『私たちは絶対、不幸なんかじゃ無かった』

もう二度と会えるはずはない
そう思っている
いま、あなたがどこで何をして
何を見て生きているか
そもそも、まだこの世界に居てくれているの

この季節が来る度、
必ず一度は、あなたを思い出す
私たちの関係が、築いてきた形が
決定的に壊れた、あの日

あなたもきっと、よく憶えているでしょう
私はずっと、覚えている

あなたは確かに泣いていた

身のうちに荒れ狂う嵐
引き返せない悲しみ

予感していた

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ずっと一緒に居るって言った、あれはやっぱり、嘘だった

あなたの愛と私の愛の重さは違って
あなたの哀と私のアイも、当然ながら
全く違う

夢は夢のままが良いと
あなたはそう口にした
そんな風に語ったあなたは
願いを叶えて
それは嫌だ、と泣いた
私の願いは未だ

あなたの夢が現実に成った瞬間、
私の夢は破れた
あなたの夢が現実に変わった瞬間、
私の現実が幻想に変わった

儚い夢
昨日までの日々と成り代わって
それはひとひらの花弁
ひらひらと舞う紋白蝶の様

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空調28度でも肌寒い部屋

空調28度でも肌寒い部屋が
何も無い6畳半を叩きつけてくる

甘い毛布に身を潜めて
何も無い自分を誤魔化してる

朝までは少し遠くて
夜が続くにはとうに遅くて

湿度がもうない部屋の隅で
君が居た思い出を過ぎらせた

可哀想 私可哀想だな
そう言っていれば被害者でいれるな
可哀想 君が可哀想だな
そう言ってれば加害者でいれるな

見つけた答えにバツをして
罰された気になってやり直した

おはよう

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ton soleil

握ってくれた掌の熱
どれだけ嬉しかったか
あなたは分からない
知る由もない

指先をぎゅっと掴んでくれた
その感触
生まれる前からずっと
私が欲っしていたもの
願っていたもの

そんな事
あなたは知るはずもない

夢を見ているみたい
だけど現実
あれは
私がいつも見ていた
そらの記憶なんかじゃなく
あなたも持っている
昨日の想い出

神様に祈るみたいに灯る
夜空に浮かぶその部屋の明かりの数だけ

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Vergesslichkeit

風誘う花きみに
あてた香りひらく
その声たよりに
気付くは誰(た)の心の芽

うつる季節に紡ぐ泡沫は
そらに煌めく
星に見る影はたそかれ
交わす約束伝う
祈りはいつかのあなたに
尋ねる、あかし
かの人、いま何処

花散らす雨不意に
疾る光の裂く声
さあ、
ここにおいで

風誘う花きみに
贈る香りひとつ
その時心に浮かぶは
誰(た)の記憶でしょう

託す生命はめぐる
いつかのあなたのその瞳に
届いて

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Pluto

もしも今目にした景色に
私の姿が見えたなら
それはきっと、未来の私

あなたのそばに寄り添う影は
見えないところにもう一つ
実はある
それは守護天使
ただただ、あなたの幸福を祈っている

願いが星に届く時
そこに光はもうないでしょう
せめて流星があなたの瞳に届いたなら
それは奇跡
それだけが救い

もしも今目にした景色に
あなたの姿がうつったなら
それはきっと、過去のあなた

私のそばに望む影は

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murmur

愛しているは
死にたいの対義語で
憎しみは
生きたいのエネルギー

怒りは好きと限りなく背中あわせの感情で
可愛いは裏切りと同列の類
夢は現実のあわせ鏡で
移ろう世界はあなたそのもの

鯨の吠える声に
驚いた雌鶏がしたたかに顎を打つ
縺れた足はそのまま
泥水を散らし
泥濘の中へ沈んでいった

さよならは悲しみを湛え
それゆえ
さびしく清らかに光り映す

愛しているは
さようならの同意語と思っていた

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Interstellar

あなたを忘れれば
すべてが楽に成る
あなたを手放せば
今より遥かに
現実的に成れる

さようならを言いましょう
夢のなかで
とびきり美しい満月をうしろに
私のなかで始まり
私のなかで終わる
私しか知らない
私ばかりの物語

あなたを嫌いになれたなら
そんな私はきっと、もっと最低

夢が夢のままであって
なんて、思ったことは一度も無いよ
挫けそうに成るたびに
心が欲しがった声は
いつだって

あなた

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She saw see

あなたの居ない世界で
眠るわたしを見ていて

あなた不在の世界で
生きているの
あなた不在でも
生きていけているのよ

とてもそんな風には想えなかった
わたし、あなたの居ない世界を今
生きているの
あなたを忘れながら

1秒針が進み
生命の一滴が溢れていく度
わたしはあなたを忘れる
毎朝、目醒める度
あなたから遠ざかっていく
あれ程憶えていた
焼き付いていたはずの、あなたの熱
触れた時の心地の具合

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おやすみ、神様

よく転び、よくぶつかる
よく躓き、よく立ち止まる
よく傷つき、よく血を流す
それでも私は生きている
それで私は私を知るのです

あなたが居るから私はまだ歩ける
ごめんなさい、あなたに縋って
あなたを理由にすること
それが間違いなのは分かっている
それでも、私はあなたに逢いたいのです
他でもないあなたに

悲しむ顔を見させて
怒りに震える瞳を見せて
怯える心に立ち竦み
涙を流すあなたが見たい

恐怖

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