鬼太郎の父たちの物語」とある。鬼太郎とねこ娘も本編前後に登場するが、TVとは違ってPG12の本格ホラーミステリーとして作られており、見応えがあ

          愛と継承の物語『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』

          美しい映画『窓ぎわのトットちゃん』

          映画冒頭、闇の中に提灯行列の灯が浮かぶ。これは日中戦争の戦勝祝いと思われる。当時、大衆は日本軍の大勝利に熱狂していた。 戦争はある日突然、天災のように降って来て民衆が巻き込まれるものではなく、国家と軍の強制によるものでもなく、国民自らの意思によっても始まり、継続されるものである。民衆は一方的な被害者ではなく、加害者でもある。 その事実を言葉ではなくたったひとつの描写によって明らかにしてみせたこの冒頭にこの映画の制作者たちの強い意志を感じ、私は心おののいたのだった。この映画は生

          美しい映画『窓ぎわのトットちゃん』

          『トニーとシェリーと魔法の光』

          2023年、チェコ・スロバキア・ハンガリー、フィリップ・ポシヴァチュ監督、ストップモーション(人形)、83分、 11/1(水)、東京国際映画祭、ヒューマントラストシネマ有楽町にて。 人形の独特な造形、どこか拙さのある動き、色、全てが「ザ・チェコ」の人形アニメ。チェコならではの手作り感あふれるストップモーションの世界と、豊かなチェコ語の響きに魅入られる。 11歳の少年トニーは生まれつき体が発光する特殊な体質の持ち主。両親と赤ん坊の弟とアパートの上階に住んでいる。 アパートは

          『トニーとシェリーと魔法の光』

          『リンダはチキンがたべたい!』

          2023年、フランス、キアラ・マルタ&クリスチャン・ローデンバック監督、作画、73分、 10/31(火)、東京国際映画祭、角川シネマ有楽町にて。 2023年アヌシーのクリスタル賞(グランプリ)受賞作。 『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』(2016年)のローデンバックとパートナーのキアラ・マルタの共同監督作。 ローデンバック監督独自のクリプトキノグラフィー技法で描く。 これは通常のアニメ作品の作画とは全く異なり、1枚の絵に必要と思われる部分だけを描き、連続して動いた

          『リンダはチキンがたべたい!』

          『アートカレッジ1994』

          2023年、中国、リウ・ジエン監督、作画、119分、 10/31(火)、東京国際映画祭、ヒューマントラストシネマ有楽町にて。 1990年代初頭、中国の美術大学で学ぶ男女学生たちの生活。 芸術とは何か、人生とは、の悩み多い日々を、中国の政治的社会的変化の中に往年の楽曲を取り込みながらリアルなタッチで描く。 作画は平面的で影もなくシンプルで、ロトスコープ的な動き。 監督の前作で東京アニメアワード(TAAF)でも以前に上映された『ハブ ア ナイスデイ』(2017年)は同様のリアル

          『アートカレッジ1994』

          『ロボット・ドリームズ』

          2023年、スペイン・フランス、パブロ・ベルヘル監督、2D作画、101分 10/29(日)、東京国際映画祭、角川シネマ有楽町にて。 原作(グラフィック・ノベル)あり。監督はスペイン出身。 登場キャラは全て擬人化動物(とロボ)。 マンハッタンのアパートで孤独な生活を送るドッグ(犬)は、ある日、通販で買った等身大ロボットを組み立て、一緒に生活を始める。 友情を深める2人。 夏の日、2人はビーチで楽しく過ごすが帰り際にロボットは体が錆びついて浜辺に寝そべったまま動けなくなってし

          『ロボット・ドリームズ』

          『深海レストラン』

          2023年、中国、ティエン・シャオポン監督、3DCG、112分。 10/26(木)、東京国際映画祭、TOHOシネマズシャンテで鑑賞。 快作『西遊記 ヒーロー・イズ・バック』(2015年)の監督の最新作。 少女シェンシウは父の再婚で疎外感を感じている。自分を置いて去った実母への思慕と複雑な感情。 ある日、シェンシウは家族で大型船のクルーズに出かけるが、海が荒れ、甲板から落ちてしまう。 気がつくと彼女は不思議な深海レストランにいた。シェフは風変わりな青年ナンヘ。レストランは海の

          『深海レストラン』

          東京国際映画祭アニメーション部門

          10月23日から開催された第36回東京国際映画祭(TIFF)のアニメーション部門を鑑賞した。 今回のTIFFアニメーション部門は前回までの「アニメと特撮」という括りから部門全体をリニューアル。プログラミング・アドバイザーはアニメ評論家・藤津亮太さんが続投した。 前回までの「東京から発信」から「東京で世界の今を知る」へと変化。 「ビジョンの交差点」と題して、日本と世界のアニメーションの最先端を見せるというコンセプトの下、国産4本、海外5本の長編アニメーションの新作上映、「海外映

          東京国際映画祭アニメーション部門

          「アルプスの少女ハイジ」

          ※『電撃TV&ビデオ攻略ガイド』(2001年1月5日発行)より再録 放送日時●1974年1月6日~1974年12月29日 毎週日曜日19時30分~20時、全52話 放送局●フジテレビ系列 ■作品解説 TVアニメを変えた作品 アルムの山小屋でおじいさんと二人で暮らすことになった5才のハイジ。山羊飼いのペーターと仲良くなり、初めてのアルムは毎日が新しい発見の喜びと感動の日々。が、8才になったある日フランクフルトへ連れて行かれ、名家の令嬢クララの学友として過ごすことになったハイ

          「アルプスの少女ハイジ」

          「母をたずねて三千里」

          ※『電撃TV&ビデオ攻略ガイド』(2001年1月5日発行)より再録 放送日時●1976年1月4日~1976年12月26日 毎週日曜日19時30分~20時、全52話 放送局●フジテレビ系列 ■作品解説 短編から連続ドラマへ 父の事業を助ける為、イタリアから南米アルゼンチンへ出稼ぎに渡ったまま音信の絶えた母を捜しに旅立ったマルコ。『三千里』は少年の成長ドラマであると共に群像ドラマでもあり、苦難の旅の中でマルコが出会う人々の人間模様が胸を打つ。 原作は『クオレ』の中の短編に過ぎ

          「母をたずねて三千里」

          「赤毛のアン」

          ※『電撃TV&ビデオ攻略ガイド』(2001年1月5日発行)より再録 放送日時=1974年1月7日~1974年12月30日 毎週日曜日19時30分~20時・全50話 放送局=フジテレビ系列 ■作品解説 名作小説を忠実にアニメ化 余りにも有名なモンゴメリの小説を原作に、手違いから老兄妹の住むグリーンゲイブルスにやって来た孤児の少女アン・シャーリーが持ち前の想像力を発揮、様々な騒動を巻き起こしながらも魅力的な女性へと成長していく姿を丁寧に描いた作品。原作の舞台プリンスエドワード

          「赤毛のアン」

          「未来少年コナン」

          ※『電撃TV&ビデオ攻略ガイド』(2001年1月5日発行)より再録 放送日時・1978年4月4日~1978年12月29日 毎週火曜日19時30分~20時、全26話 放送局・NHK総合 ■作品解説 宮崎駿初監督作品 NHK初の連続アニメであり、宮崎駿の初監督作品。最終戦争後の緑が蘇りつつある地球を舞台に、太陽に育まれた自然児コナンが美少女ラナを守って仲間と共にインダストリアの独裁者レプカの陰謀と戦う物語。 宮崎は原作を換骨奪胎、長年蓄積したモチーフとテーマ、持てる技術の全て

          「未来少年コナン」