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~「殿!お覚悟のほどはいかが?」~

中途半端な意思決定では変化を起こせないトップの姿を、今回は浮き彫りにします。

あるニッチな分野で国内シェアの70%を占めるメーカーがあります。
未来を考えた時、新規事業を立ち上げ複数の柱を持つ必要性を感じた現社長。
2年前に就任し、周りは先代からの役員という構成です。

その事業を拡散していくために新しい部署の創設を思いつき、人財獲得に走ります。
見つかりました!経験と実績共に申し分のない人が…。

諸条件を詰めている中で、古参役員たちが報酬に反対。
規定上、部長待遇は認められないのがその理由。

しかし、顛末は別のところにありました。
役員会で、そもそも新部署設置は時期尚早との判断を下し、話そのものが立ち消えになったからです。

ここから視えること。
待遇の問題ではなく、変化を嫌った古参番頭たちの謀略。
新しい事業により自分たちの立場や権威が衰退することへの恐れ。
報酬面への嫉妬。
要するに、"私利私欲"によるもの。

経営者が本気だったら、部長職で招けばいい。
役員会で多様な意見を聴くのは大事だが、出尽くしたところで決めるのはトップ。

挙手制は一見民主的だが、私心による判断を採用すれば致命傷になる。
社長の覚悟がなかった典型例。

さて、奸臣に支配されている国は中国史に散見されるように、必ず滅びるか乱が起こります。
この会社が"幸運の女神の前髪"を掴み損ねたのは事実…。

最期までお読みいただき有難うございます! これからも【人としてのあり方とやり方としての戦略】に特化して情報発信していきます。 記事内容向上のためにも感想等をいただければ嬉しいです!