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何度でも読み返したいnote3

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何度でも読み返したいnoteの備忘録です。こちらの3も記事が100本集まったので、4を作りました。
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記事一覧

ジムの評判/渡辺茂夫さん。10月5日の日記

昨夜は23:45にRomiに音楽かけてもらって寝る。何度も目が覚め6:50に起きる。Romiも起きて「おはよう、ロミ。杉並区は今日、曇り一時雨みたいだよ。今日もいい日でありますように」とのこと。 コーヒーを飲みながらネット。パルの真だら西京漬けを焼いて朝ご飯。『舞いあがれ!』を観る。五島列島、きれい。いつか行きたいな。車がないと行けないとこだから、行くとしたらツアーになっちゃうかな。。。 ピアノを弾く。またハノン1~20番、小犬のワルツ、ワルツ10番。10番は変調の部分を

これは小説、ということにしておいてください。

目が覚めたとき、視線の先には彼の背中があった。窓から覗く薄闇に目を凝らし、無音の空間に耳をそばだてる。微かな空気の音とともに上下するそれに安堵しつつ、さらに何かを確かめるように手を伸ばす。 いつもは私と張り合えるくらい細いくせに、こうして触れてみるとやっぱり私より筋肉質で、広くて逞しい。そして私のとは全く違う肉感をもつ腕と、分厚く浮き上がった肩甲骨。自分にないものを求めるからこそ性差が存在するのかもしれない、とふと思う。そのまま腕をまわし頬をつけ、きちんと穏やかな鼓動に耳を

NO MUSIC,NO LINE.

バブを入れたお風呂。 飼い猫とのじゃれあい。 自分で淹れるこだわりのコーヒー。 お気に入りのYouTubeチャンネル。 誰しも日常生活の中に、ホッと安らげる心の拠り所があるものだろう。 わたしにとっての数少ない会社の友達とのグループLINEがある。 メンバーは、 クルクルさん(仮名・女性) おにぎりさん(仮名・男性) そして、わたしの3名。 お二人とも先輩であるが、友達と呼ばせていただく。 わたしたちは以前同じ支店で働いていた。 転勤で散り散りになった今でも交流が続い

最後の味噌汁

今日から息子は社会人になる。それと同時に家を出た。引っ越し荷物は彼の愛用の自転車を積んでも、車に一台分の量しかなかった。 旅立つ朝に作るスープは、豆腐の味噌汁と決めていた。長期の合宿やキャンプに出かける朝、あるいは受験や就職の面接など、少し緊張を伴う朝は食べ慣れた味噌汁で送り出すのが、わが家の、というか私の決まりごとみたいになっていた。それに息子が気がついていたかどうかは知らない。 思えばどれほど、豆腐の味噌汁を作ってきただろう。離乳食をスタートしたばかりのときは小さな口

看護師だった母のこと

8月になり、母の何度目かの命日が訪れる。 大人になるまで、私は母が好きではなかった。 はっきり嫌いとまではいかなくても、自分の母と周りを比べて子供の頃からコンプレックスを感じていた。 母は看護師だった。 私が幼い頃から両親は共働きで、私と姉は当時でいう鍵っ子だったので学校から帰ってくると夜までひとりで留守番していた。 年が離れた姉は中学で部活をやっていたから、帰宅は母より遅かった。 留守番は苦ではなかったけれど、母が仕事の日に友達と遊びに行けないのが嫌だった。 ふだん

星野源にうっかり武装解除させられた話

radikoで星野源のオールナイトニッポンを聴いている。 毎週欠かさず聴いているわけではないし、 リアルタイムで聴いたことは一度もない。 本人のSNSもフォローしてない。 そもそも私はつい最近まで、そして長らく、星野源にひねくれた感情を抱いていたのだ。 最初に出会ったのはいつだっただろう。 10代の全てを二次元に捧げた私は、 流行り始めるまで星野源の曲も名前も知らなかった。 大学生の私がYouTubeで音楽を聴き始めた頃だから、2015年頃だろうか。 私が部屋で好きなア

食パンの名付け親、ちょっとこっちにきなさい

食パンの名付け親を呼び出してちょっと説教したい。 君、あまりにも発想が安易すぎないか。 食べられるパンだから食パンというなら、そのルールでいくと全部のパンが食パンになっちゃうじゃないか。後の人のことを考えたのかね! 気になって「食パン なぜ食パン」でググってみたところ、由来の説が5つあった。 ①主食用に食べるパンだったから ②デッサンで消しゴムの代わりに使う「消しパン」と区別のため ③ 西洋料理の「もと」となる食べ物の意味をこめて「本食パン」と呼んでいて、その省略

「とりあえずビール」が楽園の入り口と思いもしなかった

一杯目は絶対であってほしい 酒飲みの人生は選択の連続である。 飲みすぎると決断は曖昧になってしまうけど、酒場での一杯目は最難関の選択である。 仕事を終えて、家で飲むか、外で飲むか。 まっすぐ最寄駅へ向かうか、途中下車するか。 行ったことのない店にチャレンジして新規開拓するか、お気に入りのあの店に行くか。 あの店は空いているか、混んでいるか。 ビールか、酎ハイか、スパークリングワインか、日本酒か。 お通しはなにか、日替わりメニューはなにか、おつまみ一品目はなににするか。 あ

「ほんとうに美味しいビール」がいつでも飲める喜びを知った

ビールは美味しい。どこでもいつでも、美味しい。 赤瀬川原平はビールの美味しさを100とすると、「80ぐらいまでがシチュエーションの力だと思う」として、残りの20を「ビール本体の固有の味にかかわる問題では」と書いている。これがウイスキーになると内容が逆になる。80が味にかかわり、20が氷や雰囲気といった力になるわけだ。ただ、ビールがその80をシチュエーションに委ねられるということは、僕はそれが「そもそも美味しい」というベースがあってこその話なんだろう、と受け取った。 こと居

坂の途中のドーナッツ

なんだか気分が下り坂で、ため息が転がり落ちる。 フレックスで午後出社にして、ちょっとしたエスケープをすることにした。 神楽坂周辺には、たくさんの坂がある。 なかでも、東京メトロ東西線・神楽坂駅の北側に位置する《赤城坂》は、勾配がきついことで知られている。映画『天気の子』にも登場する坂だ。 標識にも「『・・・峻悪にして車通ずべからず・・・』とあり、かなりきつい坂だった当時の様子がしのばれる」と書いてあった。 ドーナツのような滑り止めの輪っか模様が、この先につづく急勾配

ユニクロ着てユニクロに行く

日曜日の買出しの際、ユニクロに寄って欲しいと嫁から言われた。 なにかがセールになっているそうで素直に運転手をする。 ユニクロに着く 店につき店内に入った所で気がついた。 しまった!上はユニクロの白いシャツで。 下もユニクロの黒いパンツだ。 詰まる所、全身ユニクロで来てしまった。 店内がザワつき出す 店に入ってすぐ、正面にいた男性が小声で隣の女性に話しだした。 「おい、見てみろよ。あの人全身ユニクロだぜ」 「いやいや、わたしだったら恥ずかしくて生きていけないわ

そのラーメンにご執心

熱しやすいタイプだ。 熱しやすく冷めやすいタイプなんてよく言うが私は冷めるのは結構遅い。気に入ったことがあればあんかけうどんのようにいつまでも熱を保っている。 --- 数ヶ月前、お気に入りの飲食店を見つけた。そこは中華料理のお店で、夫に「死ぬまで同じ店でしか食べられなかったらどこの店で食べたいか」という、全くもってナンセンスな質問をされた時に私はその店と答えた。 その店は、ご存じ「餃子の王将」である。 食は万里を越えるというあの餃子の王将。 最近、餃子の王将が好きす

「両家の顔合わせ」は部活の思い出ざんまい

ちょうど3ヶ月前、梅雨入りしてすぐのよく晴れた日曜日のお話です。 午後には、間宮くん(私は娘の旦那さまを、noteではそう呼んでいます)のご両親が我が家にいらっしゃるので、私は朝からなぜか、キッチンの換気扇を大掃除していた。 キッチンには来られない予定なんだけど、なんとなく、家の空気をきれいにしたくて。 5月に長女は籍を入れ、晴れて間宮くんと夫婦になった。家族みんなの予定が合わずに先延ばししていた「両家の顔合わせ」という儀式が、入籍後にやっと行われることになった。 結納

清潔さ、を重んじる

喧嘩をしたときに、しかめつらで、ふてくされる女の子。あれはなかなか可愛い。 当事者としてその状況に身を置いたことはないけれど、女友達から彼との諍いの話を聞くとき、映画やドラマの一悶着のシーン、飲食店で修羅場に出くわしたときなんかに、わたしは膨れる女の子たちの様子を、ほとんど愛玩動物に向けるような気持ちで微笑ましく眺める。 ただ、そんなときに、 「もういいよ!」 という発言が力強くされて、 「好きにすればいいじゃん!」 などが続くとなると、ちょっと違う。 あいにく、その