ハピ菜

ハピ菜です。自然と文章が好きです。 月に1回ほどのペースで投稿していきます。

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最近の記事

無重力の羽

小中高と学校というものにおいて居場所がなかった私にとって、往々にして学校行事というものは苦痛だった。 そんな学校行事の中で唯一と言っていいほど楽しみだったのが「運動会」である。 制服ではなく体操服に身を包む朝。 学校にたどり着くと、運動場に張り巡らされている色とりどりの万国旗。 スピーカーから流れる定番の協奏曲。 体操服姿でどことなく所在なさげな同級生と、走り回っている先生たち。 なんとも非日常でワクワクが躍り出してくる! ラジオ体操から始まり、玉入れや大玉転がし、そして

    • たまにはセンチメンタル書かせてください。

      あれから2年が経つ。 一緒に自転車で走った兼六園の周りや、 高校生みたいに過ごした海岸、 ちょっと古風なリゾートホテルと美味しい朝食。 俺様でいつも自分が正しいと思っていて、 でも人一倍優しいあなた。 昨日のように覚えているのに、 ドアを開けたらあなたがいそうなのに、 でももう2年も前のこと。 あの時私が一日早く連絡していたら? あの時あなたが一日遅く彼女に連絡していたら? たったそれだけのことが、運命の歯車を外してしまった。 別れたのに想い続けるのは愚かなことです

      • ふたりのハーモニ

        2月。 と言ったらバレンタイン。 バレンタインと言ったら3世紀ローマで結婚を禁止されていた兵士たちを結婚させた、聖ヴァレンティノ牧師を悼む日…… ということで、今回はバレンタインにちなんで、私の思うパートナーシップについて話してみたいと思います。 ここで、驚く人は驚くニュースなのですが、私先月パートナーができ、めでたく交際がスタートしました! 昨年一年は大いに失恋し、「もう恋なんてしない……」なんて、某歌詞のように日々メソメソしていたのですが、「……なんて、言わないよ、絶対

        • 「うつになり損なった女」

          年末の話だが、人生で初めて心療内科を受診した。 この文章でも折に触れて書いているが、昨年1年は私にとって失恋があり、失業があり、所属するコミュニティから村八分にされるという、地獄のような1年だった。 過去を後悔し、今を否定し、人を恨み、自分を責め、生きている意味はないと日々泣いて暮らしていた。 そこで、いよいよ気が滅入るなと思って地元の総合病院の心療内科を受診することにしたのである。 正直、当日まで受診する勇気が湧かなかった。 なので予約の電話はせず直接窓口に行き、当日受診

        無重力の羽

          「ダサい、蒸れる、危ない」

          私がするする詐欺(※すると言ってしていないこと)をしていることの一つに、「ヘルメットを買うこと」がある。 いつの時期かヘルメット着用が努力義務になり、 「世間の流れはそうなっているのね。まあでも私は大丈夫」 なんて根拠のない無責任な考え方をしていたわけだが、 ヘルメット着用が努力義務になってから周囲でもヘルメット人口が増えてきて、段々と居心地が悪くなってきた。 「ま、、、、、まあでも大丈夫だよ……」と強がっていたのだが、致命的なことにうちの真面目一本の兄が実家に帰ってきてしま

          「ダサい、蒸れる、危ない」

          「今を生きる」

          ―思うようにいかない現実にぶつかった時、ついつい足りないものばかりに目が向いてしまう。周りと比較してこれがない、あれがないと、ないものを探してしまい、それが苦しみを招いてしまう― 先日聴いたラジオで言っていたことである。私はその言葉を聴き、 「ああ、本当にそうだなあ……」 と思い入った。 私はこの1年間、自分の「傲慢さ」にぶつかり、その壁に直面していた。 私は今まで自分は結構モテる方だと思っていた。年に3回は告白されるし、別れてもすぐ別の相手ができるしと、天狗になっていた

          「今を生きる」

          波瀾万丈、咲き乱れる人生

          最近、樹木希林さんの本を読んで感銘を受けた。 樹木さんの生き方は、まっすぐで、信念を持っていて私の母を思い出させる。 私の母は料理人で、かなりの芸術肌だった。 作る料理は水からこだわり、料理には地元の山の湧き水しか使わなかった。 卵にもこだわり、この料理には地元の農家が育てている有機の卵、この料理にはどこどこ産の卵というように、料理に合わせて水の種類、卵、野菜、だし、塩など全てが決められていて、それらは全て母の頭の中のハーモニーで成り立っていた。 料理以外にもこだわりは尽

          波瀾万丈、咲き乱れる人生

          「トイレは適切な用途で使いましょう」

          昔なくて今あるものとは、なんだろうか。 筋力、体力、記憶力、集中力、肌のハリ、経験値、パートナー、経済力……… 人それぞれ色々あると思う。 そして世の中は不変であり、昔も今も変わらないものの方が少ないのでは…と思ったりもするが、私にとって昔なくて今あるものは、『セルライト』である。 『セルライト』とはなんだろうか。簡単に言うと「脂肪の塊」である。 年とともに代謝が悪くなり、セルライトも溜まりやすくなると言われている。 確かに、昔痩せいたが歳を取って体重が増えたと言う人は男女

          「トイレは適切な用途で使いましょう」

          「生きてりゃいいさ」

          急な話だが、この半年間私は苦しみの中にいる。 半年前に気になる人ができたのだが、とある事情があり、これから関係性が始まるというところで連絡を取ること含め、関わることができなくなったのである。 今までの人生、私は本当に好きなことをやってきた。 誰に反対されるでもなく、失敗もあったがそれも含めて自分で選んで生きてきたつもりだった。 しかし今回は、自分が選んでこの人と一緒にいると決めその人生を歩もうとした矢先に、外部要因で連絡が取れなくなり、そこから猛烈な苦しみが始まった。 思い

          「生きてりゃいいさ」

          「今も生きる私の初恋」

          みなさんはご自分の初恋を覚えているだろうか。 私の初恋は小学校6年生の時だった。今までにも父の同僚や、兄の同級生に恋心を抱くことはあった。しかしこの小学校6年生の時の恋愛は「あこがれ」ではなく、自分の全てを捧げてもいいほどに好きだった。朝から晩まで彼のことを考え、彼と話をする女子に嫉妬をして不安になり。全てが彼を中心にまわっていた。 彼はRくんといい、私が小学6年生の時に一つ下の学年に編入してきた転校生だった。 私が暮らしていた地域はコンビニも信号もないような村で、市内か

          「今も生きる私の初恋」

          自由ってなんだっけ。 自由になるセミナーを受けてもそこに統制が生まれる。 キャリアを積むと地位に合わせて「あれやってはいけない」「あれ言ってはいけない」がでてくる。 私、自由になりたかったんだよね。 自由ってなんだっけ。

          自由ってなんだっけ。 自由になるセミナーを受けてもそこに統制が生まれる。 キャリアを積むと地位に合わせて「あれやってはいけない」「あれ言ってはいけない」がでてくる。 私、自由になりたかったんだよね。 自由ってなんだっけ。

          線路は続く、どこまで続く

          冒頭に鳥取県は、日本一美しいと言われる廃線跡(※1)を有している。 その名も「旧国鉄 倉吉(くらよし)線 泰久寺(たいきゅうじ) 廃線跡」だ。 この泰久寺廃線跡は、以前に俳優の六角精児(ろっかく せいじ)さんが番組で紹介されたとのことで、世間ではにわかに隠れ有名観光地となっている。 私は幼少期からこの地域に暮らしておりながら、恥ずかしながら先日友人に教えてもらうまで、この廃線跡のことを知らなかったのである。 この記事は、廃線跡について書いてほしいというその友人のリクエスト

          線路は続く、どこまで続く

          むてっぽうな人生

          台風一過だと、油断していた。 2023年8月16日(火)午後19時半ごろ、 吹き荒れる強風と、車体に吹き付ける強い雨、そして車のすぐ横を流れる小川の普段とは様変わりした濁流を見ながら、私は「甘かった……」と、ひしひしと自分の甘さを痛感していたのである。 これは、先日日本列島に打撃を与えた台風7号と、それに翻弄される無鉄砲な私の体験記である。 その日の朝、私の地元である岡山県の自宅から見える空は台風一過で光り輝いていた。 強風にも負けず生き残った蜘蛛の巣が、朝の日の光にキラ

          むてっぽうな人生

          めぐり逢い

          ―今から約千二百年前― 私たちは初めて出会った。 あなたは上流階級の貴族で、出会った時も雅な金糸の狩衣が誇らしげに日の光に煌めいていた。あなたは自信に溢れた若さの残る顔で馬に跨っていた。 あの日は秋晴れの空が青く綺麗な日で、私はたまたま屋敷の庭に出て紅葉を見ていた。そこで鷹狩をしていたあなたに見つかった。 あなたは私を見つけてすぐものにしようとした。私は抵抗したが、抗えなかった。 あなたには、既に多くの側室がいた。私は下流貴族の娘であり、あなたの正室になれる身分ではなかった

          めぐり逢い

          「最近芽生えた楽しみ」

          今年の4月から実家で父と暮らし始めて、4か月。1つ生まれた変化がある。 それは料理をするようになったことだ。 私は大学から一人暮らしを始め、今年まで約10年間ほぼ一人暮らしを続けていた。 一人暮らしを始めた当初は、料理もしようと思い一通りの料理道具を揃えてはいたが、いざ一人で暮らし始めると、ピタッと料理をしなくなってしまった。 今でも覚えている。一人暮らしを始めた大学生活の1日目。前日までは「朝ごはんを作ろう」と思っていたのに、朝になったら時間はないし作る気もなくて「ま、い

          「最近芽生えた楽しみ」

          大人になる

          こどもの頃、おとなは「自分とは違う種類のもの」だと思っていた。 こどもの自分にとって、大人は手もガサガサしているし、髪もパサパサと乾いているし、体も大きくて重そうだし、言葉の通り違うもの。 おとなはすぐ座るし、すぐ疲れるし、動くよりしゃべる方が好きだ。子どもにとって何時間もしゃべるだけなんて信じられない。 小さい頃からおとなというものは、なんなのか不思議だった。 だが私も三十路と言われる歳になった。 30歳とは、一般的に見て十分に大人の年齢だ。 30歳とは私にとって特別な意

          大人になる