楠井花乃

渡し船と短歌と写真が好きです。地元鳴門で創作活動を続けています。

楠井花乃

渡し船と短歌と写真が好きです。地元鳴門で創作活動を続けています。

記事一覧

『短歌人作品2023年5月号』

肉じゃがのおいしい匂いしてくるね定食屋さんの前を通れば 十円の駄菓子買ってた幼き日今はもうないあの駄菓子屋も 旅立ちの時まで祖母を支えたい今日も一日楽しく介助 …

楠井花乃
1日前
4

『短歌人作品2022年4月号』

渡し船今日もひとりで見に行った小さな小さなデジカメ持って ササミカツ南瓜の天ぷらお味噌汁家族四人の今日の献立 トントンとお葱を刻む祖母の音お味噌汁炊く匂いしてく…

楠井花乃
2日前
5

『楠井花乃自選短歌集。』

給料でボタンを買った帰り道 丸いベンチでコーヒーを飲む (短歌人2016・11) マンゴーのケーキの取材で行った店むかしの友がパティシエの店 (短歌人2017・…

楠井花乃
2日前
4

『お互いがんばろうね』

少年のようにきらきらしていたよ 思い出の中のきみ これからもカメラの仕事がんばってね 身体に気をつけて 四十代も良い映像撮ってね 私は、鳴門で短歌と写真、バイトが…

楠井花乃
4日前
8

『鳴門最高じゃな』

天気が良かったので午後の渡船に乗りました。観光客の人もたくさん乗っていて賑やかな船でした。「風が気持ちいい。渡船最高。鳴門に来てよかった」「そやな。鳴門最高じゃ…

楠井花乃
6日前
3

『五月の風を・・・』

詩人で建築家の立原道造の遺した言葉。 五月の風をゼリーにして 持ってきてください ひじょうに美しくておいしく 口の中に入れると すっととけてしまう 青い星のようなも…

楠井花乃
11日前
12

『雨の日の撫養川』

降りやまぬ雨 撫養川沿いをひとりで歩く 藍色の傘をさして歩く道 いつも心に寄り添ってくれる川 かなしい時もうれしい時も・・・

楠井花乃
12日前
5

『日々』

いつも地元鳴門をよく歩いている。顔馴染みの人に会釈しててくてくてくと歩いてゆく。観音寺にぼたんの花を見に行ったり、4個で100円の大きな新玉ねぎを買ったり、途中…

楠井花乃
3週間前
6

『短歌人掲載作品』

幸せを大事にしたい今朝もまた散歩の途中おはようさんって 雪の中飛び立ってゆく鳩たちよ コーヒー買ってわたしは歌を この場所に昔駄菓子屋あったなぁ今日もひとりで思…

楠井花乃
1か月前
7

『春の食卓』

家で食べるごはんがおいしい。父が揚げてくれたサクサクのカキフライと菜の花の天ぷら。私が炊いた春にんじんたっぷりのお味噌汁。ほかほかの白ごはん。それと母が買ってき…

楠井花乃
1か月前
19

『春の渡船』

朝一番の黒崎渡船に乗った。空が美しかった。もうすぐ四月。 渡船で、あたらしい留学生や高校新一年生と出会えるのが楽しみだ。

楠井花乃
2か月前
14

『桜草』

秋の鳴門図書館まつりで母が桜草の苗を買った。苗がひとつ50円。こんなにたくさんかわいいお花が咲きました。鉢はセリアで買ったそうです。 私は、名前が「花乃」なので…

楠井花乃
2か月前
11

『20円の大根』

いつも地元鳴門の街をよく歩く。道に咲いている花、撫養川に吹いてくる風、渡し船、安いスーパー、八百屋、魚屋、肉屋、花屋、毛糸屋、和菓子屋・・・鳴門のことを「何もな…

楠井花乃
2か月前
7

『土曜日の渡船』

土曜日、少し暖かかったので渡船に乗って高島へ。 この日できた短歌を三つ。 午後の船観光客も乗ってるよ ゆうらりゆらり三分の旅 三分の旅をしようよ晴れの日は黒崎渡…

楠井花乃
3か月前
9

「今朝の短歌」

予定のない日は近所の公園に行く。 安いスーパーでペットボトルのお茶と缶コーヒーを買う。合計112円。 いつも笑顔で働くレジのお姉さん。 すがすがしい気持ちで店を出…

楠井花乃
3か月前
5

『渡船の歌を』

早朝の祖母の介護が終わってから黒崎渡船に乗りに行くことにした。歩いて渡船場まで行く道。薄紅色に染まってゆく空、コンビニの灯、大きなトラック。 渡船乗り場に着いた…

楠井花乃
5か月前
6
『短歌人作品2023年5月号』

『短歌人作品2023年5月号』

肉じゃがのおいしい匂いしてくるね定食屋さんの前を通れば

十円の駄菓子買ってた幼き日今はもうないあの駄菓子屋も

旅立ちの時まで祖母を支えたい今日も一日楽しく介助

青色のコートが似合う留学生同じ渡船に昨日も乗ったね

渡船にて篠田桃紅の本を読む春のそよかぜ吹かれて行こう

楠井花乃

『短歌人作品2022年4月号』

『短歌人作品2022年4月号』

渡し船今日もひとりで見に行った小さな小さなデジカメ持って

ササミカツ南瓜の天ぷらお味噌汁家族四人の今日の献立

トントンとお葱を刻む祖母の音お味噌汁炊く匂いしてくる

GLAYとかよく聴いてたね青春の日々を思えばいつもあの曲

「良い映画良い漫画見てこころよし」ノートに感想書きつけておく

(楠井花乃☆短歌人2022年4月号)

『楠井花乃自選短歌集。』

給料でボタンを買った帰り道 丸いベンチでコーヒーを飲む

(短歌人2016・11)

マンゴーのケーキの取材で行った店むかしの友がパティシエの店

(短歌人2017・1)

飾らないその人柄に惹かれてた飾らなくても輝いてたよ

(短歌人2019・10)

一冊の歌集出せたら会いに行く きみに見せたい歌の数々

(短歌人2020・1)

『お互いがんばろうね』

『お互いがんばろうね』

少年のようにきらきらしていたよ
思い出の中のきみ
これからもカメラの仕事がんばってね
身体に気をつけて

四十代も良い映像撮ってね

私は、鳴門で短歌と写真、バイトがんばるけん

『鳴門最高じゃな』

『鳴門最高じゃな』

天気が良かったので午後の渡船に乗りました。観光客の人もたくさん乗っていて賑やかな船でした。「風が気持ちいい。渡船最高。鳴門に来てよかった」「そやな。鳴門最高じゃな」と観光客の人の楽しそうな声。私も幸せな気持ちになれました。

『五月の風を・・・』

『五月の風を・・・』

詩人で建築家の立原道造の遺した言葉。

五月の風をゼリーにして 持ってきてください
ひじょうに美しくておいしく
口の中に入れると すっととけてしまう
青い星のようなものが食べたいのです

『雨の日の撫養川』

『雨の日の撫養川』

降りやまぬ雨
撫養川沿いをひとりで歩く
藍色の傘をさして歩く道
いつも心に寄り添ってくれる川

かなしい時もうれしい時も・・・

『日々』

『日々』

いつも地元鳴門をよく歩いている。顔馴染みの人に会釈しててくてくてくと歩いてゆく。観音寺にぼたんの花を見に行ったり、4個で100円の大きな新玉ねぎを買ったり、途中喉が渇いたらスーパーやドラッグストアで安いお茶を買ったり。公園のベンチで作る詩や短歌。いつものベンチで読書したり。今、読んでるのが『うた歳彩』佐佐木幸綱 小学館。1991年に出版された本だ。少しずつ読み進めていくのがとても楽しい。

『短歌人掲載作品』

幸せを大事にしたい今朝もまた散歩の途中おはようさんって

雪の中飛び立ってゆく鳩たちよ コーヒー買ってわたしは歌を

この場所に昔駄菓子屋あったなぁ今日もひとりで思い出の道

少しだけ雪が降った日ばあちゃんと温かいお茶二人で飲んで

野球部の少年たちがかけぬける朝の街角桜のつぼみ

楠井花乃☆短歌人2024年4月号

『春の食卓』

『春の食卓』

家で食べるごはんがおいしい。父が揚げてくれたサクサクのカキフライと菜の花の天ぷら。私が炊いた春にんじんたっぷりのお味噌汁。ほかほかの白ごはん。それと母が買ってきてくれた小さな苺。春の食卓・・・菜の花、春にんじん、苺の良い香り。102歳のおばあちゃんも「おいしかった」と言って大喜びでした。おいしいごはんに明日からもがんばれそうです。

『春の渡船』

『春の渡船』

朝一番の黒崎渡船に乗った。空が美しかった。もうすぐ四月。
渡船で、あたらしい留学生や高校新一年生と出会えるのが楽しみだ。

『桜草』

『桜草』

秋の鳴門図書館まつりで母が桜草の苗を買った。苗がひとつ50円。こんなにたくさんかわいいお花が咲きました。鉢はセリアで買ったそうです。
私は、名前が「花乃」なのでお花が大好きです。
日々の暮らしに花を・・・☆

『20円の大根』

いつも地元鳴門の街をよく歩く。道に咲いている花、撫養川に吹いてくる風、渡し船、安いスーパー、八百屋、魚屋、肉屋、花屋、毛糸屋、和菓子屋・・・鳴門のことを「何もない街」っていう人もいるけれどステキなお店もたくさんあるし、美しい風景に出会えます。そこに街の人々の生活があって。今日も近所の八百屋の前を通ると大根が1本20円。「大根2本ください」とレジに持って行く。100円払って60円のお釣り。「ありがと

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『土曜日の渡船』

『土曜日の渡船』

土曜日、少し暖かかったので渡船に乗って高島へ。
この日できた短歌を三つ。

午後の船観光客も乗ってるよ ゆうらりゆらり三分の旅

三分の旅をしようよ晴れの日は黒崎渡船乗りに行こうよ

船が好き渡船に乗ればつらいこと悲しいことも忘れられるよ

「今朝の短歌」

「今朝の短歌」

予定のない日は近所の公園に行く。
安いスーパーでペットボトルのお茶と缶コーヒーを買う。合計112円。
いつも笑顔で働くレジのお姉さん。
すがすがしい気持ちで店を出て公園へ。
ベンチでお茶とコーヒーを飲みながら短歌を作る。
指を数えながら詠む三十一文字。
今朝できた短歌をひとつ。

渡船場で「Good Morning」さわやかな留学生はザンビアの人/楠井花乃

『渡船の歌を』

早朝の祖母の介護が終わってから黒崎渡船に乗りに行くことにした。歩いて渡船場まで行く道。薄紅色に染まってゆく空、コンビニの灯、大きなトラック。
渡船乗り場に着いた。小鳴門橋の向こうの美しい日の出。
渡船の歌を作ったり写真を撮ったり・・・。私は、渡し船に魅せられていつも歌の言葉を探している。
東京にも行ったことない田舎者だけど地元鳴門の渡し船に乗って小さな旅を続けている。いつもよく乗る黒崎~高島を結ぶ

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